鉄のあけぼの 上

著者 :
  • 日経BPマーケティング(日本経済新聞出版
3.62
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本棚登録 : 165
感想 : 10
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  • Amazon.co.jp ・本 (354ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784532280406

作品紹介・あらすじ

戦中・戦後の苦難を乗り越え、昭和25年に川崎製鉄初代社長に就任するや、西山弥太郎は、千葉に世界最新鋭の製鉄所を建設するとぶち上げる。日銀の「法王」一万田尚登総裁が「強行するなら、ぺんぺん草が生えることになる」と毒づいたと言われる中、第一銀行の酒井杏之助頭取は「もはや矢は弦を離れた」と支援に踏み切り、通産省の若手官僚たちも「日本の再建には良質の鉄が必要だ」と訴えた。

感想・レビュー・書評

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  • (上下巻合わせてのレビューです。)

    とある理由から川崎製鉄(現JFEスチール)の創業話に興味をもって、読んでみた本。

    小説としては、つまらない(普通)。
    だけれども、主人公である創業者の西山の
    高い志、未来を見据える力、
    リーダーシップ、仕事に対する姿勢(当事者意識)、
    抵抗勢力に負けない意志、
    他社(特に部下や下々のもの)に対する振る舞いからは学ぶべきことが多い。

    そういった視点から読むのであれば、読んでみる価値はあると思う。
    特に、JFEスチールの社員さんなどは、
    (母体が川崎製鉄でなくとも)読んでみて自社のDNA(の半分)を理解するのによいと思う。

  • 川崎重工(川崎造船所)から戦後、分離独立した川崎製鉄の初代社長、西山弥太郎が、千葉県の蘇我(国鉄蘇我駅の海寄りに戦前日立航空機が使っていた埋立地)に、鉄鉱石から鉄鋼を一貫生産する最新鋭の工場(千葉製鉄所)を建設すべく遮二無二奮闘する姿を描いた、ドキュメンタリー小説。

    24時間365日、仕事のことだけ考え、妥協を許さず突き進む西山社長は、モーレツ社長の典型。

    戦後復興期の日本の鉄鋼産業の状況が細かく描かれていて、当時を知るには良い書。

    本書には、本筋とは関係のないちょっとしたエピソードや些細な情報が随所に盛り込まれている。取材して得た情報を、もったいないので全部載せました、という感じだろうか。

  • 鉄鋼業界の勉強のために借りて読む。
    当時の時代の雰囲気など伝わってきてとても勉強になる。

  • 東2法経図・6F指定 913.6A/Ku75t/Ishii

  • 川崎製鉄創設者の西山弥太郎。この本を読むまでその経営者の名前は知らなかった。日本が戦争に入る1920年代から高度成長期の1960年代まで、鉄づくりに捧げた人生。鉄の重要性・先見性を見出し、官営企業が優位な環境の中、独自路線で会社を発展させていく。個人的には世界銀行との融資交渉が印象的。今の現役世代がなかなか実感できない、自国の発展や産業イノベーションに賭けた経営者がここに書かれてある。

  • 敗戦国・日本に、世界最新鋭の製鉄所をうち建て、高度経済成長の扉を開いた“鉄のパイオニア"、川崎製鉄(現JFEスチール)初代社長・西山弥太郎の生涯を描く小説。
    慣れない業界といこともあり、なかなか頭にスッと入ってこなかった。
    小説というよりも歴史の教科書を読んでる感じでした。

  • 日本の鉄の歴史がよくわかる。そして、西山弥太郎の生き方は学ぶべき事が多い。「本気で生きる」ということはこういうこと。

  • 141223読了
    事実の羅列でストーリー性が少なく、あまり進まない。労働闘争の話は面白かった。

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著者プロフィール

黒木 亮:1957年、北海道生まれ。カイロ・アメリカン大学大学院修士(中東研究科)。都市銀行、証券会社、総合商社を経て2000年、大型シンジケートローンを巡る攻防を描いた『トップ・レフト』でデビュー。著書に『巨大投資銀行』『エネルギー』『鉄のあけぼの』『法服の王国』『冬の喝采』『貸し込み』『カラ売り屋』など。英国在住。

「2021年 『カラ売り屋vs仮想通貨』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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