フラット化する世界 上: 経済の大転換と人間の未来
- 日経BPマーケティング(日本経済新聞出版 (2006年5月1日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (393ページ)
- / ISBN・EAN: 9784532312794
作品紹介・あらすじ
ピュリツァー賞を3度受賞したジャーナリストが、インド、中国、日本、欧米諸国の経営者や政治家らへの綿密な取材をもとに、今われわれの目前で起きている巨大な変化を鮮やかに活写する。全米で社会現象を引き起こした超ベストセラーが、アップデート&増補版からの翻訳で登場。
感想・レビュー・書評
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この本は全員必読です。
少し古い本なので、ブックオフの100円コーナーで見つけられれば最高です。
経済のグローバル化という点についてもこの本を読めば理解できます。
6年前に発行された本ですが、全く内容的に古さを感じさせられません。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
アウトソーシング大国:インド、中国
これから100年後も創造的な仕事は日米欧でやれるか
過去は忘れないが経済的合理性を追及する中国
ホームソーシング:自宅でコールセンター
情報のフラット化
下位の人間もハイレベルの情報を持つようになった
何でもアウトソーシング
マクドナルドのドライブスルー
オンライン家庭教師:英語教育?
三重の集束
①様々な形の共同作業が可能になるプラットフォーム
②水平な接続・共同作業やバリュー創出のプロセス
③様々なタイプの新しい人たち~中国人、インド人
自由貿易で困るのは先進国の低技術労働者
→彼らを救うにはどうすればいいか
新しいミドルクラスの仕事~無敵の民
①かけがえのない、特化した人々:有名人、医者等専門職
②錨を下している人々~特定の場所で仕事、知識、顧客を持つ
③旧ミドルクラス→ファシリテータ、合成役、説明役、てこ入れ役、適応者、グリーンピープル、パーソナライザー、ローカライザー
フラット化する社会での理想の才能とは何か
①学ぶ方法を学ぶ:学ぶ喜び
②熱意、好奇心
③人を好きになる
④右脳のスキル:やりたいことをやる
食べるために必要なら、全員が農業をやればいい
工業もサービス業も全てが娯楽である
しかし、良く生きるには娯楽が必要である
企業が生き延びるためにルール
①内面を掘り起こす
②小は大を演じる
③大は小を演じる
④優良共同作業者たれ
⑤自社の中核となる商品を売りこむ
⑥勝つためのアウトソーシング
⑦アウトソーシングは理想主義 -
これまで漠然と感じていた世の中の変化を様々な世界各国における事実をベースにどのような変化が起きているのかを具体的に示されている本。
なんとなく自分の視点からまとめた変化はざっくり以下のとおり。
1.ITの進化
①簡単に使える
ITはどんどんWebベースへと進化している。しかもフリーソフトで。
だから誰でも好きなソフトを使える状態が整いつつある。
②プロの技が簡単に
アニメーション作成だったり、写真の加工だったりプロの技が
個人でもソフトウェアを活用することで出来るようになってきた
2.インフラの進化
世界中がインターネットでつながり物理的な距離感がなくなった。
しかもブロードバンドの大容量で。とか、モバイルの無線で。とか
環境はどんどん充実している
その結果。
3.インドや中国、カンボジアなどへのアウトソーイングが可能に
海外への事務作業へのアウトソーシングが容易になってきている。
仕事のプロセスや内容が見直され、低い人件費でできるものは
どんどんアウトソースされている
4.専門分野としている企業へのインソースが可能に
ネットによって業務プロセスや情報を共有したりすることで、
自社の輸送などの機能をインソースで他の会社に依頼する
例:UPS、ウォルマート
5.個人事業主がビジネスが可能に
個人がソフトを活用することで、個人でビジネスプロセスを簡潔
するような
例:写真の現像加工、文書の翻訳
6.インドや中国などの自国での富裕化
アメリカなどに出稼ぎに行かずとも自国での生活が可能になる
7.先進国のノウハウを吸収することによる発展途上国の進化
当たり前だけど、どんどん技術を吸収し、アウトソースではなく、
自国のブランドを築いていく。昔の日本みたいに。
8.情報格差がなくなっていく
ネットが当たり前になることで全ての情報が共有化されていく。
まとまりがなくなってしまったが要は仕事の進め方自体が昔からガラッと変わる中で、過去のアドバンテージがそれほどアドバンテージではなくなり、同時に参入のためのハードルもチャンスも一気に広がった。
だから、ハングリーで人件費も安い国が一気に先進国に追いつきつつあるという感じがしてます。 -
自分の訳本『IMS標準テキスト』を買った人はこんな商品も買っています、のリスト(by Amazon.co.jp)に、なぜかこの本が入っているので、気になって読んでみました。ずいぶんと売れているようですし。
導入部分でコロンブスのエピソードから入り、丸い地球は今では平らなんだ、としたところでまず、「丸い方が平等なのでは?」という違和感を覚えました。著者の"フラット"な世界には中心(アメリカ)と周縁(インドや中国)というイメージが含まれているのではないのだろうか、と。そうして本のカバー上部にあるコインの中をよく見ると、アフリカとイスラム諸国あたりを平たくしたものが描かれています。これらの地域は本の中では、"フラットでない世界”として描かれている地域です。そうすると、このコインは実は"裏"を向いていて、見えていない反対側の世界の"表"には、アメリカが中心になってインドや中国が周縁に来ている図があるということを暗示しているのでは、というのはうがった見方過ぎるでしょうか。どうなんでしょう。
また、原書のタイトル『The World Is Flat (世界はフラット)』は、本の中でも十分に認識されている通り、いわゆる"フラット"な世界の恩恵から外されている人がたくさんいる中では、日本語タイトルのように『フラット化する世界』といった進行形のニュアンスが含まれていてもよかったのでは、と感じました。
ここまで少し批判的に書きましたが、この本で言われていることは、時間と距離における世界の縮小であったり、情報アクセス面(発信も含めて)でのヒエラルキーの解消であったり、そのような変化の認識はとても大事なことと思います。ウォルマート、UPS、インフォシス、ウィプロなどの企業の話も取材調査が具体的でさすがに面白く読ませます。こうやって整理してまとめるとあらためて色々と見えてくるものがあります。例えば、ITバブルとその崩壊が結果としてフラット化を促したというところも、本の中で出てくるグローバルクロッシング社だけでなく、あの頃はレベル3社やらウィリアムス社やらがものすごい勢いで国内外に光ファイバーを引いていた状況を覚えているので、単に政策含めて失敗したんだなと認識していましたが、こういうダイナミズムというのも重要だなと思わされました。自分の仕事に関係しているVoIP (Voice Over IP)が第三番目の"ステロイド"としてフラット化を促進する要素として紹介されていますし、情報量が豊富な中盤からは興味を持って読み進むことができました。確かにこの10年~15年のことを考えると、ものすごい変化が起こっているよな、と再確認したところです。
ただ、“グローバリゼーション3.0” というのは用語のセンスとしてもどうなんだろう、ということもあり、やや傲慢さが(個人的には)鼻に付くところがあったというこもあり、星4つということで。
* シスコのマイク・ボルピさんが"流通テクノロジー担当VP"となっています (P.275)。Transport Technologiesの訳? 確かRouting Technologiesだったかと思うが、この本で"流通"って訳すとちょっと誤訳っぽい。ちなみにボルピさんって日本語ぺらぺらです。 -
物性研の所内者、柏地区共通事務センター職員の方のみ借りることができます。
東大OPACには登録されていません。
貸出:物性研図書室にある借用証へ記入してください
返却:物性研図書室へ返却してください -
00年ころからのインターネットの普及により、種々の障壁が無効化され、世界がフラットになっていくという考え。
上巻ではフラット化が企業に及ぼす影響について中心的に述べられる。
読むのがさすがに遅すぎたかもしれない。 -
2011年11月6日
ピュリツァー賞受賞の著者には申し訳ないが、
IT、WEBに対して少し過大評価に思えた。
頂点が、ピラミッド型から台形型にフラットになった。
それくらいのレベルだと思う。
確かに、誰もがこのフラットな競技場に入れるわけではない。とは書いてあるけど。
言葉は悪いが、ネットをあまり知らないオッサンがすごく興奮している。と映らないでもない。
しかし、一部ではこんなことをインドにアウトソーシングしているんだ。との驚きもあった。 -
グローバル化の先駆け
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船橋ブックオフ
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・市民がオンブズマンになれる(道路の凸凹等、携帯写真で撮って、市役所にメールする)