フラット化する世界(下)

制作 : 伏見 威蕃 
  • 日本経済新聞社
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レビュー : 74
  • Amazon.co.jp ・本 (416ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784532312800

作品紹介・あらすじ

「世界のフラット化」によって仕事を奪われないために、先進国の人々は何をすべきなのか?子供たちの世代がインドや中国との競争に勝ち抜くには、どんな教育や社会システムを作る必要があるのか?企業はどう対処すべきなのか?本書後半では、フラット化という重大な試練を乗り越えるための具体的な方法を論じる。そして、フラット化がもつ真の可能性が明らかになる。

感想・レビュー・書評

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  • トーマスフリードマン著、伏見威蕃訳「フラット化する世界(下)」日本経済新聞社(2006)
    * フラット化が進む中、どのような人々が無敵の民となるのだろうか?脳外科医や研究者などの「かけがえのない、もしくは特化した」人々である。また「地元に密着」して碇を下ろしている人々もこれに当てはまる。特定の場所で仕事をしていたり、特殊な地場の知識が関連していたり、顧客、クライアント、患者、同僚と直接の個人的な結びつきや相互交流があったりするためだ。
    * ノーベル賞を受賞した物理学者にどうやって科学者になったかたずねると、家に帰ると母親が授業のことを毎日質問したと返ってきた。何を習ったかに興味があったのではなく、「きょうはいい質問をしたの?」とつねにきいた。「いい質問をすることで、私は科学者になった」
    * フラットな世界では、IQ(知能指数)もじゅうようだが、CQ(好奇心指数)とPQ(熱意パッション指数)が最も大きな意味を持つだろうと考える。
    * 世界のフラット化は異社会、異文化が直にい触れ合う機会が激増する。

  • 船橋ブックオフ

  • ・フラットな世界でのばすことができる最初の、そして最も重要な能力は「学ぶ方法を学ぶ」という能力だ。
    ・ゲームのルールは変わりつつある。巨人になる必要はない。ニッチを見つければいい。テクノロジーのお陰で、大企業とも競争できる。

  • フラット化する世界に対応するには教育が大切であるが、
    効果はすぐ出ない。長期的な施策が必要。
    またこの問題は個人が対応すべき問題でもある。
    フラット化は避けられない流れであるから
    壁を作り周りの環境を拒絶するのではなく、
    自分の内面を掘り進める事が大事である。
    マクドナルドが出店している国同士では大きな紛争が無いとは面白い指摘。
    それ程マクドナルドはよく調査しているのだろう。

  • 世界はフラット化してきている。
    グローバルサプライヤーチェーンに組み込まれてしまうと戦争のようなおおごとは起こせなくなる。
    思想の面ではなく経済の面から戦争を見る視点も大事である。その考えが経済音痴の私にはあまりないことを実感。
    北朝鮮を組み込ませるにはやはり金王朝が倒れるしかないのかなと思った。

  • おすすめ資料 第12回世界経済はいかに変容したか(2007.2.16)
     
    ユビキタスコンピューティングの発達は場所を選ばないビジネス社会を実現しました。
    例えばあるアメリカ企業では夜間にインドに仕事をアウトソーシングし、それを翌朝に受け取って休むことなく活動しています。
    作者はそのように境目がなく、狭くなった地球を(丸くない)フラット化した世界と呼び、フラット化に至った経緯を丁寧にひもといています。
     
    ベルリンの壁が崩壊して世界が自由市場指向となり、中国のWTO加盟がさらにその競争の場を広げました。
    2000年問題への対応はアウトソーシングを促進し、その中でインドが脚光を浴びるようになりました。
    また企業のあり方のみならず個人の生活の変化もフラット化を後押ししています。
    現代ほど個人が知識にアクセスするのに差別のない時代はかってありませんでした。
    このようにこの図書は世界の経済社会の動きを広い視野で俯瞰できるものになっています。
     
    ご紹介したのは第一部(上巻)の内容ですが、第二部(下巻)ではフラット化した社会で生き延びるための方策が示されています。

  • 面白かったが、大作で読破するのに時間がかかった。
    グローバル化、ボーダレス化の先にあるのがフラット化か。
    表面だけ眺めると、よくあるインド・中国のオフショアビジネスの台頭がテーマという感じもするが、実際はもっと奥が深い。
    このパラダイムシフトが起こっても米国は大丈夫で、困ったことになるのは日本だけなのか・・・
    本筋とは異なる(実はこれが本筋だったりするのだが)が、筆者が購入したDellのノートPCの製造に関わるサプライチェーン上の400にも及ぶサプライヤのどの部品を組み合わせ、どう配送されたかまで把握できるところにちょっと衝撃のようなものを受けた。

  • あらゆる国境がなくなったフラット化された現代に生きる我々に対して、
    その新しい世界のポイントを論じる内容の下巻。

    その内容はより深く、そしてより壮大になっている。
    特に戦争を防ぐ手段としてのサプライチェーンという考え方は、
    自分にとって新しいものであったが、極めて納得感が高く、
    国際関係を築く新たなる礎たり得るものであった。

    アメリカ国民に対して、警鐘を鳴らしている本書であるが、
    フラット化した世界の良い点、悪い点をキチンと理解した上で、
    如何に自分事として考えることができるかがポイントであると思う。

  • 【フラット化する世界(下)】
    14…無敵の民の特徴
    20…新ミドルクラスに必要な合成役、説明役、まとめ役、
    26…必要な能力
    31…個人商店としての働きかたが必要、そのためには絶えず学ぶ必要あり
    34…熱心なパーソナライザー、ありふれた仕事にクリエイティビティを加えることで新ミドルクラスの仕事になる。俺はここと合成役、まとめ役、説明役を目指せそう。
    42…ステップアップの例、求められる水準が上がった
    46…好奇心の重要性が増す。それを広げるツールは山ほどあるため
    70…イノベーションには信頼が必要、その結果多くの異なる人々が集まる、それが共同作業へ。アメリカには幸運にも多数の実験の結果、「信頼」が市場に存在する稀有な国。他はロンドン、フランクフルト、東京くらい
    120...今後は「どこでイノベーションが行われるか」が重要。そこが最も高度な場所となる。マイクロソフトがワシントン、グーグルがカリフォルニアにあるのは重要。しかし、それだけを持ってアメリカ企業と安住していたら、いつの日か別の場所がイノベーションの場になっていく。教育の重要性について
    134...代替エネルギーの開発により、エネルギー自給国になるという目標を掲げることが重要。当時のケネディが「月に立つ」と宣言したように。
    143...企業は生涯学習の機会を提供し、社員は雇用される能力を「高め続ける」必要が在る。これが「終身雇用」に代わる新しい社会契約になる
    179...重要な事は「雇用」そのものではなく、「生産性の向上と生活水準の向上」に繋がる雇用である。雇用するだけなら国有企業で吸収できる
    189...今後世界は「賢い国、より賢い国、とても賢い国」という分類になる。必ずしも賃金のみが投資先を決定するのではない。教育水準や規制、なども大いに考慮するべき内容
    195...他国の文化を柔軟に取り入れられる文化を持つ国は強みである。そのような寛容は信頼を生み、信頼はイノベーションの土台となる。なぜなら、これまで以上に「見知らぬ誰か」と共同作業をすることが増えるため、信頼を構築できる能力は有用と言える
    199・・・経済繁栄の基本公式は小売改革、卸売改革、ガバナンス、教育、インフラ、グローカル化する能力。しかし、なぜそれを継続できる国とそうでない国に分かれるのかは分からない。2点在る。1点目は団結して犠牲を払う社会の意欲と能力。2点目は発展に必要なものを見抜く指導者の存在
    332・・・グローバル化によって、同質性が高まる面はある。例えばみながiPodを使うといったこと。しかしそれはグローバル化の些細な一面でしかないし、iPodはプラットホームに過ぎない。そこから生まれる文化は多様性に満ちているし、今後もその流れは加速する。
    343・・・デルによるグローバルサプライチェーンで結びつきあっている2国は戦争を起こさない、というデル紛争地回避理論がある。

  • 本書では個人、企業、社会及び国家がフラット化する世界でどのように生き延びていくかについて書かれています。

    本書では自分を「無敵の民」にするべきとあります。
    無敵の民とは「自分の仕事がアウトソーシング、デジタル化、オートメーション化されることがない人」を意味するらしいです。

    アウトソーシングは日本企業がコストの低い海外に工場を移転するといった類のことであると思います。
    代替可能な仕事はコストのかからない途上国にとられてしまう。

    音楽業界や出版業界で進んでいるデジタル化が、既存のビジネスモデルをかえてしまい
    変化に対応できない個人や企業は自分の場所を失ってしまうでしょう。

    ではフラットな世界の無敵の民であるには?
    「かけがえのない、特化した人」
    「地元に密着して錨を下している人」

    これらは個人だけでなく企業でもあてはまりますね。
    けっこういろいろな「ビジネス書に書かれているようなことですが…。

    世界のフラット化の流れは、もうとまることはないでしょう。
    いろいろご意見あると思いますが、私自身はフラット化は良いことだと思います。
    否応なく世界はフラット化するわけですから、いつかくる新時代のために準備を怠らないでいたいですね。

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著者プロフィール

ニューヨーク・タイムズ紙外交問題コラムニスト
1953年ミネソタ州生まれ。ブランダイス大学卒業後、オックスフォード大学で修士号取得(現代中東研究)。UPI通信に入社し、1979年から81年までベイルート特派員。その後ニューヨーク・タイムズ社に移り、ベイルート、エルサレム両支局長を歴任。その間、ピュリツァー賞を2度受賞。89年に帰国し、ホワイトハウス担当首席記者を経て、95年からニューヨーク・タイムズ紙の外交問題コラムニスト。2002年、テロ問題に関する執筆活動により、3度目のピュリツァー賞を得る。著書に、全米図書賞を受賞した『ベイルートからエルサレムへ』、世界的ベストセラー『レクサスとオリーブの木』、『フラット化する世界』、『グリーン革命』などがある。

「2018年 『遅刻してくれて、ありがとう(下)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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