SQ生きかたの知能指数: ほんとうの「頭の良さ」とは何か

  • 日経BPマーケティング(日本経済新聞出版
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  • Amazon.co.jp ・本 (533ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784532313029

感想・レビュー・書評

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  • 前作EQ の10年ぶり続編。
    大体2000年代までの脳科学や心理学の研究を元に構成されている。

    前作は主に「己」の感情的側面に注目して書かれた内容であったが、今作は「己」と「他者」の関係において「表の道」である思考と「裏の道」である感情がどのように反応し、行動しているかを論じている。

    自分だけでなく、そこに他者が介在すると、純粋に学術的な議論には終始できず、倫理や道徳の話が入ってきて、どんどん複雑になってくる。

    内容は素晴らしい主張だし、論拠やデータもふんだんに使われており、素晴らしいのだが、言いたいことを所狭しと詰め込んだ感があって、前回に比べるとまとまりがなく、論説を把握するのにとても苦労する。
    (逆に各トピックの名言のようなものを拾う方がいいのかも)

    とはいえ、非常にざっくり内容を書くなら。。
    1. 人の「感情」は伝染する
    2. 人には脳には「表の道」と「裏の道」がある
    3. 「裏の道」を「表の道」で監視・制御するのが大事
    4. 人-人は「共感・同調」によって関係が深まる
    5. 共感を発展させ、「思いやり」を持つこと
    6. 社会的知性(社会的意識・才覚)
      ~要は他人に共感し気配り、己の影響力を知る~
    7. 「我-それ」と「我-汝」のモード
    8. 3悪(ナルシスト・マキャベリズム・反社人格)
    9. 生まれより同調ある育ち
    10. 愛情の3要素(愛着・看護・性愛)
    11. 愛着システムの3パターン(安定・不安定・回避)
    12. 恋愛・結婚の奥義(安全基地であり安全な港)
    13. 学習にも仕事にも矯正にも「安全基地」の安心感とちょっとしたチャレンジ感
    14. 幸せとは

    特に良いと思った概念。
    ・共感のステップ「他者の感情に気づく」「相手の感情を理解する」「他人の苦痛に同情する」

    ・自分の世界に目が行くと世界が縮小し、他者に目が行けば世界は広がり、自分の問題は小さく見えて他者と心が繋がる。

    ・「我-それ(達成動機)」「我ー汝(親和動機)」「我ら-彼ら(グループ分け)」

    ・パートナーも「安全基地」であり「安全な港」であること

    ・肯定的時間:否定的時間=5:1

    ・他者を思いやれる社会的責任を果たしているか。
     社会的責任とは「偶然行き逢った相手から最愛の家族に至るまで、自分の周囲に存在する人々が最良の心的状態でいられるように身を処する事」

    ・「僕らは互いに愛し合わないといけない。さもなければ死だ。」
      

  • EQに続いてこちらも読み応えがあっておもしろい。
    翻訳も素晴らしい。

    本の中で紹介されている本を芋蔓式に手に取ることがよくあるけれど、今回は本書の各所で触れられているマルティン・ブーバー『我と汝』を読むことに繋がった。

    私たちは「我−それ」の扱いではなく「我−汝」の扱いを求めている。

    - - - - - - - - - - - - - - -
    人間の満足感は、ある程度まで、他人が自分を「汝」として見てくれるかどうかにかかっている。他者との結びつきを求めるのは、人間にとって生きのびるための基本的欲求だ。 ー中略ー 「それ」として扱われると、人間は不快に感じる。したがって、他者をつねに「それ」としか見ない人間は、周囲の人々にとってひどく不快な存在ということになる。(P178)
    - - - - - - - - - - - - - - -

    相手を物(それ)のように扱うのではなく、人間(汝)として扱うことは、必要最低限の社会的知性。


  • EQの著者がだしたSocial Intelligence。共感力。
    生まれと環境。感情の伝染。つみかさね。

    C0034

  • 1

  • 【要約】


    【ノート】
    ・かつて定価で買ってたのか。今まで読まなくて現在中古で約700円。ちょっともったいなかったカモ。講談社プラスα新書で「SQ」を読んだので、ちょっと気になって開いたら、そのまま一気読み(斜め読みだけど)。

    ・やっと斜め読み完了。ところどころ、引っかかる部分アリ。それらの多くは、ライフハック的なものだったりするが、それらに、実際に脳の中でどんなことが起こっているのかが分かるのが、本書の強み。

    ・「表の道」と「裏の道」。後者は扁桃体による自動的な情動の動きであるのに対して前者は理知的な「遅い」道。それあればこそ、「人生における選択が可能になる」という表現には、なるほどと納得。

    ・その後、「EQ」ほど流行ってないのでは?と思い、調べてみたら、何と、こんなのが!http://www.d21.co.jp/SQ/about_sq/
     まるで、オリジナルみたいな扱いだが、これって、許されるのか?「多孔化」はちょっと面白く読んだんだけど。

  • いつか読もうと思っていた1冊。500ページ近くのページ数に手にしたときは少したじろいだけど、読んでみるとすんなり読めて、「普段のコミュニケーションを客観的に分析するとそうなるか」と思うような観点が多くて今後の参考にはなりました。印象に残ったポイントを1つあげるなら、「安全基地」の考え方。立ち返ることのできる場所のある人ほど、冒険ができるという点では、新しいことをどんどん求めていくことも大切だけど、すでに手にしている大切にすべきつながりをしっかり手放さないようにしておくこと、それがあるから外に行けるところもあるなと思いました。頭の整理にはいい1冊と思います。

  • 貢献することそのものを対価と捉えることができる人は少ないのでは?
    貢献に対する称賛が対価

    ソーシャルメディアを活用して、より適切に称賛が得られる仕組みを作れば貢献→称賛→もっと貢献というスパイラルがうまれるのではないか

    資本主義を超える世界が

    どう計測するか
    いいねの数?
    →いいねの種類を増やすか
    →感動!、えらい!、いいね!とか
    履歴を閲覧できるようにして不正の抑止を

    与えれば与えられる法則にまかせる

    チェックインよりモチベーション上がるんじゃ?

    助けてリストを並べてもいいかも

  • 共感することの大事さを分厚く書いてあります。
    「あそこが硬くなると頭は柔らかくなる」という一文に共感しました!

  • 『EQ』の流れで購入。
    『EQ』を送った妹には、「別に要らない」とすげなく返され、いずれ読もうと思いつつも、最初だけ読んで積読状態が続いています。

    だって、別に悩んでもいないんだも~ん(能天気)

  • この本は近年、脳内神経メカニズム(ミラーニューロン等)が解明され、人間はそもそも脳神経回路からして他者の影響を受けずにいられないということが科学的に検証されたことに伴い、「EQ~こころの知能指数」を改訂したものです。SQ(社会的知性)とは、共感、傾聴、認知といった社会的意識と、同調性、自己表現力、影響力、関心(気配り)といった社会的才覚から成る。結婚生活を豊かな安らぎの場にするには?子供を幸せな人間に育てるには?恋愛やビジネスに必要な「社会脳」とは?この本を参考にしてください。

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著者プロフィール

作家/コンサルタント
ハーバード大学大学院で心理学の博士号を取得。ハーバード大学で教鞭をとったのち、「サイコロジー・トゥデー」誌のシニア・エディターを9年間務める。1984年からは「ニューヨーク・タイムズ」紙で主に行動心理学について寄稿。1995年に発表した『EQ こころの知能指数』は全世界500万部(日本でも80万部)の大ベストセラーを記録した。

「2017年 『FOCUS(フォーカス) 集中力』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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