「日本の経営」を創る: 社員を熱くする戦略と組織
- 日経BPマーケティング(日本経済新聞出版 (2008年11月1日発売)


- Amazon.co.jp ・本 (390ページ)
- / ISBN・EAN: 9784532314224
作品紹介・あらすじ
逆風こそ、変革の好機。事業を元気にする組織概念、人の心を動かす戦略…アメリカ流の後追いではない、独自の経営スタイルを編み出せ。
感想・レビュー・書評
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アメリカ流経営の9つの弱み。
1.安易な多角化,2.高過ぎる配当性向,3.短期リターン志向,4.組織の非継続性,5.品質よりも目先の利益追求,6.ものづくりの弱さ,7.インスタント成金主義,8.社員の低コミットメント,9.所得配分の過度の偏り。
日本企業:組織の官僚化、戦略の欠如、経営者人材の枯渇。
共同体としての職場社会の人間的安定&経済的に合理性の高い意思決定。
論理化する力、具体化する力
戦略コンセプトとフレームワークの事前共有。具体化していくプロセスで人を育てる。 -
私は、モノづくりから私たちの生活に感動や時間を作りたいと考えている。そして、そのために今自分の中で大きな問いとなっている「効率性と創造性の良きバランス」つまり、創造的なモノづくりができる、継続的に人材が成長する組織環境作りをしたいと思っている。
そこに、軸となくミカタを言葉としてはっきりとさせてくれた一冊である。 -
ー ここから先は少し抽象的な話になりますが、企業をモノとして見る見方と、企業をヒトとして見る見方のトータルピクチャー、トータルバランスの論理というのがキーポイントだと私は思います。会社法の論理というのは、基本的に企業をモノ、財産の固まりとして見ています。財産の処分権を誰が持つかという議論をしているのが会社法なんです。ですから、基本的に財産の処分権を株主というエクイティーを出した人が持って、議決権はこういうルールで決めますよというふうにできています。これはもう単純に処分の論理ですから、突き詰めていくと、金をもっとよこせというスタンスに必ず行くんですよ。
一方、企業をヒトとして見ると、人が働いて、人が学習をして、人が蓄積をして、さらに発展するための努力をこの人たちがしますという見方になります。そういう組織体として、継続的に存在し続けるために、どんなことが必要かを経営者は考えます。ここには処分の論理、モノの論理はまったくないんです。しかし、両方の論理が存在しないと、企業という実体は存在し得ないんです。間違いなく財産の固まりという側面もあるわけですから。その折衷なんですね。私もいつも困っているんです。 ー
三枝匡さんと伊丹敬之さんの対談。
12年以上前の作品だけど本質的な議論なので古く感じなくて面白い。
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2020年4月再読
バブル崩壊以降、日本の経済の、従って、日本企業の世界の中でのプレゼンスは低下の一途である。国全体の生産性の相対的な位置づけが、どんどん下がっている。
それは、日本の企業がグローバルな競争に勝てていないということでもある。
ただ、だからと言って、アメリカ企業のマネをすれば良いというものではなく、日本企業は日本企業なりの経営のあり方を確立すべき、という内容の対談をベースとした本。
とても示唆に富む。 -
一橋卒から、ボストンコンサルタント、スタンフォードのMBAという輝かしいキャリアを持ちながらアメリカ系マネージメントにどっぷりとつかった後、日本に帰ってきて、数社の大企業立て直しを行い、現在総合商社ミスミのCEOを務める三枝さんと、ずっとアカデミー界から企業戦略やマネージメントを研究し続けてきた伊丹さんの対談。エクスパティーは似ているものの、キャリアは対照的なほど違う二人が、現在の日本が必要とする「経営」とは何かを題材に語り合う。非常にかみ合った内容で、面白いと思う。特に、三枝さんの、「小さいチームに、『創って、作って、売る』を徹底させる」というプラクティスは、マトリックス組織をうまくマネージできずに大混乱のわが社にすぐに取り入れたい。のだが、残念ながら私にはその権限がない。
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・学者の理論が悪いのではなく、ビジネスマンによる理論の現実への応用力に問題がある。
・「創って、作って、売る」のサイクルを速く回すことが、事業の優劣を決める。
・マインド連鎖を起こせる戦略=シンプルなストーリー -
日本企業のこれからの生き残りのための書
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三枝さんの書籍を全部読んでいると、振り返りとまとめのように使える書籍。
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三枝さんの創って、作って、売るの思想を学びたく、読み始めました!(中田)
著者プロフィール
三枝匡の作品





