- Amazon.co.jp ・本 (250ページ)
- / ISBN・EAN: 9784532314279
感想・レビュー・書評
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セブン&アイ・ホールディングスの元会長である鈴木敏文氏が日本経済新聞に掲載されている私の履歴書をベースに加筆を加えた自身の生い立ちや経営理論を書いた一冊。
本書を読んで、運命の導かれるようにヨーカ堂社に入社した経緯や小売業に対する知識がなく、常に顧客目線に立ってものごとを考えていく姿勢など氏の考えが理解できました。
ヨーカ堂にて人事や労組とで手腕を発揮されている姿や米サウスランド社との交渉劇など氏の人柄を感じるエピソードが紙面に掲載されていた写真とともに載っており、雰囲気が掴めたことや常識を疑うこと、労働人員に対する考えなどこれまで経営の中で遺憾なく発揮されてきたことによって、現在のセブン&アイ・ホールディングス社の確固たる地位が築かれたものだということも強く感じました。
単品管理、死に筋商品の廃止などPOSシステムの先進的な機械的な管理に頼らない管理システムやいち早くプライベートブランドを立ち上げ妥協なく商品を開発してきたことで顧客目線に立ち、顧客のニーズに応えていることも強く感じました。
氏が同社にて行ってきた施策は日本の小売業の概念を変え、今では当然に利用しているコンビニの礎を築いたと感じました。
これからコンビニ業界は更なる進化を遂げていくとは思いますが、氏の築いたものは色褪せることはないと感じたと同時に功績の偉大さを感慨深いものに感じた一冊でした。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
特に今回印象に残ったのは、
「忙しくても安易に人を増やしてはいけない」という話。
もちろん一概には言えないことではあるが、
仕事量も多く大変だから人を増やすと、
無駄の多い現状の仕事のやり方を変えることなく、
そのままになってしまって、何の進歩もなく、
生産性も変わらないということ。
仕事の量ではなく質を変えない限り成果はでないのだ。
なるほど。
全体的に鈴木氏の自伝的な内容で、
別の本やメディアで半分くらいは見聞きした覚えがある内容です。
POSシステムの「仮説と検証」の話は、
上役から何度も会議の場で聞かされてはいるものの、
改めて読むと、単品管理の大切さが伝わってきます。
安易な妥協を許さない、ヒット商品を出すまでにとことんNGを出す、
試食会議の話も面白く読みました。うちと同じだ。 -
■マーケティングマインド
A.顧客に支持されるものを作るには、今ある「制約」の中で最大限の努力をするだけではいけない。
制約の下でやるべきことが実現できないなら、どうすれば制約が取り除けるかを考えることが大切である。
B.「ものが売れないのは不景気のせい」と多くの人は考える。
だが本当の原因は、消費の飽和時代に入り、売り手市場から買い手市場への構造的変化が本格化したことだ。
飽和時代にものを売るカギは、「消費者心理」に訴えることである。
C.商品は売れればいい、というものではない。
売る側が納得できない、質の良くない商品であれば、売れれば売れるほど、信用が失われていくことになる。
D.教育とは、部下に「気づき」を与えることである。
あえて部下を追い詰め、本人が限界だと思っている“殻”を打ち破らせることが、上司の役目である。 -
和製経営者の例。
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2011/9/16
問題意識を常に持ち続け、何事にも挑戦する姿勢で取り組むことを学んだ。 -
日経新聞に「私の履歴書」として連載されたものに
詳しい説明などを加筆したものです。
タイトルにもあるとおり「挑戦」が著者のテーマですね。
その挑戦の姿勢を著者は次のように書いています。
「物事の過去や常識で判断せず、
世の中の変化を自分の目で
見抜かなければならないという意識を
普通より多少強く持っていたからだろう」
仕事の進め方は大変参考になるでしょう。
よく言われる「競争相手」については、次のように述べています。
「競争相手に勝つことが目的であれば、
勝った時点で挑戦は終わる。
しかし、顧客ニーズが真の競争相手だとすれば、
今日応えることができたとしても、
明日はまたニーズは変化している。
だから、今日の満足に留まらず、
常に一段上のあるべき姿を追って、
挑戦は限りなく続く」
現場で考え抜くことの大切さが伝わってきますね。 -
09'0330
顧客目線
ストイック -
●未読
週刊東洋経済2009.03.14 p.129ブックレビュー
ヨーカ堂社長