経営思考の「補助線」: 変化の時代とイノベーション
- 日経BPマーケティング(日本経済新聞出版 (2009年6月1日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (286ページ)
- / ISBN・EAN: 9784532314620
作品紹介・あらすじ
補助線を引いてみる。ナナメから見る。遠くから眺める。連想する。…コンサルタントの「思考プロセス」が見えてくる!新感覚の「経営エッセイ」。
感想・レビュー・書評
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1 潮の変わり目
波と潮流
外に目を転じれば…情報の経済性
情報の経済性
経済ナナメ読み
2 潮に乗り、風を背に受けて
アダプティブ・アドバンテージ
ビジネスモデル・イノベーションを考える
日本企業の新たな強みを求めて
変化できる力
変わる社会あるいは社会を変える
3 潮に棹さす船頭さん
コンテクスチュアル・リーダーシップ
歴史に学ぶリーダーシップ
新しい組織とリーダー像詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
どう時代は変わっていくか?
→戦略を作る段階で何を前提としたかを明らかにしておく
リーダーに必要な要件としては、明るさ、深く読むべきことと読んでも仕方のないことを切り分ける知恵、懐の深さ
自らの知恵を絞らずに、与えられた機会を受け身にとらえていたら成長はない -
変化の時代とイノベーション ― http://www.nikkeibook.com/book_detail/31462/
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さすが御立さんの本
時々読み返したいと思う。 -
印象に残ったのはリバースイノベーションの話し。
GEは当初、米国や日本で開発した超音波診断装置を中国市場でも販売。しかし機器は高額かつ大型であったため販売先は都市部の一部大病院に限られた。そこで中国の地方都市でも利用可能なポータブルの超音波診断装置を開発。その製品が先進国の救急車搭載用や緊急処置室向けとして、潜在的ニーズをとらえた。
このように新興国での厳しい制約条件をクリアした製品・サービスの先進国適用を考えてみる。
節電の夏だからこそ、真面目に考えてみる必要があるのでは・・・(^^) -
ボストンコンサルタント日本代表の御立氏の経営、ビジネスに関するコラムです。「一見無関係なことがらに目を移してみると、とても解がなさそうな難問に、思いがけず答えが、しかもユニークな答えが出てくるという経験を何度もしてきた」という言葉のとおり、
ジャズやお笑い芸人を例にとり、誰もが読みやすい内容になっています。 -
BCG日本代表の(と言うより、WBSのコメンテーターをやっていたと言う方が分かるかもしれない)御立さんの経営に関するエッセイ。
エッセイなだけに読みやすく、内容は多岐に渡っているが、それらを違った視点から捉え、経営のテーマとしてまとめているのは、書き手として凄いなぁと思う。
以下は気になった点をメモ
・インドのダバワラという企業は、1日20万件、家庭で作った弁当を集荷し、徒歩や自転車でオフィスへ届けるサービスを提供しているが、配送遅れや誤配は600万件に1回しかないらしい。
・日本の経営者が学び直すべきなのは、新興国のグローバルプレーヤー達の高いアスピレーション
・欧米企業は長期ビジョンを検討する視点に、病気・疾病を入れる。日本企業が決定論的立場を取るのに対し、彼らは関与論的立場を取る
・取引コストが企業の範囲を決定する
・小をもって、大を推し量ってはいけない。大抵の考案は小さい時は有効でも、大きくすると失敗する
・市場メカニズムという言葉は完全市場という特殊なケースを前提としている
・ビジネスモデル=価値提供の仕組み+オペレーションの仕組み
・長期のし込みに対する責任と権限を曖昧にしていると、ビジネスモデルイノベーションは起こせない
・顧客のアセットプロダクティビティを改善する、という発想
・プライシングTQMという考え
・うまいミュージシャンは3種類の時間感覚を持っている。同様に成長企業も3種類の時間軸(長期ビジョン、中計、年計)を使い分けている
・「頑張ればよくなる」という感覚のない世代
・リーダーの要件には普遍的なものと、コンテクスチュアルなものがある
・人類初の南極到達を目指したアムンセンとスコットの明暗を分けたのはリーダーシップ。アムンセンは楽観的態度、現地現物、チームワーク重視。
・イノベーションを起こすには、クリエーターだけではなく、アイデアとビジネスをつなぐプロデューサー役が必要
・即興性が重視されるジャズであっても、リハーサルを繰り返し本番に備える。ベースとなる部分は十分な準備をしている -
移動中にメール処理をしつつ読了。BCG日本代表の御立尚資さんの経営に関する、そして経営とは直接関係の無い話題も交えたエッセイ集。まさに経営の「補助線」であり「カクテル」。少し前の発行(2009年)だが、御立さんの思考の一端に触れさせていただく感じで、軽く読めながらもとても興味深い内容が多かった。
特に最終章の「リーダーシップ」に関する諸考察は興味深く、続けてリーダーシップについて最近の知見も含めて少し学び直したくなった。