経営戦略の思考法

著者 :
  • 日本経済新聞出版
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感想 : 37
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  • Amazon.co.jp ・本 (376ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784532314781

作品紹介・あらすじ

リソースベース、ポジショニング等々様々な考え方が入り乱れている経営戦略。経営学の第一人者が切れ味鮮やかに戦略の地図を解説し、組織の暴走、シナジーの崩壊などの問題点も浮き彫りにする待望の経営戦略入門。

感想・レビュー・書評

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  • 特に第二部のメカニズム思考法は、すぐにも使える思考法であり、一読の価値あり。著者については、地道に丁寧な仕事をする人という印象を受けた。論理の飛躍を感じる部分が少ないので、実務で利用する際にも安心感がある。経営戦略の本で、どれか一冊ということであれば、この本を紹介するかもしれない。

  • 一般的には戦略論の概観を掴む際の良本とされているが、まさにその評価通りの本。また経営コンサルタントとして思考する事を求められる身にとっては、コンサルタントとしての思考法を学ぶことができる本。
    特に良かったのは下記3つ
    ①経営戦略を考えていくプロセス126〜127頁
    ②メカニズム解明法164貢
    ③人は実践から学ぶ328頁

  • 経営戦略の考え方がすっきりと整理された名著。
    第3部において1、2部との理論的なつながりがもっと述べられるとさらに理論と現実との関連がよくわかる。
    また、3部は経営学がなかなか触れないドロドロした部分にさわやかに切り込んでいて学ぶことが多い。
    勉強になりました。

  • 経営戦略論の歴史が著者によってわかりやすくまとめられている。これほど読みやすい経営学の本は初めてだった。

  • 経営戦略、思考法を体系的に分かりやすく整理。

  • 「経営戦略の論理」、弟子の手によって進化、な感じ。
    沼上さんの本ってこんなに読みやすかったかな?
    それくらいスーッと頭に入ってくる。

    戦略という、一見定性的な指標にこそ
    ダイナミクスの概念が大事だと懇々と説く本。

    前半の戦略体系のまとめはさすが。
    そこからのダイナミクスへの適用もさすが。
    後半の例は、ちょっと助長な気もしなくはないが、それでも十分楽しめる。

    マジで戦略論の本で人に自信持って薦められる本です。

  • 前半部は、戦略論の考え方を概観でき、理論の相互関係が理解できる内容であった。後半部は沼上教授ならではの内容であった。後半をもう一度ゆっくり読みたい。

  • 非常にわかりやすく読みやすい!
    経営学勉強している人ならば、今まで学んできた様々なワークフレームが整理されてとてもすっきりすると思います。

  • 経営戦略に関する理論概観に始まり、「思考法」という切り口をもとに実務家向けの提言を行う、理論/実務の両側面を捉えようとした一冊。
    序盤の理論概観は、既知の情報が多かったが、理論発展の経緯及びその背景を事細かく記載しているため、改めて頭の中を再整理する際に読み直したい。後半部(実務側)の肝は、やはり「経営戦略の思考法」としてまとめられた3つの思考法の整理であろう。自らの主張及び他社の主張を精査する際、それらが何れの思考法を基にしたものであり、根拠は十分なのかということを意識していきたい(例;カテゴリー適用法の場合、「高収益のインテルはデバイス事業を営み、自社もデバイス事業を手掛けるため、自社も高収益になるはずだ」等の発想になる。これは例外を探せば簡単に崩れる論理であり、重要なのはなぜインテルが高収益なのか?というメカニズムを解明すること)

    以下、印象に残ったポイント
    ・創発戦略はミドルマネジメントの自由闊達な創意工夫という文脈において、日本企業と整合性が取れていた。一方、「どうすればよいのか」という具体的な示唆に欠け、またHowを突き詰めると戦略計画派との区別が曖昧になるという理論的課題を抱えている(p.52周辺)
    ・RBVの視点に立つと、戦略は保有しているリソース(モノ)とフィットしている必要がある。一方、戦略を立案/実行する人間には学習能力があり、ヒトと情報は多少アンバランスな状態でも問題はない。むしろ、少しストレッチの効いた目標設定をした方が、結果的にメンバーの学習を促進させ、ダイナミックな成長を加速させることができる場合もある。これが、伊丹氏の「オーバーエクステンション」の論理(p.79周辺)
    ・経営戦略の思考法は、①カテゴリー適用法➁要因列挙法③メカニズム解明法の3つに分類できる。③は「なぜなぜ」を深堀り、物事の因果関係を解き明かそうとする思考法であり、相対的に時間展開・相互作用・ダイナミクスにフィットするため、筆者はこれを推奨している(p.161周辺)
    ・人間は実践から学ぶが、ここには幾つかの注意点がある。その1つが、苦労の過剰正当化である。人は苦労/失敗経験を通じて成長するが、中には意味のない苦労/失敗も存在するはずである。因果関係のないところに因果を創作するのではなく、冷静に「次につながる学びは何か」を抽出せねば、誤った方向に自分を導いてしまう可能性がある(p.330)

  • 各経営戦略を整理され、わかりやすい事例をもとに解説されている。

    特に以下の4点が重要だと思われた。

    ❶ p243
    差別化をチャレンジャーが達成できるようになるためには、少なくともリーダー企業よりも外向きの競争思考の組織を構築していなければならない。
    そして、リーダーの組織的問題を捉えて、差別化するタイミングを見計らうこと。

    ❷ p325
    リアルな小人の相互作用を頭に描き、徹底的に「なぜ」「どうして」と言う問いにこだわりを持って考え抜けば、全てとは言わないまでも暴走と英断の違いを少しでも判断可能なレベルと明確化していく。
    埋没費用を正当化の手段に使わないこと。

    ❸p29
    3×3のSWOT分析により、要因を結びつけて戦略の選択肢を生成する。

    ❹p126
    5つの戦略論を複眼的に用いていくプロセス

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著者プロフィール

早稲田大学教授

「2023年 『わかりやすいマーケティング戦略〔第3版〕<2色>』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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