ワールド・カフェをやろう!: 会話がつながり、世界がつながる

  • 日経BPマーケティング(日本経済新聞出版
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  • Amazon.co.jp ・本 (231ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784532314880

作品紹介・あらすじ

分断の文化からつながりの文化へ-。初対面でも会社の人同士でも、まるでカフェにいるかのように場が盛り上がる。地域起こしや企業の現場で、今静かなブーム続く画期的会話手法を徹底ガイド。

感想・レビュー・書評

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  • 大学時代、見よう見まねでやっていたワールド・カフェ。
    当時は、しっかりと勉強していなかったから、本当に正しい方法なのか、分からなかった。

    今後も必要になってくるかと思って、購入した一冊。
    ワールド・カフェの教科書のような本。
    カフェのような気軽な雰囲気の中、平等な立場で、
    ある問いに対する自分たちの考えを話す。
    そして、参加者自身が言葉で色々な考えを紡いでいく。

    産業社会によって、スピードと効率を追求されて、
    その中で、人々の繋がりはいつしか分断されていった。
    ワールド・カフェは、その分断をなくして、繋がりを創っていく、
    という所に感動した。
    "決める"、"まとまっていなければならない。"という、会議における
    一種の強迫観念をなくしてくれる、手法は色々と活用出来るなと思った。

    以下、参考になった点をピックアップ。

    ■成功の循環(ダニエル・キム)
    関係の質⇒思考の質⇒行動の質⇒結果の質
    関係の質を向上することが、物事を成功させる秘訣。
    ■ポジティブな行動を生み出す問い
    人からポジティブなストーリーや言葉を引き出し、お互いにポジティブな相乗効果を生み出す。
    例、ワクワクする職場にするには、どうしたらいいのか?など。
    ■ワールド・カフェの成功の条件
    コンテキスト(前提条件;開催目的、参加者、運営上の条件)を設定する。
    ■参加者について
    具体的な行動に移すことができるように、利害関係者を集める。
    ■参加者が納得出来る話し合いをする上で、大切なこと。
    1.たとえ、まとまっていなくても、つぶやきのレベルであっても、ふと思い浮かんだ考えを口にできる雰囲気の中で話し合いを進めること。
    2.参加者が人の話を聞いて、自分の考えを変え、とらわれを捨てることをいとわないこと。
    3.素直に考え、思い、気持ちを伝えること。
    参加者自身が誰かのつぶやきを言葉で紡いでいく、どんどん心も繋がっていく。

  • この本にしたがって、あるビジネスのアイデア出しにワールドカフェを使ってみたら、一人では思いつかないようなアイデアが得られた。

    個別セッションでの模造紙の落書きを元に全体セッションでFreeMindを使ってまとめたら、かなり実践的に落とし込めた。

    過去にワールドカフェに参加したときには個別セッションだけだったので、「楽しかったけど、だから、何?」という感じだった。

    ところが、この本を読んで全体セッションまできちんとやってみると、ワールドカフェがブレーンストーミング手法、ファシリテーション手法として、かなり実用性があるとわかった。

  • いっぺんやってみようと思った。

  • ワールドカフェの実践ガイドのと実例集。

    会話が弾むための手法であり、ホスト役をアンカーとして旅するようなコミュニケーションを生み出す手法。

  • 【貸出状況・配架場所はこちらから確認できます】
    https://lib-opac.bunri-u.ac.jp/opac/volume/52448

  • ワールド・カフェというのは
    多人数型のワークショップに近いミーティング形式のことです。

    ミーティングの参加人数が多い場合に
    意見が偏ってしまったり、
    参加者のコミットメントが下がることに
    課題感を感じることがあると思います。

    ワールド・カフェは
    テーブルを分散した上で意見を出しやすくしつつ、
    複数のラウンドに分けて、
    テーブル間移動を促すことで意見の広がりを得ようとするのが特徴だと思われます。

    ただ、広がりを得ることが目的なので
    課題探索のシーンで使うことをメインで考えるべき手法でしょう。
    また、このようなフレームだけでなく
    楽しいリラックスした雰囲気づくりも推奨されていて
    参加する分には楽しそう、やるのはちょっと大変そうな感じかな。


    >>
    人は他人に共感してもらえると、自分が大切にしている価値や自分に対する価値を見出すことができます。逆にこのような会話がなければ、人は生命としての躍動感を持って生きることはできません。(p.44)
    <<

    正直、筆は滑り気味だと思うけれども、
    基本思想としてはこう。

  • ”ちまたで話題のワールドカフェについて知りたくて購入。本棚でしばらく寝かしてたんだけどHV社パーティーで香取さんとお会いした翌日に読了。

    <読書メモ>
    ・「ワールド・カフェ コミュニティ ジャパン(WCJ)」
     http://worldcafejapan.com/
    ・イマジン・ヨコハマ(p26)
     このワールド・カフェでは、次の3つの問いが参加者に提示されました。
     ?ヨコハマはなぜ、私たちを引き付けるのでしょうか?
     ?イマジン、ヨコハマ!今、2059年、開港200年の年にいます。あなたには、どんなヨコハマが見えますか?
     ?今、ここに集まった私たちを通して、何が起ころうとしているでしょうか?
    ・1920年代のパリのカフェは、集まった人との絶妙な相互作用によってさまざまな運動や思想、芸術などが生み出されていく場でした。また、1960年代のカフェは、サルトルやボーボワールなどが活躍し、哲学や社会運動の拠点になりました。この時も、カフェはまさに、「新しい価値を創造する社会的な場」でした。(p39)
     #将来ブックカフェをつくるときも一人で本を読むのではなく、交流を中心に!
    ★ワールド・カフェのプロセスは、「人間は会話する生き物である」との信念に基づいて設計されています。(中略)
     そうした中で、ワールド・カフェは、「会話する生き物」としての人間の能力を十分い発揮させることのできるさまざまな特徴を備えています。(p42-43)
    ・図表1-2 組織を機械とみる見方と生命体とみる見方の違い(p49)
     生命体としてみると
     ・自分自身が所有者である
     ・自分自身の内在的な目的を持っている
     ・自分自身の内的プロセスによって自らを作る
     ・自らの目的を達成するために自律的に行動する
     ・メンバーは human work community である。
     ・自然に進化する
    ★ワールド・カフェの7原則(p50-55)
     原理1 コンテキスト(前提条件)を設定する
     原理2 温かいもてなしの空間を作る
     原理3 大切な問いについて探求する
     原理4 全員の貢献を促す
     原理5 多様なものの見方、視点を他花受粉させて、つなげる
     原理6 パターンや洞察、より深い問いにともに耳を澄ます
     原理7 皆で発見したことを収穫し、共有する
    ・ワールド・カフェの標準的なプロセス(p59)
     第1ラウンド(テーマについて探求する)
     第2ラウンド(アイディアを他花受粉する)
     第3ラウンド(気づきや発見を統合する)
     第4セッション(集合的な発見を収穫し、共有する)
    ・問いを考える切り口(p84)
     定義→意義→要因→行動のフレームで考える
    ・図表7-1 組織変革プロセスの歴史とホールシステム(p202)
     ホールスケール・チェンジ #最終段階。
      4つの原理に基づいた変革プロセス
      ・より多くの人を巻き込む
      ・人々やアイディアをつなぐ
      ・行動のためのコミュニティを作る
      ・民主主義を実践する
    ・図表8-5 AIのプロセス(p221)#AIの4Dサイクル
     ?肯定的なテーマを選ぶ
     ?ポジティブ・コアを探す(Discovery) #ここでハイポイント・インタビューを使う
     ?可能性を思い描く(Dream)
     ?実現方法を考える(Design)
     ?変革を持続させる(Destiny)”

  • 対話の仕方の分類が非常にためになった。

  • ワールド・カフェとは、組織の課題・社会の課題をディスカッションするためのフレームワーク、集合知形成・イノベーションフレームワークと呼ぶこともできる。

    会議室ではなくカフェという場を使うことにより、形式ばらずリラックスすることにより右脳が活性化し、よりよい意見・アイデアが出やすくなる。短時間(2時間程度)の間にみんなで課題を共有し、場合によっては合意を形成することができる。

    数十人以上の参加者を想定している。1テーブル4〜5名でディスカッションしながら、出た意見を模造紙などに書き込んでいき、まだやわやわの段階だが集合知が形成されていく(第1ラウンド)。1人(テーブルホスト)を除きメンバーは散り、他のテーブルとメンバーをシャッフルする。他のテーブルでどんなことが話し合われていたかを知り、また前の自分のテーブルでの話し合われた内容も紹介する(第2ラウンド)。全員、第一ラウンド時のテーブルに戻る。全員旅から戻ってきて、そこで起きたことを話し、第1ラウンドの内容を修正していく(第3ラウンド)。全てのテーブルの内容を発表する(第4ラウンド)。

    本書で取り上げられている実例
    企業
     三菱東京UFJ銀行合併直後の堺支社のチームビルディング
     ノバルティスファーマでの教育研修部の戦略立案
     NTT西日本のワークライフ・バランス推進
     パナソニック電工のコスト削減
     三菱重工相模原ダイナボアーズでのチームビルディング
    地域活性化
     イマジン・ヨコハマ
     京都市未来まちづくり100人委員会設立総会
     宇都宮プライドのキックオフ
     アジア・プロアクティブ・パートナーズの読書会
    NPO
     日本ファシリテーション協会九州支部定例会「ワールドこたつ」
    海外
     ペガサス・カンファレンス

    <hr>
    目次
    はじめに 3
    序章 ようこそ、ワールド・カフェへ 16
    第1章 カフェ的会話から生まれる魔法〜ワールド・カフェとは何か 36
    第2章 カフェ・ホストとして、ワールド・カフェをやってみよう 58
    第3章 ワールド・カフェの企画と事前準備 76
    第4章 ワールド・カフェさまざまな事例 106
    第5章 ワールド・カフェのバリエーション 162
    第6章 ワールド・カフェを成功させるための留意点 180
    終章  ワールド・カフェが拓く新たな可能性

    <hr>
    メモ
    p5 人と組織の関係性のあり方にも変化が現れてきました。
    ?コントロールからコラボレーション(協働作業)へ
    ?相互依存関係の複雑化
    ?「教える」から「学ぶ」へ
    ?指示命令からダイアログへ

    p31 ワールド・カフェはそもそも、結論を出すことを目的としていません。
    p32 参加者が納得できる話し合いをする上で大切なことは、
    ?たとえまとまっていなくても、つぶやきのレベルであっても、ふと思い浮かんだ考えを口にできる雰囲気の中で話し合いを進めること
    ?参加者が、人の話を聞いて自分の考えを変え、とらわれを捨てることをいとわないこと
    ?素直に考え、思い、気持ちを伝えること

    p49 組織を機械とみる見方と生命体とみる見方の違い
    機械としてみると
     所有者:誰かに所有されている
     目的 :機械を作った人が考える目的のために存在する(所有者のために最大限の利益を生み出すため)
     誰が作るのか:外部の人が作る
     行動 :マネジメントによって与えられる目標や意思決定に対する反応として行動が取られる
     メンバーの性格:メンバーは従業員、「人的資源」であり使われる存在である
     誰が変化させるか:性的で固定的である。誰かが変えることによって変わる
    生命体としてみると
     所有者:自分自身が所有者である
     目的 :自分自身の内在的な目的を持っている
     誰が作るのか:自分自身の内的プロセスによって自らを作る
     行動 :自らの目的を達成するために自律的に行動する
     メンバーの性格:メンバーはhuman work communityである
     誰かが変化させるか:自然に進化する

    p59 ワールド・カフェの標準的なプロセス
    第1ラウンド テーマについて探求する
    第2ラウンド アイディアを他花受粉する
    第3ラウンド 気づきや発見を統合する
    全体セッション 集合的な発見を収穫し、共有する

    p74 カフェ・ホストの10カ条
    1.力強い問いを立てる
    2.会場の下見を忘れずに行い、設定に最新の注意を払う
    3.お客に対する愛情と支援の気持ちを持って、もてなしの空間作りにてっする
    4.複雑にしないで、シンプルにする
    5.カフェでは、コントロールしないのはもちろん、できるだけ何もしない
    6.できるだけ自分も会話に参加する
    7.アイディアが結びつき、集合知が生まれるように気を配る
    8.模造紙の活用を推奨する
    9.参加者の発言にコメントしない
    10.参加者からフィードバックをもらって、次のワールド・カフェに活かす

    p198 こんな会話の手法が求められる
    ?立場や見解の違いを超えたコミュニケーション
    ?一人ひとりのつぶやきにも耳を傾ける
    ?すべての利害関係者が参加できる
    ?多様性を受け入れる
    ?力によらない問題解決、合意形成
    ?共通の拠り所を発見する

    p207 場づくりを通じた新しいビジネスモデルの可能性
    これまでは、ほとんどの書店は、単に本を売り買いする場としての役割しか果たしていませんでした。しかし、書店が著者と読者、出版社などが参加するワールド・カフェを実施したらどうでしょうか?
     著者:読者の声を直接聞く
     読者:著者との直接のコミュニケーション
     出版社:読書のニーズを把握
     書店:顧客維持拡大のヒント

    p217 オープン・スペース・テクノロジーの4つの原則
    ・参加してきた人は誰であれば適切な人である
    ・いつ始まろうと、その時が正しい時である。
    ・何が起ころうと、それが、起こりうるべき唯一のことである。
    ・いつ終わろうと、終わったときが終わりである。

  • ざっと読み。事例を交えつつワールド・カフェについて説明…なのだけど,定義がまとまっていて,特徴や限界などもわかる,という資料を探していたので,ちょっと違ったな,という感じが。

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著者プロフィール

組織活性化コンサルタント。Mindechoe代表。
東京大学経済学部卒業。ウィスコンシン大学経営大学院で MBAを取得。電電公社(NTT)入社後、 NTTニューヨーク事務所調査役、 仙台支店長などを歴任。 NTTラーニングシステムズで営業教育プログラムの開発や eラーニング事業の立ち上げを行う。学習する組織に基づいた組織変革を推進。 日本でのワールド・カフェ紹介者としても知られる。

「2021年 『オンラインで仕事が変わる、組織が変わる、学びが変わる』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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