良い戦略、悪い戦略

  • 日本経済新聞出版
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レビュー : 159
  • Amazon.co.jp ・本 (410ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784532318093

作品紹介・あらすじ

「実行」と直結しているか?「単純明快」で「単刀直入」か?戦略思考を大家が伝授。

感想・レビュー・書評

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  • 米国では相当有名な戦略論の大家らしいが、今までに二冊しか本を出してないらしく、しかも前作は三十年前なのでまったく名前を知らなかった。
    戦略に関して、極めて本質的なことを述べている良書である。

    悪い戦略の特徴として、
    1,空疎である
    2,重大な問題に取り組まない
    3,目標を戦略ととりちがえている
    4,まちがった戦略目標を掲げる
    としており、本文を読んでいくとハッと思い当たる部分もあるのが困る。

    反面、良い戦略についても示唆が豊富に示される。
    カーネル(核)となるのが、
    1,診断
    2,基本方針
    3,行動
    であるという。
    ただし基本方針そのものは戦略とはいえず、的確な診断があって初めて基本方針が生きてくる。

    米国の冷戦中の国家戦略立案の例は興味深い。
    ソ連のイデオロギーや権力の徹底的な分析をし、長期戦を確保すべきで交渉による和解の余地はないという診断を下した上で、封じ込め戦略を立案&実行したそうだ。

    ガースナーがIBMを建てなおした事例も、まさに事前の診断がものを言っている。
    社内やウォール街の判断では図体が大きくなりすぎたIBMは分社化すべきと云う意見だったが、状況を分析したガースナーは総合メーカーとしての総合的なスキルを活かせていないと診断し、その結果分社化は中断されてオーダーメイドのソリューション提供という新しい基本方針の本で復活を成し遂げている。

    戦略の要となる強みの源泉を解説する部も面白い。
    鎖構造の章で述べられている話などは、楠木教授の主張している良い戦略にはストーリーがあるという内容と同じだと思うし、戦略実行に使える強力な手段が近い目標を立てることであるという主張は納得感が大きい。
    そして最近の企業の中では出色な戦略行使をしてきたNVIDIAの例は、本書中多くの例の中でも焦眉のものであろう。
    いかにこの会社が戦略を駆使して成功を手繰り寄せてきたか、がそこまでの解説と相まってよく理解できる。

    本書の至る所にある戦略の説明の例示には、企業戦略に限らず古今東西の戦争や外交から的確な事例を数々と取り上げている。
    イラクを攻めた「砂漠の嵐」でシュワルツコフ大将が取った伝統的な包囲戦略、聖書にある巨人ゴリアテをダビデが破るときの一点集中戦略、カルタゴの名称ハンニバルがローマを完膚なきまでに破ったカンネの会戦など、他でも良く聞いてきた戦略なのでスッと事例が頭に入ってきて分かり易い。

    その他、色々と示唆に富む文章があるのだが、P320~321で筆者が技術畑出身の経営陣の述べた戦略と科学の捉え方に関する説明には唸ってしまった。

    他の戦略本のようにある考え方に基づいた新しい戦略を述べるという筋ではなく、戦略一般に対しての考え方を非常に適切に整理した本である。
    また各所に自身の普段の仕事の中での考え方を改めさせる示唆があり、振り返りにもとても役立てることができた。
    お薦めの戦略本である。

  • 第1部で良い戦略、悪い戦略が詳しく書かれています。
    第2部、第3部は少し飽きてきますが、第1部だけで十分役に立つことを学べます。

    1.この本をひと言でまとめると
     戦略とは何かを具体的に説明した本

    2.お気に入りコンテンツとその理由を3から5個程度
    ・良い戦略は必ずと言っていいほど、単純かつ明快である。パワーポイントを使って延々と説明する必要などまったくないし、「戦略マネジメント」ツールだとか、マトリクスやチャートといったものも無用だ。必要なのは目前の状況に潜む一つか二つの決定的な要素 ―― すなわち、こちらの打つ手の効果が一気に高まるようなポイントをみきわめ、そこに狙いを絞り、手持ちのリソースと行動を集中すること、これに尽きる。(p4)
     →戦略は見極め、行動、という単純なこと。でもそれが難しい。
    ・戦略を立てるときには、「何をするか」と同じくらい「何をしないか」が重要なのである。(p34)
     →何をしないかを決断するリーダーシップが必要。
    ・悪い戦略を生むもう一つの源泉は〜ポジティブ・シンキングに代表される思考法である。(p84)
     →ポジティブ・シンキングの否定はあまり聞いたことがないので面白い考えだと思いました。
    ・悪い戦略の四つの特徴(p49)
     →あてはまる戦略はたくさんあるような気が・・・
    ・組織の慣性の分類:業務の慣性、文化の慣性、委任による慣性(p270)
     →慣性という分類の仕方が面白い

    3.突っ込みどころ
    ・アメリカの政策に批判が多いのはなぜ?
    ・ポーターの「競争の戦略」がよく出てくるが、批判的にみてるのか賞賛しているのかよくわからなかった

    4.自分語り
    ・事例を紹介しながらなので理解しやすかった。
    ・戦略は結局「何をどうやるか」が明確になっていることが重要ということかなと思います。
    ・戦略を立ててみたくなった

    5.類書
    ・競争の戦略 ポーター

  • 戦略に関して「良い」、「悪い」というスタンスを取って分類している貴重な書

    (印象に残った箇所)
    ①コンピュータ業界の水平分業への転換点としてあげられていた、下記の流れ。

    「マイクロプロセッサの低価格化
    →PCのコンポーネント全体の処理能力向上
    →PCのSIの難易度の劇的低下≒IBM等の従前組み立てに強みを有していたメーカーの強み喪失
    →強みの源泉が「摺り合わせ」から「個別コンポーネントの性能」へ移行」

    • Mikiharu Kobayashiさん
      この本いいよね。読み直そうかな
      この本いいよね。読み直そうかな
      2019/03/13
    • Kai Osadaさん
      さっき思いついたけど、
      この
      マイクロプロセッサ低価格化
      →摺り合わせプロセス低付加価値化
      →パーツの性能が重要化
      →水平分業

      って燃料自...
      さっき思いついたけど、
      この
      マイクロプロセッサ低価格化
      →摺り合わせプロセス低付加価値化
      →パーツの性能が重要化
      →水平分業

      って燃料自動車からEVへのシフトでも同じこと起きそうだなって思った
      (サプライヤーの頂点が、トヨタ→デンソー、にシフトするって言われつくされてることかもしれないけど、、、笑)
      2019/03/14
  • 戦略を如何に立てるべきか、正しい戦略とは何なのかを書いてる。経営者は読んで損はない内容。

    最後はちょっと冗長かな。

  • 板橋図書館で、実に32人待ちの予約を待って、ようやく読んだ本。
    たしかに面白かったけど、ちょっと不満もある。

    むろん、示唆深い。戦略の本質は自軍の強い部分を敵の弱い部分にぶつけることであり、それに尽きる。それを見ぬくために、本質(カーネル)を抑えつつ、単刀直入に把握すべきであり、文飾や穴埋め式チャートではないというのはそのとおりだ。

    あの穴埋め式チャートは、ほんとうにあほらしいと思うので、全く同意できる。

    その反面で、物足りないというか、イラッとする。
    それは、事前にどうやって分かるのかということだ。
    事後になって、それがカーネルだった、それが本質だった、それが準備が足りなかった、それは設計に欠陥があるから崩壊するというただそれだけのことだ(2008年の金融バブル崩壊に対してそういった)、と言われても、それはそうかもしれないけれどもさ! と思ってしまう。

    例えば第4章で、1990年代初頭のDECの戦略について述べている。
    「箱モノ」「チップ」「ソリューション」という三つの未来像に対して、困難な選択を避けていたという。たしかにそれはそのとおりだろう。
    だけれども、当時の彼らは、当時の彼らが持っていた材料から、どのように判断すればよかったのだ? 後付でもいいから、せめてそれを書くべきじゃないか?

    たぶんこの本は、歴史家の悩みに突入してしまっている。
    歴史的事象は、再現性があるのか? それとも一回性なのか?
    歴史学が常に直面するこの問題に対して、「エンジニア出身のストラテジスト」は、肝心な所でするっと逃げているように思う。

    こんなの決着の出る話ではないので、再現性がある! にせよ、1回性である! にせよ、断定的にご選択を下すほうが非誠実だろうとは思う。だから無理もないし、たぶんこの著書は、ストラテジストが読むべきもので、迷える子羊が読むものではないのだろう。
    分かるのだけどさ。
    分かるのだけどさ・・・・

  • 悪い戦略
    1空疎である
    2重大な問題に取り組まない
    3戦略と目標をとりちがえる
    4誤った戦略目標

    良い戦略
    1現状分析診断
    2基本方針
    3実行と直結した行動指針

    戦略と目標の違い
    悪い戦略とは、戦略が何も立てられていないという意味ではなく、また失敗した戦略を意味するのでもない。悪い戦略では、目標が多すぎる一方で、行動に結びつく方針が少なすぎるか、まったくないのである。多くの人が戦略というものを誤解している。大方の経営者は、目標を掲げることだけが自分の仕事だと心得ているらしく、矛盾する目標や、どうかすると実行不可能な目標を得々として発表する。そのような「戦略」では壮大な言葉遣いが高揚感を演出し、中身のなさを隠している。

    私からアドバイスしたいのは、まず会社にとって最も有望な機会は何かを、見つけることだ。そうした機会は社内にあるのかもしれない。たとえば制作工程のボトルネックを解消するとか、作業上の障害物を取り除くといったようにね。あるいは社外にあるのかもしれない。機会を発見するためには、少人数のチームを編成し、一カ月ほど時間をかけて調査をするといいだろう。会社のサービスの買い手は誰なのか、競合相手は誰で、どんな強みを持っているのか、どんな新しいサービスが可能か、開拓可能な見込み客は誰か、そういうことを調べるんだ。自分の業界にどんな変化が起きているか、くわしく調査することはどんなときにも役に立つ。そこに飛躍のヒントが隠されているかもしれない。調査でわかったことはすべて経営チームで共有し、検討する。

    戦略を転換し資金や人材やエネルギーや注意をどこか一カ所に集中しようとすれば、会社そのものに倒産の危機が迫っているようなときは別として、必ず不利益を被る人が出てくる。したがってこの人たちは、戦略の転換に頑固に反対する。大きな企業の場合、これは避けられない事態と言える。戦略についての話し合いがいくら行われても、どれほど説得されても、この人たちは変化を望まない。そしてリーダーが選択に踏み切れず、新しい戦略を導入することができないと、八方美人型あるいは当たり障りのない戦略もどきでお茶を濁すことになる。そのような戦略もどきが発表されたら、それはリーダーに困難な選択を貫き通す強固な意志や政治力が欠けていることの証拠と言える。盛りだくさんの目標を掲げる企業では、選択が行われていないと考えてよい。

    良い戦略とは「何をやるか」を示すだけでなく、「なぜやるのか」「どうやるのか」を示すものであるべきだ。  良い基本方針は、埋もれていた強みを引き出し、あるいは新たな優位性の源泉を開発して難局を打開する。いやむしろ、こうした優位性を見つけることこそが戦略の要諦と言えよう。テコを使えば力を何倍にもできるように、戦略的優位があれば、リソースや行動の効果を何倍にも大きくすることができる。優位と言うとすぐに競争優位を思い浮かべる人が少なくないが、非営利組織や公的機関も、良い戦略によってリソースや行動の効果を高めることができる。

    戦略は結局のところ、コーディネートされた行動があるシステムに 強制 されるという形で具現化するのである。会社という複雑なシステムはてんでんばらばらに動こうとする傾向があるが、それを抑えて一つにまとめる力が働くという意味で、戦略の力はまさに強制的と言える。大きな組織では、放っておいて一貫した行動がとられるわけではない。どこかで指揮をとり、方向づけをすることが必要である。行動のコーディネーションは、戦略がない限り実現しないという意味において、組織にとって自然発生的なものではない。  このように言うと、現代の教育を受けた人はみな一様に警戒する。権限委譲が進む中で多くの決定がうまく下されているというのに、なぜいま権力集中なのか、というわけだ。

    ごくおおざっぱに言えば、良い戦略とは最も効果の上がるところに持てる力を集中投下することに尽きる。短期的には、手持ちのリソースを活かして問題に対処するとか、競争相手に対抗するといった戦略がとられることが多いだろう。そして長期的には、計画的なリソース配分や能力開発によって将来の問題や競争に備える戦略が重要になる。いずれにせよ良い戦略とは、自らの強みを発見し、賢く活用して、行動の効果を二倍、三倍に高めるアプローチにほかならない。

    隔離メカニズムを強化するもう一つの方法として、ターゲットを絶えず動かしてまねしにくくするという手がある。ターゲットがいつまでも変わらなかったら、競争相手は遅かれ早かれノウハウを探り当ててしまうだろう。だが製品やプロセスを絶えず改善していたら、あるいは改善とは言わないまでも変化させていたら、まねをするのははるかにむずかしくなる。たとえばマイクロソフトのウィンドウズOSを考えてみよう。ウィンドウズが長期にわたって同じままだったら、世界中の賢いプログラマーがいずれは同等品を作り上げることは確実である。だがマイクロソフトはのべつプログラムを変えることによって(それがつねに良いほうに変わっているとは言い難いが)、コピーをむずかしくしている。ウィンドウズは動く標的なのである。  同様に、製品やプロセスに次々にイノベーションが導入されたら、追随するのはむずかしい。そのイノベーションが独自の知識に裏づけられていたら、なおのことである。

    外生的な変化のうねりは、ヨットの帆に吹き付ける風のようなものだ。ときにはヨットを飛ぶような勢いで走らせるかと思えば、転覆させることもある。こうした荒々しいダイナミクスを自分たちの目的に適うように活かすことがリーダーの役割であり、そのためには鋭い洞察力やスキルや 造性が必要になる。うねりが来たら業界の構図はどう変わるのかをみきわめ、これから高地になりそうな方向を狙ってリソースを配分し、上手に波に乗ることが望ましい。

    つまりソフトウェアの優位性は、開発サイクルが短く、アイデアを出してからプロトタイプを作り、エラーを発見して修正するまでが短時間かつローコストでできることにある。もし設計プロセスで技術者が絶対にミスを犯さないのなら、ハードウェアもソフトウェアもコストはさほど変わらないかもしれない。だが実際にはミスは避けられないのだから、何か特別な理由でもない限り、ソフトウェアのほうが好ましいことに

    凪のときにヨットを操る腕前を見せるのはむずかしいのと同じで、平穏無事なときには戦略策定の手腕はあまり目立たない。安定期には、後発企業が先行企業に追いつくのも、ライバルを圧してリードを奪うのもむずかしい。だが変化のうねりがやって来るときには、戦略がモノを言う。大企業がトップの座から滑り落ちたり、あちこちで下克上が起きたりするのはこんなときである。

    知識の限界でうろうろしているとき、確実にうまくいく戦略を要求するのは、科学者に確実に真実である仮説を要求するのと同じことだ。これが理不尽な要求だということはおわかりいただけるだろう。良い戦略を立てることと、良い仮説を立てることは、同じ論理構造を持っている。ちがいは、科学的知識の多くは共有されているが、経営に関して蓄積された知恵は業界や企業固有のものだという点だけだ。  要するに良い戦略とは、こうすればうまくいくはずだ、という仮説にほかならない。理論的裏づけはないが、知識と知恵に裏づけられた判断に基づいている。そして、みなさんのビジネスについて、みなさん以上に知識と知恵を持ち合わせている人は誰もいない

  • 戦略とはテクニックではない。
    深く考えることから生み出されるものでシンプルに実行できるものであるはず。答えは自分たちの中にある。
    ビジネスに携わる全ての人にヒントを与えてくれる一冊だと思います。

  • タイトル通り「良い戦略と悪い戦略」に関して解説したリチャード・P・ルメルトによる名著。ナポレオンに攻め込まれて絶体絶命のイギリスが危機を乗り越えた戦略、イタリアの店舗の模倣からスタートしてアメリカを代表する企業へ成長したスターバックスの戦略、ブランドを絞ることで復活したゼネラルモーターズの戦略などなどなど、危機を乗り越えて成長した企業や国の事例を中心に紹介、成功した戦略だけではなく失敗した戦略(なぜ失敗したのか)も解説されている(失敗の方が教訓にはなる)。ビジネスにもプライベートにも使えそうな内容。

  • コンサルタントとしてのバックグラウンドを持ち、研究者としても重鎮であるルメルトによる1冊。彼は自身の経験、知見を踏まえ、タイトルにあるように「良い戦略」と「悪い戦略」に関する説明を行っていく。

    彼は「良い戦略」には、カーネル(核)とも呼べるべきものが存在しているという。以下で良い戦略の基本構造を引用する。
    「カーネルは、次の三つの要素から構成される。
    1. 診断ー状況を診断し、取り組むべき課題をみきわめる。良い診断は死活的に重要な問題点を選り分け、複雑に絡み合った状況を明快に解きほぐす。
    2. 基本方針ー診断で見つかった課題にどう取り組むか。大きな方向性と総合的な方針を示す。
    3. 行動ーここで行動と呼ぶのは、基本方針を実行するために設計された一貫性のある一連の行動のことである。すべての行動をコーディネートして方針を実行する。」(p.108-109)

    こう書かれると、そのシンプルさ故に、どこか語り切られていない部分があるのではないかと疑ってしまう。しかし、逆にこれらのようなシンプルな基本要素すら満たしておらず、目標と戦略を混同している企業が多いということなのだろう。
    本書を読んでいて、特に痛感したことは、ビジネスに解を求めるのは根本的におかしいということである。特定の解など存在するはずもなく、適切な診断、方針立てを行い、自身の仮説をもとに行動するしか、道を切り開く方法はないのである。
    このように突き付けられると、どこか途方にくれてしまう感覚もあるのだけれど、だからこそ、コンサルタントや研究者という職業が面白いということなのだろう。
    過去の伝説的な経営戦略や、現在市場を席巻しているスタートアップの戦略については様々な媒体を通して語られている。しかし重要なのは、それらの根底に存在している論理がどれほど強力、かつシンプルなものであるかを理解し、抽象化して自身に落とし込むことなのだと思う。本書に書いてあったように、戦略とはつまるところ仮説である。自身の実体験、状況の分析を通して出てくる仮説をいかに精度高いものにできるか。結局のところ、正しい問いに対し、圧倒的な思考回数を重ねていくしかないのだと思う。

    =====
    以下、印象に残った箇所を引用。

    「戦略は結局のところ、コーディネートされた行動があるシステムに強制されるという形で具現化するのである。会社という複雑なシステムはてんでばらばらに動こうとする傾向があるが、それを抑えて一つにまとめる力が働くという意味で、戦略の力はまさに強制的と言える。」(p.129)

    「戦略理論の専門家の多くは、価値創造=競争優位を持つことだと考えているため、需要拡大を促すことの大切さを見落としがちである。だが希少なリソースを持つ場合には、それに対する需要をうまく高めることこそ、戦略の基本と言えよう。」(p.234)

    「良い戦略を立てることと、良い仮説を立てることは、同じ論理構造を持っている。(中略)要するに良い戦略とは、こうすればうまくいくはずだ、という仮説にほかならない。理論的裏付けはないが、知識と知恵に裏付けられた判断に基づいている。」(p.320-321)

    「戦略的になるということは、近視眼的な見方をなくすということである。逆に言えば、ライバルより広い視野を持つことである。」(p.345)

  • 良い戦略とは診断、基本方針、行動というカーネルをもち、即実践可能な一貫性があるものである。

    CC&Sのケーススタディは印象的。
    ある特定のセグメントにターゲットを定め、無競争状態において、そこに対応できるシステムを用意し、高い価値を提供する戦略をフォーカス戦略と呼ぶ。

    実際のビジネスでは多くのことを求めてしまいがち。
    ただ、限られたリソースをどのように配分していけばよいかは、どこにフォーカスすれば最も効率が良いのかを検討することが近道であるだろう。

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