良い戦略、悪い戦略

  • 日経BPマーケティング(日本経済新聞出版
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作品紹介・あらすじ

「実行」と直結しているか?「単純明快」で「単刀直入」か?戦略思考を大家が伝授。

感想・レビュー・書評

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  • 『良い戦略、悪い戦略』
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    1.購読動機
    タイトル買いです。
    会社が社会に影響価値を発揮するにおいて、道筋、戦略は大切だからです。

    2.読みおえて
    学び①
    良い戦略は、その企業が沿革で磨いてきた差別化要素を広げる、または深めることを前提として作られていること。

    学び②
    差別化、優位性がそのまま収益性には繋がらないこと。
    なぜならば、需要を販売活動で確実に獲得(売上計上)できてこそだから。

    学び③
    慣性、惰性が戦略実行の水準を落とす。
    業務の目的が会社、組織の目的とそもそもずれていないか、、、。

    3.著書より
    ①戦略の基本
    最も弱いところにこちらの最大の強みをぶつけること。
    別の言い方をする なら、最も効果の上がりそうなところに最強の武器を投じること。

    ②良い戦略の論理構造
    診断、基本方針、行動。
    ポイントは、現場で行動できるレベルで表現されていること。

    ③戦略が機能しない理由
    組織の慣性が働く場合。
    沿革が長くなり、社員人数が増えてくると、ほとんどの企業が陥る。
    1)業務の慣性
    2)文化の慣性
    3)委任による慣性

    業績好調時の場合。
    4)無意識の怠惰とうぬぼれ
    →新参企業が戦略的に付け入る隙が出てくる。

    ⑤戦略立案 2つのポイント
    1)競争優位
    深める、拡げる。
    2)需要創出
    優位な製品または優位性の要素への需要

    ⑥良い戦略の要素
    企業にとって独自の知識、自ら発見あるいは開発した 知識に基づく戦略。
    →他社には入手できないような独自の知識 を存分に活かす機会を提示。
    ------------
    ⑦著者とジョブズの対話
    1998年5月。アップル再生戦略。
    ジョブズ曰く

    「製品ラインナップが複雑すぎて、会社はムダな経費を垂れ流していた。知り合いから、アップ ルのコンピュータを買いたいがどれがおすすめかと聞かれたとき、私には答えられなかったんだ。 アップル製のパソコンには、二〇〇〇ドル以下で買える一般ユーザー向けモデルが一つもないこ とに気づいたときには、愕然としたよ。そこで、デスクトップ機はPower Mac G3だけ に絞り込んだ。六系列あった販売店も一系列にした。販売店が多すぎるから、いろいろな需要に 応えようとしてモデルが増えすぎていたんだ」

    • Manideさん
      高岡さん

      とてもきれいにまとめられていて、
      本を読んだレベル感で落とし込みできました。
      高岡さん

      とてもきれいにまとめられていて、
      本を読んだレベル感で落とし込みできました。
      2022/07/08
    • 高岡  亮さん
      Manide さん、感想、ありがとうございました。
      本が、時間を楽しむひとつの世界となってます。
      よろしくお願いします。
      Manide さん、感想、ありがとうございました。
      本が、時間を楽しむひとつの世界となってます。
      よろしくお願いします。
      2022/07/08
  • ・診断→基本方針→行動
    ・病院で医師に診断してもらい、病名と要因を明確にして治療を行うことと同じである。
    ・近い目標 →手の届く実現可能な目標
    ・良い戦略はリソースを集中する
    ・現状をきっちり把握する

  • 良書 本書の目的は、良い戦略と悪い戦略の驚くべきちがいを示し、良い戦略を立てる手助けをすること

    良い戦略とは最も効果の上がるところにもてる力を集中投下することである

    良い戦略は、3つの要素からなる。
    ①診断 取組むべき課題を見極める
    ②基本方式 診断で見つかった課題にどう取り組むか、大きな方向性と総合的な方針を示す。
    ③行動 基本方式を実行するために設計された一貫性のある一連の行動を実行する。

    目次は、以下です。

     序章 手強い敵

    第1部 良い戦略、悪い戦略
     第1章 良い戦略は驚きである
     第2章 強みを発見する
     第3章 悪い戦略の四つの特徴
     第4章 悪い戦略がはびこるのはなぜか
     第5章 良い戦略の基本構造

    第2部 良い戦略に活かされる強みの源泉
     第6章 テコ入れ効果
     第7章 近い目標
     第8章 鎖構造
     第9章 設計
     第10章 フォーカス
     第11章 成長路線の罠と健全な成長
     第12章 優位性
     第13章 ダイナミクス
     第14章 慣性とエントロピー
     第15章 すべての強みをまとめる

    第3部 ストラテジストの思考法
     第16章 戦略と科学的仮説
     第17章 戦略思考のテクニック
     第18章 自らの判断を貫く

  • 1.
    DaiGoさんが推薦していたから
    なんとなく生きる人生から脱却する

    2.戦略とは何か?ということについて具体的に述べています。

    戦略:重要な課題に取り組むための分析や行動指針の集合体
     戦略の価値:新しい価値を創造する、新しい弱みを知り、強みを生み出すこと
    良い戦略:診断、基本方針、行動が的確である。
    悪い戦略:空疎、重大な問題に取り組まない、目標とはき違えている、間違った戦略を掲げる

    このように決定的な違いがあり、多くの企業では悪い戦略に陥っているパターンに気づかずに失敗し、利益が下がってしまいます。本書では、アメリカ企業の失敗と成功事例を豊富に活用し、戦略とは何かということを明確に述べ、目標やビジョンとは異なることを示しています。

    3.戦略は企業だけではなく、自分自身にも掲げる必要があると思いました。現代人の大半(
    私も含む)はなんとなく、人から言われたことをこなして、失敗したときは他人に罪を擦り付けます。そして、文句ばかり言う人生を過ごして一生を終えます。ここには、失敗したときのリスクが大きく、自分が傷ついてしまう恐怖があるからです。しかし、戦略やビジョンを掲げると、自分自身のために生きる軸ができ、他人に文句を言われても耐えられる強さを持つきっかけになります。私自身、まだ自分のビジョンや戦略を掲げていないのですが、この本を読んだことをきっかけに、自分の戦略やビジョンについて考え直していきたいと思います。

  • 第1部で良い戦略、悪い戦略が詳しく書かれています。
    第2部、第3部は少し飽きてきますが、第1部だけで十分役に立つことを学べます。

    1.この本をひと言でまとめると
     戦略とは何かを具体的に説明した本

    2.お気に入りコンテンツとその理由を3から5個程度
    ・良い戦略は必ずと言っていいほど、単純かつ明快である。パワーポイントを使って延々と説明する必要などまったくないし、「戦略マネジメント」ツールだとか、マトリクスやチャートといったものも無用だ。必要なのは目前の状況に潜む一つか二つの決定的な要素 ―― すなわち、こちらの打つ手の効果が一気に高まるようなポイントをみきわめ、そこに狙いを絞り、手持ちのリソースと行動を集中すること、これに尽きる。(p4)
     →戦略は見極め、行動、という単純なこと。でもそれが難しい。
    ・戦略を立てるときには、「何をするか」と同じくらい「何をしないか」が重要なのである。(p34)
     →何をしないかを決断するリーダーシップが必要。
    ・悪い戦略を生むもう一つの源泉は〜ポジティブ・シンキングに代表される思考法である。(p84)
     →ポジティブ・シンキングの否定はあまり聞いたことがないので面白い考えだと思いました。
    ・悪い戦略の四つの特徴(p49)
     →あてはまる戦略はたくさんあるような気が・・・
    ・組織の慣性の分類:業務の慣性、文化の慣性、委任による慣性(p270)
     →慣性という分類の仕方が面白い

    3.突っ込みどころ
    ・アメリカの政策に批判が多いのはなぜ?
    ・ポーターの「競争の戦略」がよく出てくるが、批判的にみてるのか賞賛しているのかよくわからなかった

    4.自分語り
    ・事例を紹介しながらなので理解しやすかった。
    ・戦略は結局「何をどうやるか」が明確になっていることが重要ということかなと思います。
    ・戦略を立ててみたくなった

    5.類書
    ・競争の戦略 ポーター

  • 米国では相当有名な戦略論の大家らしいが、今までに二冊しか本を出してないらしく、しかも前作は三十年前なのでまったく名前を知らなかった。
    戦略に関して、極めて本質的なことを述べている良書である。

    悪い戦略の特徴として、
    1,空疎である
    2,重大な問題に取り組まない
    3,目標を戦略ととりちがえている
    4,まちがった戦略目標を掲げる
    としており、本文を読んでいくとハッと思い当たる部分もあるのが困る。

    反面、良い戦略についても示唆が豊富に示される。
    カーネル(核)となるのが、
    1,診断
    2,基本方針
    3,行動
    であるという。
    ただし基本方針そのものは戦略とはいえず、的確な診断があって初めて基本方針が生きてくる。

    米国の冷戦中の国家戦略立案の例は興味深い。
    ソ連のイデオロギーや権力の徹底的な分析をし、長期戦を確保すべきで交渉による和解の余地はないという診断を下した上で、封じ込め戦略を立案&実行したそうだ。

    ガースナーがIBMを建てなおした事例も、まさに事前の診断がものを言っている。
    社内やウォール街の判断では図体が大きくなりすぎたIBMは分社化すべきと云う意見だったが、状況を分析したガースナーは総合メーカーとしての総合的なスキルを活かせていないと診断し、その結果分社化は中断されてオーダーメイドのソリューション提供という新しい基本方針の本で復活を成し遂げている。

    戦略の要となる強みの源泉を解説する部も面白い。
    鎖構造の章で述べられている話などは、楠木教授の主張している良い戦略にはストーリーがあるという内容と同じだと思うし、戦略実行に使える強力な手段が近い目標を立てることであるという主張は納得感が大きい。
    そして最近の企業の中では出色な戦略行使をしてきたNVIDIAの例は、本書中多くの例の中でも焦眉のものであろう。
    いかにこの会社が戦略を駆使して成功を手繰り寄せてきたか、がそこまでの解説と相まってよく理解できる。

    本書の至る所にある戦略の説明の例示には、企業戦略に限らず古今東西の戦争や外交から的確な事例を数々と取り上げている。
    イラクを攻めた「砂漠の嵐」でシュワルツコフ大将が取った伝統的な包囲戦略、聖書にある巨人ゴリアテをダビデが破るときの一点集中戦略、カルタゴの名称ハンニバルがローマを完膚なきまでに破ったカンネの会戦など、他でも良く聞いてきた戦略なのでスッと事例が頭に入ってきて分かり易い。

    その他、色々と示唆に富む文章があるのだが、P320~321で筆者が技術畑出身の経営陣の述べた戦略と科学の捉え方に関する説明には唸ってしまった。

    他の戦略本のようにある考え方に基づいた新しい戦略を述べるという筋ではなく、戦略一般に対しての考え方を非常に適切に整理した本である。
    また各所に自身の普段の仕事の中での考え方を改めさせる示唆があり、振り返りにもとても役立てることができた。
    お薦めの戦略本である。

  • 「ストーリーとしての競争戦略」と同じくらい腑に落ちた本。一回では身に染みないため、何回か再読したい。

  • 適切な戦略を必ず描ける保証はないが、悪い戦略を作ってしまう傾向を知ることができる。

  • 戦略とは何か、悪い戦略の例をもとにあるべき戦略が書かれており、自分の戦略の悪い点が明確になる気づきがあった。
    良い戦略の基本と、良い戦略を立てるためのポイントが具体的に書かれている。
    改めて読むべき本。

    以下メモ

    悪い戦略とは
    空疎である
    重要な問題に取り組まない
    目標と戦略を取り違えている
    間違った戦略目標を掲げている

    良い戦略とは
    基本構造(カーネル)を持っており、一貫した行動に直結する
    カーネル:診断、基本方針、行動

    必ずと言っていいほど単純かつ明快
    効果が高まるポイントを見極め、そこに狙いを絞っている
    リスクを見極めて回避策を講じる

  • 「何をすべきかわからない戦略は戦略ではない」、「戦略は分析から始まる」など落ち着いて考えれば当たり前なのだが、戦略ではない戦略がなんと社内に蔓延っているかと実感した。

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