- 本 ・本 (320ページ)
- / ISBN・EAN: 9784532320218
感想・レビュー・書評
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「私の履歴書」は、日経新聞の朝刊の最終面に掲載されている連載シリーズ。経営者ばかりではなく、学者や文化人やスポーツ選手なども登場する。毎月1人が交代で書いていく。私は好きな連載で、毎朝読んでいる。
本書の筆者、似鳥昭雄さんは、ニトリグループの創業者にして経営者。似鳥さんが、日経新聞に書いていたのは2015年のこと。本書は、連載時のものに更に手を加えたもの。似鳥さんの「私の履歴書」は、破天荒で面白い。連載時に楽しく読んだことを覚えているが、今回も改めて楽しく読んだ。
似鳥さんの経営は、直感的であり、誰もが真似のできるものではない。計画も緻密ではなく、まずは実行を重視する。実行する中で不具合を修正していく。強みは、実行力とスピードであるが、その両方が圧倒的なレベルにあり、他者がなかなか真似できない。
グループとしての課題は、偉大な創業者が退いた後のことだろう。それは、創業者が一代で築いた他の会社、日本電産やファーストリテイリングなどにも共通する課題だ。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
高校生2年の時、何百万人に一人の奇病により睾丸の片方を摘出した。そんな状況で周りの心配を他所に、「奇病を患い、境遇もひどい。何かで成功するのでは」と大真面目に考えていた似鳥氏…。そもそも発想の仕方が普通ではない。入試に落ちた高校受験で、最後の手段としてお偉いさんに米俵一俵というワイロを渡し補欠として入学に成功。絶対留年できない大学生活では先生を尾行して弱みを探ったり、女性の先生には褒めたりワインをプレゼントしたりと、読んでいて笑いが止まらなかった。渥美氏という素晴らしい師の存在も、似鳥氏と会社の成長に欠かせなかった。しかし師匠の教えをすべて鵜呑みにするのではなく、最終的な決定は似鳥氏が行い、成功することもあれば失敗することもあった。自分の選択に責任を持ち、運命を切り開いてきたからこそ、「運は創るもの」というタイトルをつけたのだろうと思う。
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ニトリホールディングスの創業者、似鳥昭雄さんの自伝。ニトリといえば、28期連続増益を達成した超優良企業。私も一消費者として大好きなお店なので(うちの家具は半分以上、ニトリです)、社長を「マジリスペクト」!そんな似鳥社長による日経新聞の「私の履歴書」の連載が書籍になったということで、すぐに購入しました。実際のところかなり脚色が入っているらしいですが、それも含めて、さいごまで面白く読めます。
なかでも、ニトリ成長のキーとなる鬼の(笑)渥美俊一先生とのエピソードが面白い。
「札幌視察で先生に叱られる」「(先生が主催する)ペガサスクラブから逃げ出す」といった美談とは決して言えない内容が赤裸々に描かれているのです。
ほかにも、家具メーカーの買収の際、「怖いのでしばらく先生には報告しなかった」という描写もあり、カリスマ経営者であっても、一般の人と同じような感覚を持っているのだなと親近感がわきます。
渥美先生は日本にチェーンストア理論を広め、ニトリはもちろんのことイオンやイトーヨーカ堂などのビッグチェーン創業者に大きな影響を与えた人物。私自身、渥美先生にお会いしたこともありますが、人物像は泣く子もだまる、という表現がふさわしく、書籍でも「怖い」という言葉が何度もでてきます。そして、そんなふうに経営の師を表す似鳥社長が、いっそう好きになりました。
一方、「サラリーマンもダメで土木もダメで、仕方なくやった家具がうまくいっただけ」という尊敬するカリスマ経営者の言葉は、会社を点々とした末、現在の自営業に行きついた私にとっては勇気づけられるものでした。そういう意味で、おもしろく読めるだけでなく、読むと元気になる本とも言えます。おすすめです。 -
北海道から出た企業、ニトリの創業者、似鳥昭雄氏の一代記。日経新聞の「私の履歴書」に加筆したものです。
連載時から、「なんちゅう社長じゃ?」と感じながら毎日の記事を読んでいましたが、改めて一気読みすると、すごい経営者人生です。
本の最後にも書いてありますが「あまりに不祥事の記述が多くお叱りも」。 -
◯米国のような豊かな生活を日本で実現したい。そのための企業に育てようという明確なロマンが芽生えたのだ。帰りの機内でこれからの自分の決意表明を決めて、実行することをメモ書きした。(123p)
◯交渉事は断られてからがスタートだと考えている。大半は3回断られたらやめてしまう。私は4回目からが本番だと考えるようにしている。もっともしつこいだけじゃダメ。愛嬌と執念が大事。(128p)
◯最初に経験でものを語らない。まずは顧客にとって必要なことは何かを突き詰める。その上で自分の経験で判断し、決断する。(137p)
★一話一話が短いのでさらっと書いてあるが大変なご苦労をされていると思う。やはりすごい人だ。 -
読ますための手法だと思うがここまで波乱万丈な人生をもってして上場企業の創業者となるとこの後の人世はもっと大変なことになりそう。
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新聞連載中から話題だった回の私の履歴書。
前半はやはり刺激的内容が中心。
後半は向上心の塊。
久々にインパクト大の私の履歴書だった。 -
波乱万丈だったんだなー。
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似鳥昭雄の作品





