最後はなぜかうまくいくイタリア人

著者 :
  • 日本経済新聞出版社
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本棚登録 : 243
レビュー : 19
  • Amazon.co.jp ・本 (232ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784532320348

作品紹介・あらすじ

嫌いなことはやらない。商談よりも食事が大事。空気は読んだことがない。それでも、結果が出るのはなぜなのか?ファッションから車まで、独自のセンスと哲学で一流品を生み出す国民の秘密。

感想・レビュー・書評

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  • 内容にはそれほど期待していなかったのですが、予想に反してけっこうおもしろかったです。

    非効率的で意味不明に思える行動と、その理由の驚くほどの非合理さ(美しくない、とか、雨が降って気分が乗らない、とか)は、イタリアのイメージそのまんま。
    著者のツッコミもおかしくて、「確かに、一緒に仕事するのは厳しいかも・・・」と笑いながら読んだ。
    でも、私の心の奥のどこかがピクリと真顔で反応もしている。

    美しくないなぁ、心が乗らないなぁ、・・・なんて思う気持ちを、私は今までどれだけ無視してきただろう? そういう基準は無視すべきだなんて、誰が決めたの?なんて、つい考えてしまう。

    特に、印象的だったのは、試飲会の後に行われるレセプションの話。交通の便の良いホテルで行われることはまずなく、バスで1時間ほど移動しなくちゃいけないような丘の上のヴィラで行われる、それは主催者が「そのロケーションが美しくて好きだ」から、「ホテルのホールなんて醜くて嫌いだ」からだ、というところ。
    ここを読んで、ああ、優先順位が日本人の仕事とは真逆だなぁと思った。見た目の美しさ、って一番最後に来るよね・・・。
    私の眼前に一瞬にして広がる美しい葡萄畑と沈む夕日のイメージ。
    うん、いいなぁ。いいなぁ。

    もちろん、いつも感性優先ばっかりじゃ困るんだけど・・・

    最後に書かれていた、イタリアのナポリで見られるルーズさと寛容さ、この2つは光と影みたいなもので、深いところで結びついていて根はひとつのものだ、という著者の見解には非常に考えさせられた。
    すべてが整頓され、何もかもうまくいっているはずなのに、どこか疲れているように見える日本人、という描写にはギクリとする。
    昨今の日本社会はお互いに対してなにかと不寛容だよなぁ、とつくづく思う。いや、日本じゃなくて私自身がそうだな、と。

    とまあ、そんな感じで、気晴らしに何も考えずに読める本、と思って読み始めたのですが、意外にもいろいろと考えさせられました。

  •  著者・宮嶋勲氏は、日本とイタリアで30年間仕事をしてきたワイン&フードジャーナリスト。両国民の思考や行動様式の違いの考察が興味深い。
     おおざっぱでルーズなステレオタイプのイメージがあるが、「最後はなんとかする」=成果を出す。ファッション、ワイン、料理、自動車、手工業、サッカー等々で、素晴らしものを生み出している。
     イタリア人が大事にするのは3つあると言われる。アモーレ(愛する)、マンジャーレ(食べる)、カンターレ(歌う)。好きなものを自分の意思で選択し、目の前のことに集中し、今を楽しむという行動様式だろう。
     宮嶋氏は、日本とイタリアを行き来する度に、頭のスイッチを切り替えてきたという。「郷に入りては郷に従え」の諺は、英語で "When in Rome, do as Romans do."となっているのも面白い。
     我々は日本人なのでイタリア人になる必要はないが、少し彼らの思考・行動様式を取り入れることで、楽しく生きるヒントがあるのではないかと感じた。私が学んだ点は以下の点である。
    〇予定どおりにいかなくても慌てず、臨機応変に課題解決に集中する。
    〇失うものはない、ダメ元でトライしてみる。
    〇欠点を個性だと思い、長所を大事にする。
    〇時には「寄り道」をしてみる。
    〇自分の直観を大事にする。

    • きよっそんさん
      宮嶋勲さんはBSのイタリアワインの紀行番組に出演していらっしゃいましたね。
      博識でいらっしゃるばかりでなくとてもチャーミングなおじさんでイ...
      宮嶋勲さんはBSのイタリアワインの紀行番組に出演していらっしゃいましたね。
      博識でいらっしゃるばかりでなくとてもチャーミングなおじさんでイタリア紀行番組のホストにうってつけの方だなあと楽しく拝見しました。
      イタリアといえば同じくBSの「小さな村の物語 イタリア」でもイタリア人の国民性がうかがい知れ私は毎週楽しみにしています。
      2016/11/27
  • やはりイタリアは最高だ。

  • そんなに急いだってしょうがないじゃん。まぁ、のんびり行こうぜ!間に合わなければ精一杯頑張って、それでもダメならワインでも飲んで楽しくやろう。
    ・人生は常に不測の事態の連続で、そんなことにいちいち腹を立ててること自体がおかしい。
    ・不測の事態を乗り越えた時により良い仕事ができる準備をすることこそ重要。
    ・別に断られたとしても、失うものは何もない精神。
    ・上を目指しすぎて磨耗してしまうよりも、くつろいで、ゆったりとした人生を過ごそうというスタンス。
    ・拒絶してしまう前に、やはり理解したい。理解することは、愛することへの第一歩。

  • 前世はイタリア人ではなかろうかと思うほど、自分がはイタリアの物が好きなので、興味本位にこの本を手に取った。予想どおり大変面白く、ますますイタリアの人たちのことが好きになった。イタリアに興味がある人は、是非この本を読まれたし!

  • イタリアに何度も行っていると感じられることがまとめられているという印象の本。面白かった。

  • 著者のイタリア愛が感じられて、読んでいて幸せな気持ちになる本でした。イタリアに行ってみたくなったし、イタリア人の考え方っておもしろいなと思いました。

  • 好きたことだけ楽しみ、嫌いなことは先延ばす
    有意義な1日は、脱線により生まれる。
    ミラノとカンパーニアの違いでの笑い話。ミラノでのホテルでは10時過ぎに朝食を食べに行ったら「申し訳ありませんが、朝食のサービスは10時までです」と断られた。ナポリでのホテルではミラノの一件があったので、「すいませんが、朝食の時間は何時ですか?」と尋ねると、「シニョーラ。朝食の時間はあなたがお目覚めになったときです」と答えた。あなたがお望みでしたら、私達は何時でも対応します。というのがナポリ。

  • 日本にずっといると、自分の価値観や習慣が当然で絶対的な物のように考えてしまいがちだが、たまに違う国の価値観を知ると、心と頭が柔軟になっていく気がする。
    イタリア人的働き方を読むと、映画紅の豚で、みんなで飛行機を作っている場面を思い出す。まさに、イタリアの職場とはあんな感じなのだろうか。
    日本は、イタリアと比べると公共の場所でのサービスや流れがスムースで快適で行き届いているが、消費者もどこかで生産者(サービス提供者)であるという点を考えると、あまりにも快適すぎるサービスを当たり前のようにしてしまう風潮は息苦しく感じる。その点、イタリアでは気負う事なく楽しく働けるのかもしれない。
    日本人から見ると、一見無秩序でルーズな国に見えるイタリアだが、社会的なルールの下にみんなの暗黙のルールがあって、表面的なルールは重視せず破っているが、ちゃんとみんなの共通認識のルールは大切に守っている。イタリアも秩序とルールがしっかり根付いている国なのだと気づけた。
    やたら食事の時間が長いのも、そこにご飯を食べる以上の役割を持たせているからという点についても気づけた。
    雨が降ると塩をかけられたナメクジのように元気をなくす、という姿には、かわいらしさを感じる。

  • イタリア人がのんびりしていると言われるが、実は合理的なライフスタイル。を様々な角度から解説してくれる。目からうろこの連続w

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著者プロフィール

1959年京都生まれ。東京大学経済学部。83~89年までローマの新聞社に勤務。現在、日本とイタリアで、ワインと食について執筆活動を行っている。イタリアのガイドブック『I Vini d'Italra』(エスプレッソ・ガイド)試飲スタッフ、『Gambero Rosso』(ガンベロ・ロッソ)レストランガイド執筆スタッフ。2010年発行の『イタリアワイン ランキング』(ワイン王国)の監修と翻訳を手掛ける。近著に『最後はなぜかうまくいくイタリア人』(日本経済新聞社)。13年に「グランディ・クリュ・ディタリア最優秀外国人ジャーナリスト賞」を受賞

「2019年 『イタリアワイン 2019年版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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