「言葉にできる」は武器になる。

著者 :
  • 日経BP 日本経済新聞出版
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  • Amazon.co.jp ・本 (255ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784532320751

作品紹介・あらすじ

◆人を動かすために「心地いい言葉」はいらない!
自分の思いをどうやって「言葉」にして「伝える」か?
人の心を動かす「表現」には秘密があるのか?
「うまく自分の言葉で話せない」「人の心に刺さる表現力を身につけたい」――志や思い、自分のなかにあるビジョンを言語化するために何をすればよいのか?
そんな悩みを抱えている全ての人に、いま注目のコピーライターが独自の手法をわかりやすく開示する、人の心を動かす言葉の法則。
人は、その言葉の中に自分の思いを発見したときに心を動かされるのであり、技巧を凝らした表現などいらないのだ! 自身が手がけた広告コピー、古今東西の有名事例を、「メッセージとしての明確性」「そこにいかに自分を投影するか」「伝えたい想いをいかに生み出すか」という視点から分解、「意志を言葉に込める技術」を解説する。

◆トップコピーライターが伝授する言葉と思考の強化書、遂に完成! 「人に伝える・動かす」は、多くの人が様々な場面で直面し、悩むテーマ。
いかに言葉を磨き上げるか? 誰にでもできる方法論を具体的に解説する本書は、ビジネスコミュニケーションや企画のプレゼンなどの仕事シーンはもちろん、私生活でのアピール、さらには就職・転職活動にも役立つ考え方が満載の一冊。
著者は、缶コーヒージョージア「世界は誰かの仕事でできている。」「この国を、支える人を支えたい。」、リクルートのタウンワーク「その経験は味方だ。」「バイトするならタウンワーク。」、「東北六魂祭」などを手がけ、2016年4月期のTBS『日曜劇場99.9』でコミュニケーション・ディレクターを務めるなど、ますます注目度アップのコピーライターである。

感想・レビュー・書評

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  • 「伝えよう」と思ってどんなに言葉を尽くしても、実は、「伝わっていなかった」を何とかしようとしているのが、この本の目的です。

    「伝わっていない」、「伝わった」のレベルを細分化すると段階的に整理することができる
    ①不理解・誤解 ⇒ ②理解 ⇒ ③納得 ⇒④共感・共鳴

    伝わらないのは、自分の頭の中にある「内なる言葉」が整理されていないから。
    そこから生じる「外に向かう言葉」だけを良くしようとしても無駄であって、
    「内なる言葉」を磨く鍛錬を積んでいくことが必要である。

    考え方を言葉にしようとしても、「何もかんがえていない」、「頭の中が整理されていない」ので、「言葉にできるほどには、考えられていない」と同じである。

    言葉を生み出すには、
    ①内なる言葉で意見を育てる
    ②外に向かう言葉に変換する
    2段階のプロセスが存在する

    ・伝わるのは、自身の体験から本心で語っていたり、心から伝えようと思う。必死さ、切実さによるところが大きい。

    「人を動かすことはできない」が、「人が動きたくなる」ようにして、「自ら進んで、動いてしまう」空気をつくりだすようにはできる

    人を動かす⇒強制的、受動的
    人が動く ⇒自主的、能動的  北風と太陽

    伝えるための思考サイクル
    ① 頭にあることを書き出す <アウトプット>
    ② 「T字型思考法」で考えを進める <連想と深化>
    ③ 同じ仲間を分類する <グルーピング>
    ④ 足りない箇所に気付き、埋める。<視点の拡張>
    ⑤ 時間を置いて、きちんと寝かせる <客観性の確保>
    ⑥ 真逆を考える <逆転の発想>
    ⑦ 違う人の視点から考える <複眼思考>

    大事なのは、考えるための時間をきちんと取ること

    美文ではなく、平易なことばをつかってわかりやする表現すること

    たった一人の、正しい人に伝わればいい

    言葉を口に出してみて、ひっかからなければいい、読みにくい言葉は心にはいってこない。

    目次は以下です。

    はじめに
    1 「内なる言葉」と向き合う
    2 正しい考えを深める「思考サイクル」
    3 プロが行う「言葉にするプロセス」
     戦略1 日本語の「型」を知る
     戦略2 言葉を生み出す「心構え」を持つ
    おわりに

  • 言葉の表現、技法などの小手先のテクニックだけではなく、その前段階に起きる(内なる言葉)と作者の呼ぶ自分の心の中の言葉の質を上げることが大切であると教わりました。
    思考を深めるプロセスではT字を使って思考を深めるプロセスがとても面白いと感じました。
    思考深めた後は中学校高校で習うような国語の表現技法を現実の仕事に落とし込む説明がとても興味を惹かれました。

    コピーライターの仕事をしているわけではありませんが、他者に物を伝えると言う部分では共通点があるので、そこに生かせるようにしていきたいと思います

    ○思考を深めるときには、TG型の形を意識して自分の思考を深めていくことをする。
    ○実際に文面に起こす際には、本書の表現技法を必ず読み返し使える場所を生かす。
    ○ただし、技術一辺倒だけではなく、伝えたい気持ちが大きく表現に関わってくると言う部分をベースに置くことを忘れない。

  • 武器にもなるし、盾にもなると思うな。と、ふと感じる。別に本書で語られているわけではないけれど。

    言葉にするためのテクニックというより、思考の仕方が書かれている。

    意見を育てなければ言葉にも出来ない。なので、その意見を気持ちを思考を深めよう。
    というのがメインテーマ。
    あー、確かにな。と、それが言葉にされると分かるもの。

    本職の中でも「内なる言葉」として書かれているように、自分の中にあるその言葉を深めていく事が、大切。
    しょっちゅう自分の中で会話をしているけれど、それと上手く向き合っていく。
    そんな気持ちを上手く言葉に出来て、誰かに伝えられたら素敵だなと。

    Xで呟いている事が、誰かのそうした助けになっていたら嬉しいな。

  • “考えたつもり”から脱却する。
    図書館で見つけたとき、そのフレーズに惹かれて借りた。

    最近、自分の気持ちや考えを相手に正しく伝える事が難しく感じる。
    こう言ったらアホだと思われる、とか、
    空気読めない発言しちゃったかな、とか
    そういう自意識過剰な思い込みもあるけど、
    それとは別に、立場のある人と話すようになると、ニュースなどの話について、自分の意見がイマイチ薄い…と感じることが多くなった。

    自分の意見を育てるための予備知識の積み立てと、自分の感じ方、というものをもっと掘り下げたい。

    言葉は思考の上澄みに過ぎない。
    →内なる言葉、「伝えたい思い」が根底にないと、口は達者だが内容がない人、考えの浅い人になる。もしくは相手の言葉に反応するように返事をすることしかできず、「この人何も考えてないな」というレッテルを貼られる。

    まず
    ①意見を育てる
    ★内なる言葉を育てるには?
    「こんな時こんな風に感じるのか」
    「自分はこういう人間だったのか」
    と気づいたこと、感じたことに幅と奥行きを与えること
    →頭の中から出し、目に見える形にすることができるようにする
    ★具体的に文字や言葉にできない
    →「カワイイ」「ヤバい」は便利だが、端的な言葉は自分の心の琴線を鈍らせる。
    どういう意味で使ったのか答える、もしくは使わない

    映画や本の感想を伝えるとき、どこから話せばいいかわからない。また、ダラダラ話してしまった。
    →全体像を完全に理解していない。
    →つまりどういうことか、を要約できない。

    ②意見を言葉に変換する
    「嬉しい」「楽しい」「悲しい」で留めることなく、感情の根源へ踏み込んでいく
    →アウトプットする。書くことで以下を防ぐ
    ⇒頭が一杯でよく考えたと誤解する
    ⇒思考が進んで、最初のことを忘れる
    ⇒断片的で脈絡もなく、考え散らしている

    ●T字思考法…「なぜ?」「それで?」「本当に?」を、繰り返す。
    「なぜ?」…自分の価値観に迫る質問。
    「それで?」…どんな効果があるか、何が言いたいか、本来の目的を思い出し、正しい方向へ考えを進める
    「本当に?」…建前だけで考えていないか?本音かを問う。行き詰まった時に試すのが良い。

  • 冒頭に書かれている『言葉が意見を伝える道具であるならば、まず、意見を育てる必要がある』という一文が大変印象的だった。
    『言葉にできるほどに、考えられていない』ことが自分も多かったと気づいた。
    伝わる言葉とは何かを考えるよりも先に意見を育てていきたい。

  • 常々、説明するのってむつかしーとか、
    感想を言うのが苦手だーとか、
    思ってきたけれど…

    「理解していなければ、言葉にできない」

    という一文を読んで、とても恥ずかしかった。

    わたしは今まで分かったつもりになっていただけでなにも理解していなかったのか…と。

    本書は、スピーチやプレゼンなんかのスキルアップというよりも、どちらかというと自己啓発な雰囲気。

    具体的な考えの深め方とか紹介されているけれど、たぶんわたしは実践しないと思う。

  • 1.キャッチコピーを考えたり、人に響く言葉遣いをしなければならない機会が増えたので読みました。


    2.自分から発する言葉は「思考の上澄みでしかない」ため、自分の意志を正確に伝えることはとても難しい行為です。ただ、本書ではそれだけが目的ではありません。「内なる言葉」に目を向け、自分自身への問いかけをすることで人生の羅針盤を明確にしていくことにも繋がります。言葉を深めることはコミュニケーションで使うだけが目的ではありません。
    本書では、自分へのアプローチをするための7ステップを紹介した後、言葉の解像度を上げたことによる著者の成功体験を述べています。

    3.めちゃくちゃ良い本に出会った。自分の言葉は正しいと思ってしまい、考えることを辞めてしまっていたシーンをいくつも思い出しました。いわば、「頑張ってるつもり」でおわっていたということです。言葉の解像度を上げるためには自分の言葉がどれくらい抽象的なのかを知らなくてはいけません。課題を正しく設定するから成長するのであって、そこを間違えては元も子もないのです。
    だからこそ、私は思い浮かんだ感情や言葉はすぐにメモしようと思いました。

  • 【本当に知っているかどうか】
    別の本でも述べられていたのですが、ある議題について説明するとき10知っている状態で10全部を説明することはむずかしい。しかし、これが1000知っていてそのうちの10だけ説明する場合はできる。ということが書かれていました。
    この本でもそれが述べられています。
    知らないから言葉にできないのは事実です。本当に理解していないと説明できないのです。
    また、本当に知っている人の話はどんな小さな声でも、どんなにこもるような声で聞こえづらくても、その人の話に耳を傾け一生懸命聴こうとします。

    世界的に有名なあるトレーダーがいました、そのトレーダーは英語がうまく話せません。しかし、まわりの人はその片言の英語には全く文句を言うわけでもなく、一生懸命聴き取ろうとします。

    言い回し、発声などは最重要項目ではなく、いかにそのことについて誰よりもくわしく、誰よりもそれについて考えているということが一番重要となります。
    10の知識ではなく、その100倍の1000の知識があれば1時間ぐらいはなんの準備もせず、平気で話し続けることができるのです。

  • 電通にてコピーライターとして活躍し、ジョージアやタウンワークなどで社会に刺さるキャッチコピーを生み出した著者が気持ちを言葉にするプロセスを提唱した一冊。

    本書では「内なる言葉」と「外に向かう言葉」に分けて解説されていて、表現のテクニックではなく自分の気持ちを書き出して思考を深めてから言葉を変換するということが書かれており自分の言葉が伝わらないというもどかしさの理由も分かり、勉強になりました。
    ところどころにある図解や標語で述べられていることが整理でき理解も捗りました。

    「なぜ」「それで?」「本当に」といった問いかけや複眼思考や時間を置いたセレンディピティといったことで自分の心と向き合い、思考を深化させていく手法は自分の言葉に自信を持たせてくれると感じ、比喩などの5つの表現技法と一歩先として紹介されている7つの手法は著者のキャッチーな言葉を生み出すための「内なる言葉」の力を増す秘訣であると感じました。
    偉人たちの名言や例文をもとに解説されていて勉強になりましたが、そのなかでも修飾語ではなく、動詞を変化させるところは非常に印象に残りました。

    本書を読んで、学んだことを活かして思考を深めるために「内なる言葉」に意識を向け、人を動かす言葉を発信していきたいと感じました。

  • 2017.4.8
    実に分かりやすく、今の自分に必要な内容だと思った。言葉にできないもどかしさを最近よく感じていたけれど、実際には言葉にするだけの思考ができてないというのにはかなり納得。忙しさや時間のなさを嘆くのは結局は言い訳、自分時間をきちんと確保して自分との対話を大事にしようと思う。

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著者プロフィール

コピーライター。武蔵野大学アントレプレナーシップ学部教授。
1979年生まれ。大学院在学中にレコード会社を起業後、電通入社。マーケティングプランナーを経て、コピーライターに。2018 年にインクルージョン・ジャパン株式会社に参画し、ベンチャー支援に従事。2022 年4 月より現職。主な仕事に、ジョージア「世界は誰かの仕事でできている。」、タウンワーク「バイトするなら、タウンワーク。」、Surface Laptop 4「すべての、あなたに、ちょうどいい。」のコピーライティングや、TBSテレビ「日曜劇場」のコミュニケーション統括など。経営層や製品開発者との対話をベースとした、コーポレート・メッセージ開発、プロダクト・メッセージ開発に定評がある。著書に『「言葉にできる」は武器になる。』(日本経済新聞出版)、『捨て猫に拾われた僕』(日経ビジネス人文庫)、『やってもやっても終わらない名もなき家事に名前をつけたらその多さに驚いた。』(サンマーク出版)など。

「2022年 『きみの人生に作戦名を。』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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