ザ・会社改造 340人からグローバル1万人企業へ

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  • 日本経済新聞出版
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感想 : 60
  • Amazon.co.jp ・本 (444ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784532320973

作品紹介・あらすじ

世界競争で沈む日本企業への答えがここにある!
歴戦のトップ経営者が仕掛けた「改革の連鎖」。その経営行動を支えた論理、そして切断力とは?
シリーズ70万部! 『V字回復の経営』の著者最新作。

12年間にわたり仕掛けてきた数々の改革が「事業モデル」の革新を引き起こした。それは、多くの日本企業が立ち後れた罠――欧米から押し寄せる「事業革新の新潮流」に対抗するための打ち手だった。いかにして失敗と成功の壁をよじ登り、「会社改造」と呼べるほど、組織を違う生きものに変身させていったのか。上場企業の現役経営者が自ら書き下ろした改革のドラマ。
会社を変えるとは、経営者が計算し尽くした戦略的なアプローチと具体的アクションの切り込み方を用意し、そのうえでトップ自らが矢面に立つ覚悟で、既成組織と既成価値観を突き崩していくことである。

(以下、「プロローグ」より)
その進化は簡単ではなかった。本書は各章とも、前半では改革プロジェクトがうまく進まない「失敗の状況」が描かれ、後半ではその壁を打破して成功に向かっていくブレークスルー(突破口)が描かれている。すべて実話である。各章に出てくるフレームワークは、多くの会社に当てはまる汎用性と普遍性を含んでいる。
本書は、これまでに書いた3部作――『戦略プロフェッショナル』『経営パワーの危機』『V字回復の経営』と同じスタイルを踏襲している。お堅い理論書ではなく、読者は実況中継のような物語で生々しい現実を疑似体験しつつ、経営の「論理性」「戦略性」を学んでいく。
ただ、本書とこれまでの3部作では大きな違いがひとつあることを知っておいてほしい。
これまでの3部作はいずれも、追い詰められた会社ないしは事業を2〜3年で再生するという『短期決戦』だった。それに対して本書は、上場企業のCEOに就いてから12年間もの長期にわたり実行した「会社改造」すなわち「改革の連鎖」を追っている。社員わずか340人の超ドメスティックな商社が、いまやグローバル1万人に迫る、世界で戦う企業に転換するためには何が必要だったのか。

感想・レビュー・書評

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  • 実行した内容とその結果だけでなく、なぜそれを実行しようと思ったのか、思考の過程も描かれていて参考になった。

  • 著者自身は経営人材に参考にしてほしい意向が強いようだが、中小の一従業員に過ぎない私にも多くの気付きを与えてくれた。それは甘言をもって読者を喜ばせるものからは遠く、著者の会社運営に多大な緊張が伴う、その感覚が私にも強く伝わってきたので、時には私の仕事人生を否定しかねない強烈な反省を迫るものだった。例えば、野党さながらに澄ました顔で会社の悪口ばかり言ってはいないか、あるいは、前の会社を辞めた理由として己の能力不足を棚上げしていないか、私の方にも緊張が生まれた。一方で、会社組織に表れがちな病気が明確な言語で浮き彫りにされており、経営の立場でなくとも、業務への客観的な見方を得た気がする。主として、経営の立場から進むべき航海図を示しているので、私の一従業員の立場からとるべき行動は、またこの著書の視点とは別に、構想を必要とする。つまり、私には私の生き方を追求していく当たり前の事実があるが、それでもこの本の知的資源の有用性は私にも十分に適用できるので、素直にこの本との出会いに感謝したい。

  • 三枝匡の集大成とされる渾身の一作。三部作のような火事場の経営改革ではなく、資本も業績も良好な一部上場企業を「日本の次世代経営者育成の場」ととらえて、大幅に躍進させた実話、実名の物語。

    火事場の立て直しは、ある意味、簡単だ。ダメでもともと、うまくいけばヒーローなのだから、モチベーションも保ちやすいし、急場のこととて思い切った手も打ちやすい。本当に難しいのは、火事場になる前、ジリ貧に陥る前に変革することだ。三枝匡は、これを小さな組織による社員の活性化と、全体最適のための「束ね」との二極間の揺り戻しに解を求むる。

    ミスミという(仕事の関係で)個人的にも親しみのある企業が題材となっているからか、教科書然とした感じも薄く、ノンフィクションとして読んでも過去の著作より面白い。

  • 三枝3部作に続く企業改革ストーリ
    今回の主人公は三枝さんその人で、企業名「ミスミ」も実名で登場。
    しかしながら、改革にかかわった人物たちは仮名で登場で、今まで同様の小説形式でのストーリ展開です。

    自身の話という事からなのか、生産革新での停滞や、カスタマーセンターでの2度ものミスも赤裸々に語られていて、プロの経営者でも簡単に企業改革は出来ないんだなぁって感じられる物語となっています。

    そのプロの経営者として、筆者は7つ定義しています。
    1.どんな状況の会社に行っても、短期間で「問題の本質」を発見できる人
    2.それを幹部や社員に「シンプル」に説明できる人
    3.それに基づいて幹部や社員の心と行動を「束ね」、組織の前進を図れる人
    4.そしてもちろん、最後に「成果」を出せる人

    5.業種、規模、組織カルチャー等の違いを超えて、どこの企業に行っても通じる「汎用的」な経営スキル、戦略能力、企業家マインドを蓄積している
    6.その裏付けとしてプロ経営者は、過去に、修羅場を含む「豊富な経営経験」積んでいる。難しい状況に直面しても、これは「いつか来た道」「いつか見た景色」だと平然としてられる
    7.プロには自然に「それなりの高いお金」がついてくる
    とのこと。

    そして会社改造には3枚のフレームワークで語る
    1枚目:複雑な状況の核心にに迫る「現実直視、問題の本質、強烈な反省論」
    2枚目:1枚目で明らかにされた問題の根源を解決するための「改革シナリオ、戦略、計画、対策」
    3枚目:2枚目に基づく「アクションプラン」
    としていて、それに結びつく変革の3つの原動力として
    戦略、ビジネスプロセス、マインド行動をチャートとして表しています。

    今回のストーリの目玉は大きく3つ
    (1)30歳の若手に託した中国事業の立ち上げ
    (2)3年もの停滞期間を持ちながらも実現した生産革新
    (3)2度の挫折を乗り越えて実現したカスタマーセンター改革
    いずれも現場の本音や泥臭い作業、混乱が伝わって来て、それらをどう乗り越えてきたかがポイントとなっています。
    結果的に実績自慢が出てくるところが嫌味なところがありますが…
    そして、それらの改革の中で人材育成・組織活性も合わせて実現していく、そこがまたすごいところです。
    ただし、生産革新やカスタマーセンター改革の具体的な中身までは語られていません。それがミスミの戦略的優位を保つ重要な企業秘密なのでしょう。
    それも赤裸々に語ってくれればいいのに(笑)

    一方で、「問題の本質」や「改革のシナリオ」「戦略、計画」などの立案に至るまでの過程、膨大な資料作成や、追いつめられる幹部。さらに、実際に責務を果たす事が出来ずに辞めていく幹部など、改革を実現するための影の部分も語られています。
    それらも全部ひっくるめて、企業改革という事なのでしょう。
    ある意味、企業改革の光と影を赤裸々に語っている物語と言えると思います。

    これも必読!

  • 文句なしの名著です。

    前著の『V字回復の経営』,『経営パワーの危機』, 『戦略プロフェッショナル』の出来も素晴らしかったが、本書はこれらの集大成ともいえる内容になっています。

    そもそもが大体事実に沿って本人の体験記ですので迫力があります。

    自分の功績を書くと、ややもすれば著者が気が付かないうちに自分をより大きく見せがちになってしまう傾向にありますが、この作者の場合はそんな小手先を弄する必要もなく、内容は従来の3部作のように淡々と進行していきます。

    本書でぜひとも、プロ経営者の妙技を堪能ください。

  • 理論峰ではなく小説仕立てで、腑に落ちやすい。
    優れたフレームはどこの企業でも適用できるんだなぁと感心した。
    読むことで動き始められる気になれる本。

  • 会社変革に取り組みたい経営幹部・管理職の方にお勧めです。
    ミスミグループの取締役・取締役会議長の三枝氏の一冊です。
    1→10を実現した敏腕経営者の一冊です。
    いや、正確にいえば、340→10,000を実現した経営者の頭の中をのぞける一冊です。

    本書の中には、三枝氏の経営ノートが紹介されています。

    ここでは、その経営ノートの一部をご紹介します。

    <以下引用です>

    リーダー能力は、《フレームワーク》の量と質で決まる。

    私の考えでは、経営者の優劣はフレームワークの有無で決まる。
    フレームワークとは、物事の本質や構造を理解し、
    わかりやすく説明するための「枠組み」のことだ。

    ----引用ここまで

    フレームワークを知っていても、なかなか活用するのは難しいもの。

    本書においては、ミスミが急成長を遂げる中で、
    三枝氏が、どのように物事をみて、どう考えたのか、
    様々なフレームワークを紹介しながら解説してくれます。

    フレームワークを活用して物事をみることで、物事の本質が見え、
    さらに、他人に共有することも容易になってきます。

    社長就任会見で、
    「社長に就任する第一の目的は『経営者人材の育成』です。」と語った
    三枝氏の経営者人材育成論を理論と実践で学べる、密度の濃い一冊です。

  • コンサルタント出身の著者がミスミ社のCEOとなり、短期間で各種の課題を解決、海外展開にも成功し、業績を急拡大させた実話を小説風に紹介した痛快な経営書。新規事業、海外展開、コールセンター改革など、具体的な課題の中で、リーダーたちが何に悩み、それに対してCEOがどう対応したかが紹介され、一つ一つがリアルで非常に参考になる。
    CEOがあまりにスーパーマンすぎてマネできなさそうなのと、若干、著者の自慢話に聞こえる感じが気にはなるものの、良書。久しぶりにグッとくるビジネス書に出会えました。

  • HBRで本の存在知り遅ればせながら読みました。実体験がドラマにように書かれていて一気に読める。経営者次第で会社は如何様にも変容する事、その覚悟、学ぶこと共感することが多い一冊

  • 会社の人が対談に同席、というので知って読んでみた。
    考え方や進め方など、とても共感できる内容だった。
    なぜ、星4つかというと、わからない。本能的なぶぶんで奮い立たない。

    以下内容の自己備忘メモ。
    とにかく経営人材がどう戦略を描くか、そして経営人材をどう育てるか、という人間が介在する問題、組織の作り方の問題が肝要。
    経営人材は、ただしいワークスタイルをもったうえで多くの事例を経験しフレームワークを蓄積しつづけ、再利用し続け、成長しつづける必要がある。
    会社改造においては、まず現状を強烈に反省すること。
    そこから戦略をねりあげ、伝播させていくこと。
    安易なリストラは遠ざけている印象(過去の経験からか)。
    いまあるものの強みを最大化、別次元化させる話だったのはミスミという土台があったからなのだろうか。どれも同じではないはず。
    戦略をねりあげるためのデータがなければ探し出す。それをベースにする。
    うちの会社で本書を題材に戦略を、やることを考えるワークショップをしたい。数字をベースにしたやつやってみたい。

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著者プロフィール

ミスミグループ本社シニアチェアマン、第2期創業者
1967年一橋大学経済学部卒業。三井石油化学を経てBCG勤務。75年スタンフォード大学経営学修士(MBA)取得。30代から経営の実践に転じ、赤字会社再建やベンチャー投資など数社の代表取締役を歴任。86年三枝匡事務所設立。2002年よりミスミ代表取締役社長、2008年代表取締役会長兼CEO、2018年より現職。2001年から一橋大学大学院客員教授。2009年内閣府参与。

「2021年 『V字回復の経営 増補改訂版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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