スティーブ・ジョブズ 無謀な男が真のリーダーになるまで(下)

  • 日本経済新聞出版社
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レビュー : 5
  • Amazon.co.jp ・本 (352ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784532321017

作品紹介・あらすじ

1985年、スティーブ・ジョブズは自身が創立したアップルから追放される。問題行動も多く、社内を混乱に陥れたとされている。その「変人」は、なぜ96年にアップルに復帰するや、「現代を代表する経営者」、「ビジョナリー」となったのか? 講談社から発売された公認伝記『スティーブ・ジョブズ』には、詳しく語られなかった部分がある。それは、ジョブズがアップルから追放され、ピクサーとNeXTを立ち上げていた時代である。その間にどのような人間的変化があったのか。  NeXTに移ると、ジョブズへの世間からの注目度は低くなり、人材を含めたリソースも、アップルほどではなくなる。そうなると、彼はこれまで正面から向き合ってこなかった「会社経営」を学ばないといけなくなった。 新会社に移って真剣に取り組んだのがマーケティングだ。アップル時代は会社が大きかったので、こういったことは他人に任せて、自分は商品開発に打ち込んでいた。また、人心掌握にもたけるようになる。時を同じくしてローリーンと結婚したことも大きい。「人」への関心が高まっていった時代だ。 ジョブズというと、その個人の発想力、企画力、ちょっとずれると、その「変人」ぶりばかり注目されるが、本書からは意外にもその「ビジョナリー・リーダー」の姿がはっきり見えてくる。その後、アップルに戻ると世間の予想をくつがえす能力を発揮し、iPhone、iPad、iTunesといった革新的アイデアを次々と実現させていく。その姿は、80年代の「マックの美しさに固執する変人」ではなかった。 本書は、フォーチュン誌記者としてジョブズと25年以上にわたる親交を持つ著者が、折々に取材したテープ(30本以上)を再構成し、さらに公認伝記には協力しなかった人物にもアクセスして書き下ろした話題作。すでに世界20カ国以上で翻訳されている。

感想・レビュー・書評

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  • 著者はビル・ゲイツとも古くから親しく、彼の話も本書には詳しいが、ジョブズ以上の先見の名や慧眼に驚かされる。
    プログラムにもお金が支払われるべきだという彼のマニフェストは、時代の流れを変えたし、パーソナルコンピューターが企業中心になりつつあると最初に気づいたのも彼だ。
    ジョブズは、マイクロソフトが事業用を基本として業界を次々と標準化していく過程でできた、個人用という穴を突き進むことで活路を見いだした。
    これは、ゲイツが作ってくれた穴でもある。

    ラスベガスにおけるゲイツの「デジタル家電プラス」構想も、来るべき未来を正確に予言していた。
    このゲイツの構想に驚き、ジョブズに「マイクロソフトにやらせちゃだめです。これは我々がやるべきことでしょ」と談判したのがアップルの幹部たちで、後の「デジタルハブ」戦略に結実する。

    このように権限を委譲されたジョブズの部下たちは、アップを牽引するまとまりのあるチームで、激しやすく気難しいジョブズをうまくあしらい、時には押し戻す力まで持った、成熟したグループだった。​

    「自分たちにとって最良と思える方針をスティーブに承認してもらうにはどうしたらいいのか、スティーブの専制的な決定や浅慮な決定、あるいは先入観などをどうすれば突破できるのか、あるいはどうすれば迂回できるのか、さらには、スティーブが次に向かう先を予想しようと、折々、関係するメンバーが集まっては相談していた」と元幹部のテバニアンは語っている。

    そもそもジョブズは、食事に誘うといった、チームをまとめるためにリーダーがよくやることを何一つやっていない。彼はただ彼なりのやり方で、二人きりで散歩に誘うのだ。

    ジョブズには、簡単にあきらめない粘り強さや、スピリチュアルな感覚が生む視野の広さといった優れた特質があるが、部下たちのやる気を引き出す力も類いまれなものがあった(そのための金銭的な報酬も惜しまなかった)。

    本書の後半は、彼の飼いならすことができず残ってしまった欠点も取り上げ、弁明しがたい行状の数々も率直に語られ、単なるジョブズ万歳本になるのを防いでいる。

    公式伝記本を嫌悪するティム・クックのジョブズとの思い出は、本書でしか読めない感動的な場面が多く、自らの肝臓の提供をジョブズに申し出ていたとは知らなかった。

  • フォーチュン誌の記者である著者が長年の取材等の付き合いからのスティーブ・ジョブズについて描いた作品の後編。

    本書ではジョブズがアップルに復帰してから、iMac、iPod、iPhone、iPadという製品を次々とリリースしてイノベーションを起こしていくところやその間にあった自身のガンとの闘いやスタンフォード大学での伝説とされているスピーチの裏側、そしてピクサーとディズニーとの間の売却劇などジョブズの絶頂期から晩年までをジャーナリストである著者の多くの関係者に対する取材に基づいて描かれています。

    元幹部との確執、ジョブズの経営手腕をジャーナリストの観点から分析されていて、特にティム・スミスやティム・クックの話からジョブズの経営者としての顔とは違った素顔が見られたことが印象に残りました。

    上下巻通して感じたのは、本書ではジョブズの成功物語から成長物語というビジョナリーカンパニーの著者でもあるジム・コリンズ氏が言われている表現が全編を通して描かれていると感じました。
    第三者から見ても、人の付き合いの変遷が激しく好き嫌いの激しいジョブズが語り継がれる経営者になったのかをジャーナリストの観点と取材から感じることのできる作品であると思いました。

  • 【請求記号】2800:2497:下

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