会計の世界史 イタリア、イギリス、アメリカ――500年の物語
- 日本経済新聞出版 (2018年9月26日発売)


- Amazon.co.jp ・本 (424ページ)
- / ISBN・EAN: 9784532322038
作品紹介・あらすじ
歴史を知れば、会計は面白くなる。
数字ではなく、「物語」で読む新テキスト!
会計は面白くないし、決算書は難しい。
著者の田中靖浩氏は、そんな「偏見」と戦い続けてきた。
ビジネススクール、企業研修、専門学校、勉強会──
長年にわたってビジネスパーソンに教え続けてきた田中氏は、
聞き手を引きつける2つの「黄金則」を見つけた。
1つは、旬な会社の事例を用いること。
そしてもう1つは、話の中に「歴史軸」を取り入れること。
「減価償却の誕生秘話」「株主と投資家はどうちがうのか」「予算の始まり」……
こうして歴史と物語の軸を入れると、背景やつながりへの理解が深まり、
一気に引き込まれるという。
会計700年の歴史を紐解きつつ、会計の全体像を解説する新しいテキストが本書だ。
物語は3部構成で、時系列で進んでいく。
第1部は14世紀イタリアから18世紀オランダへ、簿記と会社の誕生をめぐる物語。
第2部は産業革命時代のイギリスからアメリカへ、財務会計をめぐる物語。
第3部は20世紀アメリカからグローバルへ、管理会計とファイナンスをめぐる物語を展開する。
単にBS、PLに強くなるだけではなく、実際に「会計を使う」ための視点を得られるのがポイントだ。
会計の歴史を解説したものは、基本的に「会計史」の本しかなく、
それが実際の企業活動とどう結びついてきたかを説明したものはこれまでない。
著者ならではの「楽しい」語り口を生かしながら、
新しい会計テキストのスタンダードを目指す。
感想・レビュー・書評
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世界史、音楽、アート、会計。以上4つの要素に興味関心がある人にとってはたまらなく面白い本だと思う。個人的にはエンタメ的な面白さにおいては歴代の会計関連本の中でもNo.1だ。
大筋は会計の歴史を複式簿記からファイナンス理論まで、15世紀のイタリアから現代まで、時代の流れに沿って紐解いていく。それだけであればいくつか類書が思い当たるが、この本の素晴らしいところは科学技術、アート、音楽のトリビアを織り交ぜ、その時代の空気感をリアルに感じながら会計の歴史を学べるところだ。
ともすれば数字と専門用語ばかりで無味乾燥な印象を持たれがちな会計の世界だが、実はそれぞれの時代のニーズを取り込みながら現代まで進歩してきたことはあまり世の中に知られていない。
その歩みをこれほど臨場感を持って描き切った著者と関係者の皆様の労力と情熱には感動さえ覚える。なにしろダビンチから始まり、ビートルズとマイケルジャクソンで終わるなんて会計本が未だかつてあっただろうか。
あまりに面白くて、はたしてこれは脚色なしの本当の話なんだろうか、と思いながら最終ページを読み終えたが、そんな野暮な疑問は巻末の6ページに渡る参考文献の山によって粉々に打ち砕かれてしまった。
これから簿記会計の勉強を始めるにあたって面白さがわからずに苦労している人に是非読んでもらいたい一冊だ。もちろん長く会計にまつわるキャリアを重ねてきた人にとっても、きっと何かしら新しい発見があるだろう。
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簿記二級の勉強中、モチベーションが上がらず気分を変えてみようと読了。いやぁ、面白かったです。世界史好き、アート好き、音楽好きには特におすすめ。
私は大学で経営学を勉強しているんですが、経営学の基礎科目に「経営学序説」と「会計学」の二つがあるんですね。
実は私、恥ずかしながら、この本を読むまで経営学と会計学の関係がいまいちよく分からなかったんです。この本を読んで会計がどれほど経営に重要だったか理解できたし、経営学への理解が深まりました。エンタテイメント性もあって読みやすく、簿記を勉強するモチベーションも上がりました。簿記二級、頑張ろう。
最近難化してるから、次こそ受かるといいな。 -
簿記を勉強する前に、なぜ会計を学ぶのか、身に付けるのか、どういう経緯で生まれてきたか知りたくて読んだ。見事にその疑問に答えてくれる本だったし、あっと驚く世界史の事実がたくさんあって読むのが楽しかった。
簿記、財務会計、管理会計、ファイナンス。この辺勉強する人にはおすすめすぎる。 -
会計の基本的な成り立ちについて解説した本なのですが、世界史、産業史、美術史、音楽史を前面に押し出して興味をかきたてつつ、そこから財務会計、管理会計、ファイナンスなどがなぜ必要になり、どう発展したかを解説してくれるので、面白いことこの上ない。
自分の専門(会計)だけだと類書はあまたあるが、そこに興味関心(歴史や美術、音楽)を掛け合わせるとOne & Onlyになる。こうやってヒットが生まれるという見本でもありますね。
スゴイ本です。 -
マイケルジャクソンとオノヨウコの価値観の対比の話はおもしろかった。
歴史を通して、どういう過程で今の計測方法が考えられたのか知ることは楽しい。 -
ここまで、特に難しい数式など使わず、どのように会計が発展してきたのか?を明確に分かるように書いてくれた本は無かった!素晴らしい。特に、学問的には成立済みの学として語られがちだが、時代時代で、ぶち当たった難題があり、それを解決するための方法として、会計が改良を加えて来たのだ。そして、よりよく記録出来た者が時代を生き延びてきたのだ!ということがよくわかる。
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何事もストーリーで語られることで理解度が深まる、まさにそれを感じさせられました。
おかげで簿記だけでなくファイナンスまで興味が持てたし、絵画も観に行きたくなりました。
こういう学びって本当にいいよなあ。 -
いまある会計の考え方が、いつどこで生まれて、どのような歴史によって変化してきたのかを辿る物語です。会計の知識は必要なのですが、それがどのような必要性によって生まれてきたのか、その背景を物語として楽しく学ぶことができます。それによって、原価計算や償却など、面白くない仕訳の仕事に対して興味を持つことができると思います。会計の仕事と関係ない人はそこから会社に対して興味を持つことが出来ますし、経理の仕事をしている人は、今計算している仕事が何につながっているのかを考えるきっかけになると思います。
また、会計を通じての世界史として学ぶことで、歴史的な出来事の裏に「お金」の事情も動いていたことなど知ることができます。それによって、いまいちピンとこなかった歴史の出来事が腑に落ちるといったこともありました。世界史を別の側面から見るという視点が得られるところもお勧めだと思います。
著者プロフィール
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