見える化4.0 AI×IoTで「稼ぐ力」を取り戻せ!

  • 日本経済新聞出版
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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784532322380

作品紹介・あらすじ

「現場再生」のスペシャリストだから語れる4ステップ進化法!

AIもIoTも、製造業の競争力向上の要となるテクノロジーであることは間違いない。
しかし、多くの日本企業が、これらを「使いこなす」までには到っていない。
このままでは、グローバル競争に取り残されてしまう事態は避けられない。

どうすれば、最新テクノロジーの効果を最大限発揮できるのか。
1.0から4.0の4ステップに沿って解説するのが本書だ。
重要なのは、自社の能力を見える化し、そのレベルを段階的に高めていくことにある。

レベル1は「儲けの構造」の見える化。
グローバル化の進展で複雑化する組織・製品をきちんと仕分けて原価・儲けの構造を解き明かしていく。

レベル2は「儲ける仕組み」の見える化。
自社のビジネスモデルを洗い出し、全社的にその仕組みを再構築していく。

レベル3は「儲けの源泉」の見える化。
コアとなるケイパビリティを見直し、それをきちんと活用できる方法を考えていく。

レベル4は「成長戦略」の見える化。
レベル1~3の「見える化」を経ることで、どこにIoT・AIを活用すれば効果が大きいかは自然と見えてくる。
それを全社で共有・理解し、技術をテコに非連続な成長を達成するための手法を提言する。

感想・レビュー・書評

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  • IGPIのコンサルタントが提言!
    「現場再生」のスペシャリストだから語れる4ステップ進化法!

    AIもIoTも、製造業の競争力向上の要となるテクノロジーであることは間違いない。
    しかし、多くの日本企業が、そのメリットを最大限享受するまでには到っていない。
    このままでは、グローバル競争に取り残されてしまう危険性も否定できない。

    「いかにIoTを活用しようが、ビジネスモデルを進化させようが、
    モノづくりの基本ができていないと意味がない」と著者たちは強調する。

    本書では、まず「見える化1.0」「2.0」「3.0」というモノづくりの土台を
    しっかりと築いたうえで、新しいモノづくりの姿である「見える化4.0」を提唱する。
    すぐにでも手をつけられる具体的な施策が満載の1冊だ。


    【「見える化」進化の4段階】

    見える化1.0=儲けの構造の見える化
    グローバル化の進展で複雑化する組織・製品をきちんと仕分けて
    原価・儲けの構造を解き明かしていく。
    「どの拠点、どの顧客、どの製品が儲かっているのか/いないのか」
    という一番大事な情報を明らかにする。

    見える化2.0=プロセスの見える化
    顧客のニーズを製品企画にしっかり取り込むのと同時に、
    モノづくりのプロセス全体を一気通貫に見える化して重複や無駄を省く。

    見える化3.0=稼ぐポイントの見える化
    モノを売るだけでなく、それをサービスモデル化することで、
    収益の構造を根本から見直す。
    PLモデルから、バランスシートモデルへ、頭を切り換える必要がある。

    見える化4.0=リアルタイムの見える化
    IoTを活用すれば、各種のデータをリアルタイムで取得できる。
    それらを分析することで、バリューチェーンのあちこちに、
    それぞれの企業にあった「儲けの戦略」が見えてくる。

    もくじ
    まえがき──IoT時代の新しいモノづくりのあり方

    プロローグ──「インダストリー4・0」は「見える化4・0」
    -「創る」→「作る」→「造る」の再定義
    -「上からの標準化」と「ブラックボックス化」のせめぎあい
    -「何をつくるか」よりも「どこで稼ぐか」がポイント ほか

    見える化1.0 儲けの構造を把握する
    -御社の「原価の見える化」のどこが問題か
    -工数ベースで原価計算すれば、製品・工場ごとの実力がわかる
    -IoTが「誰でもABCの時代」を後押しする
    -赤字パターンによって検討課題が変わる
    -ライフサイクル全体を見なければ、本当に儲かっているかわからない ほか

    見える化2.0 プロセスの見える化──バリューチェーンの上流部分を見直す
    -収益性と競争力は必ずしも一致しない
    -真の競争力は、表から見える競争力とは違う
    -VOCによって顧客ニーズを洗い出す
    -QFDでプロセスの見える化を実現
    -「流用設計」が隠れコストの温床になる
    -DSMでプロセスの順番を最適化する ほか

    見える化3.0 稼ぐポイントの見える化──サービスモデル化とIoT
    -「インダストリー4・0」がもたらす本質的な意味合い
    -P/L重視からB/S重視へと発想の転換が必要
    -すでに家庭に入り込んでいる家電には勝機がある
    -Tier0・5のサプライヤーが自動車業界をリード
    -保守点検サービスが宝の山に
    -どのデータを残すかがオープン・クローズ戦略の要に ほか

    見える化4.0 リアルタイムの見える化──IoTのフル活用で自動化を実現
    -「AIを入れたら何かしてくれる」は間違い
    -匠の技術のデジタル化
    -プラットフォーマーに名乗りをあげたコマツ
    -データづくりがうまい会社と下手な会社
    -人間の想像力がボトルネックになる可能性
    -「見える化4・0」とは何か ほか

    あとがき 「ジャパン・アズ・ナンバー1」アゲイン

  • 副題にインダストリー4.0に代表されるようなAI・IoTといった技術を製造業で活用すべし、というのはもはや異論がない方向性だとしても、それがどのように会社の利益の増大に貢献するのか、という点については、まだ試行錯誤の段階である、というのが実質ではないだろうか。また、インダストリー4.0関連の類書においても、しっかりその点を意識して書かれている本は少ない印象がある。

    そうした状況において、経営共創基盤のパートナー/MDのお二人によって書かれた本書は、サブタイトルの”AI×IoTで「稼ぐ力」を取り戻せ!”とあるように、徹底的に製造業が利益を出すために取り組むべき基本的なアクションと、そこでAI・IoTをどう活用すべきか、という点が強調されている点で、貴重な一冊と言える。

    本書では製造業のマネジメントにおける4つのステップごとに、必要な考え方とアクションが示される構成になっている。

    ・見える化1.0=儲けの構造の見える化
    ・見える化2.0=プロセスの見える化
    ・見える化3.0=稼ぐポイントの見える化
    ・見える化4.0=リアルタイムの見える化

    特徴的なのは、見える化1.0と2.0の世界では、AI・IoTといったテクノロジーというよりも、泥臭い製造業の原価管理や製品開発の在り方がテーマになっている点である。本書はテクノロジーを使うかどうかは別として、しっかり製造業としての基本的な利益改善の活動を行うべきであるということがしっかり示されている点で、「何でもかんでもAI・IoTで解決!」といった夢想的な着地に逃げない真摯さが現れていると思う。

    また、本書を貫く哲学として、いわゆる製造業における競争戦略の古典かつ最重要の概念である「モジュラー/すり合わせ(インテグラル)」・「オープン/クローズ」の選択の重要性が繰り返し主張されるあたりも、本書の独自性であろう(そうした戦略論を理解していないSIer系のバックグラウンドを持つ執筆者による類書などには、恐らくこうした概念の重要性は出てこないだろう)。

    「稼ぐ」という観点からあるべき製造業のマネジメントの姿と、テクノロジーの活用方針を網羅的に理解できる点で、AI・IoTバブルの今だからこそ読むべき一冊と言えると思う。

  • ふむ

  • AI×データというツールだけが一人歩きし、導入自体が目的になってしまっていないか?
    目的を与えるのは常に人間で、出てきた結果をどう活かすのかを決めるのも人間であるにもかかわらず。
    そしてものづくりの基本が土台に無くてはならない。

    、、、という暗黙知を体系的に整理して形式知してくれた良書。

  • 稼ぐ製造業となるための、情報整理のポイントを4つのステップで解説。
    見える化する目的が非常にクリアであり、すっきり腹落ちして読める。

    DX、RPA、IoT、A.I.といったキーワード全盛のこの時代に、なぜその
    ツールが必要となるのか。ツールを使う前にやることがあるのではないのか。
    目の前の技術に踊らされず、要を抑えた良い本と思います。

  • 結局、AIへの対応ということか。なんとなく言いたいことはわかるが、挟み込まれた事例や図表の説明が雑駁すぎて、もったいないし、かえってわかりにくい。かといって細かい事例を説明されても余計であろう。表題もどうか。「○○いくつ」となると、その次はどのようにバージョンアップしていくのか、と期待してしまうが、もうこれ以上の見える化は難しいのではないかと思うし、そこまで必要かと感じてしまう。まだまで見えるかできてないものがあまりにも多い気がする。

  • 製造業向けの見える化に関する良著。

    <メモ>
    ・どの部分をオープン化して、どの部分をクローズ化するかを業界全体で設計し、見極められるかが重要。
    ・ドイツが行おうとしているのは地上とクラウドの間の空中領域。インダストリー4.0で取り組もうとしているのは空中層をいかに築き上げるかという取り組み。クラウドはアメリカのグーグルなどがデータを吸い上げている。
    ・見える化1は原価の見える化、2はプロセスの見える化
     3は稼ぐポイントの見える化、4はリアルタイムの見える化。リアルタイムの自動化につなげていくもの。
     原価を把握し、上流部分を一気通貫でつなぎ、下流部分まで含めたサービスモデルで収益構造を抜本的に見直す。さらにリアルタイムの見える化やビッグデータ分析と予知、さらにはリアルタイム制御自動化を目指していくというもの。
    ・今まで世の中になかったものを出すときはマーケットの意見を聞いても仕方がない面がある。アップルのようにこれを出したいんだというこだわりに価値がある。
    ・日用品の自動補充などシロモノ家電メーカーは構築できるのではないか。製造業はものを作って売る発想から、サービスも出るかを実現した方が有利になるのではないか。
    ・AI IoTを事業に効かせていくためには
     予想したいことが明確×データ数が多い×複雑要素が絡み関係性が複雑。
    ・見える化4.0が意味する範囲は組織能力によって
    1デバイス特化型 デバイス製造を最適化
    2サービスモデル型 
    3プラットフォーマー型

  • いま話題の表題の事柄が分かりやすく解説されている。それが具体的で実例も豊富

  • # 書評☆2 見える化4.0 | 社内構造の可視化による経営改善

    ## 概要
    会社経営について詳しい2人の専門家による,社内状況の可視化による経営改善を提言している。

    可視化は以下の4段階のレベルがある。

    1. 社内構造
    2. プロセス
    3. サービスモデル
    4. 24時間

    著者が経営の人であるため,経営の内容に終止している。一般社員が読んだところで,どうにもできない内容だった。

    ## 結論
    IoTのビジネスの話を期待していたのだが,思っていたのと違った。

    こういう経営の話は,一般社員が読んだところで,実行不可能であり,役に立たない。

    今後はこういう経営の本を読むのは避けようと思った。

    パーマリンク: https://senooken.jp/blog/2019/04/23/

  • 国際競争力が低下している日本の製造業。
    AIとIoTで、見える化をするとどんな可能性が見えてくるか。日本の戦略と海外の戦略の違いはなにか。ビジネスモデルの変化について知ることができる。

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著者プロフィール

㈱経営共創基盤 (IGPI) 共同経営者 (パートナー) マネージングディレクター
慶應義塾大学経済学部卒、レスター大学修士(MBA)、ランカスター大学修士(MS in Finance)、ハーバードビジネススクール(AMP)
ベンチャー企業経営の後、日本NCR、タワーズペリン、ADLにおいて事業戦略策定や経営管理体制の構築等の案件に従事。IGPI参画後は、製造業を中心に全社経営改革(事業再編・中長期戦略・管理体制整備・財務戦略等)や事業強化(成長戦略・新規事業開発・M&A等)など、様々なステージにおける戦略策定と実行支援を推進。
IGPI上海董事長兼総経理、モルテン社外取締役、りらいあコミュニケーションズ社外取締役
Japan Times ESG推進コンソーシアム アドバイザリーボード
グロービス経営大学院教授、大学院大学至善館特任教授
主な著書に『ダークサイド・スキル』(日本経済新聞出版)、『修羅場のケーススタディ』(PHPビジネス新書)などがある。

「2023年 『企業変革(CX)のリアル・ノウハウ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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