百貨店の進化

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  • 日本経済新聞出版
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感想 : 10
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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784532322564

作品紹介・あらすじ

小売業は日本の経済社会の変化を顕著な形で映し出す鏡。経済成長、人口構造の変化、技術革新、グローバル化、消費者意識の変化など、日本の経済社会の根幹での変化は、すべて小売業の姿や形に強い影響を及ぼしてきました。百貨店もその例外ではありません。
百貨店は変化への対応を続けるだけの存在ではありません。優れた百貨店はこれから起きると予想される変化を先読みして、新たな動き提示するような存在でなくてはなりません。これから起きることを先取りして、新しいライフスタイルや消費の姿を消費者に提案する存在でなくてはならないのです。それができない百貨店は、時代遅れの存在として見捨てられることになります。
本書は、「百貨店は技術革新のユーザーではなく、IT企業になるべき」「B2CからC2Bへの転換」「外商・お帳場が重要」などの新しい視点を提供する本格的流通論。日本経済の最新動向を押さえた筆者ならではのユニークな議論が展開されます。

感想・レビュー・書評

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  • タイトルで結構テンション上がったんだけど、なんか、そんなに面白い物ではなかった。
    結局結論何だろなー。
    変化をしなければならない、データから見て、少子高齢化・技術革新(特にeコマースの発達)・海外(特にアジア)のインバウンド増加/中高所得層の増加には対応が必要だ。
    その際は、実店舗の強みをいかし、百貨店ならではの富裕層顧客をうまく大切にし(個人対応の強化)、立地(主に三大都市とそれ以外)の違いごとに戦略を変えるべき。 ってことですかね?言いたいのは??
    なんか、何か特定の理論を紹介した訳でもなければ、実例に沿って紹介した訳でもなく、現状を取り巻く様々な要素を網羅的に述べている感じで、そんなに目新しい訳でも説得力がある訳でもなく、そういう意味ではそんなに面白くない。(買ったんじゃなくて図書館で借りてよかった笑)

    ただ、まぁ、「漏れがないように」考えたいときには便利なのかもしれません。

  • 《世界の経済学者の中で一番多くの百貨店を回った》(「あとがき」)著者が、長年の研究を踏まえ、百貨店の現状と展望を論ずる一冊だ。

    進化しなければ生き残れない百貨店業界に向けての、提言集でもある。

    2019年に出た本であり、その後のコロナ禍によって、本書の内容よりも百貨店の苦境はさらに深まっているだろう。
    それでも、「百貨店はどう変わるべか」という本書の提言は、どれもまだ有効だと感じられる。
    また、百貨店をフィルターにして日本経済を概観する書としても有益だ。

    欧米の大型百貨店が激減しているのに対し、《日本には年間1000億円以上の売り上げをあげている百貨店がまだ14店舗もある》という。
    また、各地方都市に百貨店が生き残っているのも日本ならではで、先進各国には地方の百貨店がもうあまりないという。
    そう考えると、日本は世界でも稀な百貨店王国であり、日本の百貨店はまだ頑張っているほうなのだな。

  • 百貨店社員として、これまでの変遷、これからどう変わっていけばいいのか粗方把握できた。
    バイブルとして、1冊は持っておきたい。

  • 百貨店の歴史を概観するのに良い本。

    百貨店興亡史、16号線の本と併せて読了

    大きくは成り立ちは呉服屋系と鉄道系があって、
    立地は商店街系とターミナル系がある。
    最新設備を兼ね備えたビルディングタイプ
    文化芸術の牽引役

    都市の急速な近代化で発展
    2000年以降に呉服屋系を中心として再編。
    国道16号線沿いはショッピングモールと競合して衰退

    今後はリアルとECの融合、不動産業の追求、ニッチ分野
    鉄道系はドミナント戦略、地方は顧客のストーリー合致
    まちなかウォーカブルとの連携や商店街との共存
    高齢者と子育てのターゲット

    1611年 松坂屋誕生
    1637年 三越誕生
    1662年 白木屋誕生
    1717年 大丸誕生
    1831年 高島屋誕生
    1852年 パリの流行品店ル・ボン・マルシェが最初か
    定価、現金、返品可能などの新しい商習慣
    1858年 ニューヨークのメーシーズ
    1863年 ロンドンのホワイトリー
    1879年 ドイツのガレリアカウフホーフ
    1886年 伊勢丹誕生
    1887年 高島屋本店脇に貿易部新設
    1892年 小包郵便の取り扱い開始
    1894年 日清戦争で景気高揚
    1898年 三越出張販売
    1896年 高島屋京都でショーウィンドウ
    1904年 三越 デパートメントストア宣言
    1910年 大丸 京都四条の空き地で大丸ガーデン開催
    1913年 阪急 宝塚唱歌隊を結成
    1914年 三越 鉄骨鉄筋コンクリート造の本店新館
    1923年 関東大震災より生活必需品販売で大衆化
    1927年 三越 三越ホール678席
    1929年 阪急百貨店梅田
    1929年 松坂屋上野 初のエレベーターガール
    1932年 地下鉄三越前駅開業
    1934年 東横百貨店渋谷
    1937年 百貨店法による出店規制
    1951年 オンワード商標登録 委託販売へ
    1953年 三越 クレジットカードの前進システム
    1956年 第二次百貨店法による出店規制
    1957年 ダイエー誕生
    1958年 ヨーカドー誕生
    1961年 欧米視察団 チェーンストア文化流入
    1963年 西友ストア誕生
    1969年 玉川高島屋ショッピングセンター開業 場所貸
    1969年 代官山ヒルサイドテラス誕生
    1971年 変動為替相場制
    1973年 大規模小売店店舗法
    1973年 渋谷パルコと西武劇場開業
    1974年 セブンイレブン一号店 豊洲に開業
    1975年 渋谷パルコ2開業 ニッチなニーズ
    1975年 西武 池袋最上階に美術館
    1976年 ルミネ新宿誕生
    1978年 ラフォーレ原宿誕生
    1979年 渋谷109誕生
    1980年 無印良品 西友のPBとして誕生
    1981年 渋谷パルコ3開業 雑貨などのライフスタイル
    1981年 ららぽーと船橋ショッピングセンター誕生
    1982年 本厚木ミロード誕生
    1985年 バブル突入
    1988年 新神戸OPA
    1989年 マイカル本牧開業
    1990年 株化大暴落
    1991年 トイザらス日本上陸
    1991年 改正大店法
    1995年 三井アウトレットパーク大阪鶴見
    1998年 ユニクロフリースブーム
    1999年 コストコ日本上陸
    2000年 ECの台頭始まる
    2000年 立地法 まちづくり3法
    2001年 西武とそごう包括的業務提携
    2003年 伊勢丹メンズ館誕生
    2004年 zozotown運営開始
    2005年 伊勢丹が北海道丸井今井へ資本参加
    2005年 伊勢丹が福岡岩田屋を子会社
    2006年 ラゾーナ川崎誕生
    2006年 西武そごうセブン&アイの傘下に
    2006年 IKEA船橋に一号店
    2007年 大丸松坂屋経営統合
    2007年 阪急と阪神経営統合
    2008年 H&M上陸
    2008年 三越伊勢丹統合
    2011年 テラスモール湘南誕生
    2011年 マイカル経営破綻
    2015年 丸井 百貨店から不動産業へ転換
    2015年 ダイエー イオンの完全子会社
    2016年 そごう柏千葉パルコ閉店
    2017年 銀座シックス開業
    2017年 三越千葉閉店
    2017年 Amazonホールフーズ買収
    2018年 三越 日本橋本店大幅リニューアル
    2018年 名古屋丸栄、伊勢丹松戸、十字屋山形、山口井筒屋宇部が閉店 
    2018年 米シアーズ経営破綻
    2018年 英ハウスオブフレーザー経営破綻
    2019年 大丸心斎橋店開業 67%が定借
    2019年 百貨店が20年間で100店舗の減
    2019年 大丸山科、伊勢丹府中、伊勢丹相模原、岐阜ヤナゲンが閉店
    2019年 米バーニーズ破産法申請
    2019年 英デベナムズ経営破綻
    2020年 山形大沼、新潟三越、高島屋港南台、西武大津、西武岡崎、そごう徳島、そごう西神が閉店
    2021年 そごう川口閉店
    2021年 マツキヨとココカラファイン経営統合

  • わかっている内容が多く、あまり内容なし。
    島国である日本の都心部は鉄道網が発達していて、百貨店はまだ全然イケますし、毎年あれだけのお中元とお歳暮をさばけるシステムを持っている百貨店のITは昔から普通に凄いし、デパ地下でアパレルから体験型施設にも既に振り切り、外商部は既にテレビショッピングに進出してる。

    日本のITは楽天のようなメガベンチャー以外は、コンテンツ持ってる会社は横並びでグループ会社(子会社じゃないよ)になって連合組まないから目立たず小さいままなだけ。

    そして、コンテンツではなく、最先端技術先行で事例を紹介していたこの本は非常にダサい。(もう最先端じゃないのと、これで案件取れるほど甘くない)

  • 丸善
    情報武装する消費者と、百貨店のアンバンドリング
    情報を持つた消費者が百貨店で買い物をするか?

  • 東2法経図・6F開架:673A/I89h//K

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著者プロフィール

東京大学経済学部卒。経済学博士。現職:東京大学名誉教授・学習院大学国際社会科学部教授。経済財政諮問会議議員、復興推進委員会委員長などを歴任。専門は国際経済学。著書に、『入門経済学』(日本評論社)、『ゼミナール国際経済入門』『ビジネス・エコノミクス』『ゼミナール現代経済入門』(すべて日本経済新聞出版社)など多数。

「2022年 『図解 はじめて学ぶ みんなのお金』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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