プロフェッショナル経営参謀

著者 :
  • 日本経済新聞出版
3.83
  • (1)
  • (3)
  • (2)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 46
レビュー : 3
  • Amazon.co.jp ・本 (312ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784532323424

作品紹介・あらすじ

先が見えないVUCAの時代、経営トップも意思決定の難しさに頭を悩ませている。
そんなトップに対して、違う視点からの問題提起を行い、議論を活性化させ、
時には周囲と衝突しがらも、より質の高い意思決定へと導いていくのが、
いま求められている「経営参謀」の仕事だ。

戦略コンサルファームとして数多くの企業の意思決定を支えてきた
ボストン コンサルティング グループの日本代表が、
経営参謀の果たすべき役割を分析し、明らかにしたのが本書である。

センスのある参謀とない参謀は、なにが違うのか。
筋が良さそうなロジックが、途中でつまずくのはなぜなのか。
なぜ、突然議論の方向性がトップのひとことで変わってしまうのか。
精鋭を集めたはずのメンバーにもかかわらず、停滞してしまう原因は何なのか。
いつまでたっても議論が積み上がらないのはなぜなのか。
そのとき、参謀は何をすべきなのか。

数々の現場で参謀たちと仕事をし、また自らも参謀的な役割を果たしてきた
著者だからこそ書けるノウハウや心得を具体的に説明。
企業からの依頼で参謀向けの研修や講義も多数行っており、
その経験も本書に盛り込まれている。

真のプロフェッショナルとして、そして未来の経営トップとして
読んでおくべき「教科書」である。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • BCG日本代表杉田さんによる新著。本の中盤は論点思考や仮説思考にある要素がふんだんにあったが、それ以外は経営企画部のような部署で働く人たちがどういう目線、スキルを持って仕事を回していけばいいか実践的な書かれている点で優れていると思う。

    特に、経営企画部のような部署にいると「トップがダメだ」と思ったり、はたまた盲目的にトップに従ったり、という人が多い。しかし、この本はそのような人たちによい示唆を与え、具体的にどう行動変革を起こせばよいか述べている。

    スライド作成のポイントはさすがコンサルという感じ。標準的な内容だと思うが、どう議論を喚起するかという観点は今まであまり見なかったので勉強になった。

    一方で議論する土壌が作れるかどうかはトップの度量にもよるのですべて経営参謀に任せるのは荷が重いかなとも思ったのである。

    以下、気に入ったフレーズ。

    ・課題を出した経営者は、実は何をどのレベルで議論すればいいのか分からず、まずは課題と論点から明らかにしてほしいと思っていることが多い

    ・たとえ経営層でも、自分たちだけで簡単に答えを出せる時代ではなくなっている

    ・問いのディシジョンツリーを、先回りして作っておく

    ・きれいな材料に基づく浅い問いかけでは潜在意識(欲求、葛藤、価値観、判断基準、存在意義、アイデンティティ)に問いかけられない。深い問いかけが必要。

    ・何が経営層に響くかの検討にはセンス、イマジネーション、直感力が必要。はっとするものは、反論を言いたくなるようなアイディアであり、小さくまとまったものではない。相手を怒らせることを恐れない。決して横柄になってはいけないが。

    ・何かあればすぐに議論できるディスカッションパートナーを持つ

    ・「自分を道具として使ってでも会社をこう変えたい」と強く信じられる将来像があるか

    ・他人の意見を素直にいいなと思えるセンスは重要

    ・何らかの方法で経営陣と議論するように、ブレークスルーを起こす

    ・自分で見えないスコープで論点を探す。自分が見ている世界が全てではないと自覚する。いろいろな人に話を聞く。少数意見やマイノリティの視点に大きなヒントが潜むケースは多い。

    ・経営層と同じ視点、視野、視座で物事を捉え、相手の頭の中をイメージする力を持つことが重要。高いクリエイティビティやイマジネーションが求められる

    ・担当の時間から、リーダーの時間に体内時計を入れ替える→経営層にとってNewなもの、面白いものを導出する分析作業は初期段階で早めに手掛ける

    ・チームマネジメント:自分ならこれぐらい出来たはず、と思う工数の7掛けくらいでみておく

    ・良いコンテンツ=それをきっかけに議論が広がっていくもの

    ・5枚のキースライドと、それを支える20枚のボディ

    ・浅い理解にとどまりそうなポイントには勇気をもって切り込む

    ・目の前で起こっている現象について、「実は一過性のブームではないか」と疑うセンスは必要

    ・変化を新たなチャレンジと考えてワクワクして臨む

    ・プロジェクトの節目でリバースエンジニアリングをすることはとても重要。成功パターンを頭の中で築いていく

    ・テーマごとにネットワークを持ち、相談の頻度と成果をトラッキングする。また、気楽な人間関係だけに甘んじていないかチェックする

    ・自分のホームグラウンドを持ち、そこからのアナロジーを考える

    ・人の話に被せない。上司が言ったことは一度飲み込んで咀嚼してから返答する

    ・4つの心の病:自惚れ、おごり、甘え、マンネリ

    ・議論に対立構造が生まれたときには抽象化してみる

    ・おじさんの言語を学ぶべし

    ・出会いの運を機会と思い、機械から経験を積み、経験から学ぶループを回す

  • コンサルタントによる経営参謀論。
    先日読んだ荒川氏の本よりはやはりコンサルが書いた本だけあって、技術論っぽい仕立て。
    メーカーの現実に近いのは荒川氏の本のような感じがする。この本以上にもっと泥臭いものなのではないか。この本でも、以前のよくあるコンサル本のような思考スキルなどではない泥臭さは多少感じさせるが、どこか他人事なコンサルっぽさはやはりあるかな。ただ、それは印象の話であって、参考になる部分はたくさんあった。
    最近の自分の反省からいえば、タイミングドリブン、経営層をはっとさせるコンテンツ、ラップアップ、見えていない世界の自覚、多彩な視点を持つ人に直接会う、仮説を出し続ける、I care you、アンカンフォタブルな状況を受け入れる、いい質問をする、素朴な質問をする... 心に引っかかったキーフレーズはこのあたり。

  • まさにその通り!ということばかりの実践的な内容。ただ、この観点のベースとして、参謀が持つべき当事者意識はやはりビジョンミッションの実現、そのための手段でありテクニックに過ぎない、というスタンスが重要。

全3件中 1 - 3件を表示

著者プロフィール

ボストンコンサルティンググループ日本代表
東京工業大学工学部卒。慶應義塾大学経営学修士(MBA)。株式会社日本交通公社(JTB)を経て現在に至る。消費財、流通、サービス、メディア等の業界を中心に、事業立ち上げ及び再構築、マーケティング戦略策定・実行支援、営業改革、組織・人事改革、グループマネジメント等のコンサルティングを数多く手掛けている。BCG Worldwide Consumer Practice Group (消費財/流通分野に関するエキスパートグループ)のコアメンバー。

「2020年 『プロフェッショナル経営参謀』 で使われていた紹介文から引用しています。」

杉田浩章の作品

ツイートする