ソニー再生 変革を成し遂げた「異端のリーダーシップ」

著者 :
  • 日本経済新聞出版
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感想 : 38
  • Amazon.co.jp ・本 (280ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784532324124

作品紹介・あらすじ

ソニー元経営トップによる初めての著書!
異端のキャリアから生まれた経営哲学を語る!

かつて世界にその名をとどろかせたソニーは、未曽有の危機に見舞われていた――。
2012年3月期、5000億円を超える大赤字の中でソニー社長の重責を引き受けた著者は、
なにから手をつけ、復活を果たしたのか。
本書では、ソニー再生という難題に挑んだ「異端社長」の知られざる歩みを振り返る。

キャリアの始まりはCBS・ソニーでの音楽事業。
バラバラだったソニー・コンピュータエンタテインメント(SCE)・アメリカを改革し、
次にプレイステーション3の販売不振に悩むSCEを立て直す。
そしてソニー社長となり、巨額赤字に苦しんだ名門企業を再生。

3度のターンアラウンドに成功した「変革のプロフェッショナル」は、
異端ともいえるそのキャリアで何を身につけたのか。

「異見を取り入れろ」
「リーダーはEQが高くあれ」
「痛みを伴う改革は先送りせずやり遂げる」
「社長は自社商品の一番のファンでなければならない」......
いまの時代だからこそ求められる経営哲学を自ら語る。

【本書の構成】
プロローグ 約束
第1章 異邦人
第2章 プレイステーションとの出会い
第3章「ソニーを潰す気か!」
第4章 嵐の中で
第5章 痛みを伴う改革
第6章 新たな息吹
エピローグ 卒業

感想・レビュー・書評

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  • 〇平井一夫氏の自伝。3度のターンアラウンドをどのようにしてきたかが書いてある。

    〇自分を異端としているが、異端なのは自分の考えを信じてOBに配慮した先送りの改革をしないところだけで、人の意見を聞き、最終判断は自分が行い責任は自分がとるという、王道のリーダーシップで変革を成し遂げた。頭では理解していてもできないことなんだけどね。

    〇リーダーにもあえて部下と壁を作るタイプと、同じ目線に立って物事を進めていくタイプといる。彼は後者で自分にはカリスマがないと言っているが、とんでもない。強引なところがあっても結局人がついていくのだからそれだけの人なんだ。

    〇臨場感は一体感を生むことができるが、これは誰にでもできることではなく、優れたリーダーのもとに生まれるものだ。

    〇これだけソニー愛を語られると、ソニーの商品が欲しくなる。これソニーの宣伝本になっているよ。ソニーの経営者さんそのところわかっているかな。

    〇著者は変革期のリーダーではあるから組織にとっては劇薬でもあるかもしれない。だがこれからの時代もう平時のリーダーの考え方で生き残れる組織などあるのだろうか。となると、新米のうちから内輪の人間関係を構築することだけに力を入れることなく、自分だけにできるエネルギーのある何かを周囲に認められるような成長を目指さなくてはいけないと考える。

    『フレーズ』
    ・ソニーが向かうべき価値をどうやって社員に浸透させればいいか―――。第3章で「臨場感が危機感を生む」と述べたが、臨場感は一体感も生む。(p.166)

    ・ものごとを決めていく過程で異見をぶつけ合うこと、そしてそれができる雰囲気を作ることは、私にとってはマネジメントチームを運営する上での大原則となる。その前提になる心がけが三つある。
     1 リーダーはまずは聞き役に徹すること。
     2 期限を区切ること。
     3 最後はリーダー自身の口で方向性を決めること。そして、一度決めたらぶれないこと。(p.212)

    ・ターンアラウンドという仕事は、痛みを伴う構造改革やその結果となる目先の黒字化だけがゴールではない。「より良いソニーを次世代に残す」ことがマネジメントチームの共通の思いだ。長期的なソニーの成長のための技術資産、ブランド、お客様からの信頼、人材、それらが継続して育つような組織文化を残すのが私たちの最も大事な仕事だと考えているし、将来に花を咲かせるための種をまき、その芽を育ててこそ真のターンアラウンドになりうる。(p.238)

  • ・著者は再生をターンアラウンドと呼び、ソニーの中で経験した3回のターンアラウンドを語っている。こういう題名の本にありがちな自慢の臭いが全くない。一方で、各所に経営者としての厳しさも覗かせる。
    ・リーダーにはEQが必要。方向性を決めること。決めたことに責任を取ること。自らメッセージを伝えること。部下から選ばれる存在になること。メッセージはできるだけシンプルに伝える。知ったかぶりをしない。聞き役に徹する。期限を区切る。結果を出す。
    ・これらの意味が、本の中に書かれている。優れた経営者は、とにかく真っ当なことを言っている。真っ当なことをやり抜くから、優れた経営者なのだろう。副題に「異端のリーダーシップ」なんて書いてあるが、異端では全くない。
    ・恐らく人間的な魅力もあるのだろう。だから、ターンアラウンドを任されても、最後はオートパイロット状態になる。

  • 仕事は個人ではなく、チームで行うものだと改めて認識できた。

    その前提で、突き詰めると人を大切にする人なのだと、また読んでて優しさを感じることができた。

    自身、管理職だが仕事が忙しくなると、ついカッとなったり。これからはEQを意識して日々取り組んでいきたい、という思いになる本でした

  • 【ソニー再生】
    高校時代、初めて買ったのがSONYのウォークマン。
    猿がイヤホンしているCM、猿も音質の良さを実感しているようで、夏休み頑張ってバイトして買いました。その後も2代目もSONY、CDウォークマン、MDウォークマン、メモリースティックウォークマンもあった。そうだった、自分の部屋のテレビもトリニトロンだった。VAIOでパソコンデビュー、デジタルカメラもサイバーショット、子供が生まれて成長記録を残すためのデジタルビデオカメラもSONY!ゲームは任天堂とSONY併用と、私の周りには『it's a SONY』
    それがいつからかな、Appleに占領され始めたのは。
    いつのまにかSONYブランドを身に纏っていないようになり、それはAppleの iPod、iPhone、iPad、Air Pods に変わっていた。
    著者はもちろん元SONY社長兼CEO、平井一夫氏。
    ソニーに訪れた危機を乗り越えた裏には平井氏の存在なくしてはなかったと思える内容です。
    そして平井氏の人柄がよく分かるところもいいです。大企業の社長って、雲の上の存在ですが、それを感じさせないようなところが記されています。
    もちろん経営書でもあるので、例えば人と違う考えを『異見』として大切にしたり、現場に足繁く通い社員の思いを理解しようとする姿勢に共感しました。
    まだ若い方なのでこれからもどこかで企業の危機を救うようなことをされてもいいのでは。
    経営者としては現役引退したと記されていますが、これからは日本の子供たち、貧困と教育格差の問題に対して役に立てるような社団法人を立ち上げたそうです。SONYといえば、井深大さんや盛田昭夫さん、大賀さん、最近では出井さんが有名ですが、特に井深大さんは子供が障がい者でそのためには子供たちの教育にも力を注いだそうです。そういうDNAをこの平井氏も受け継いでいるのは素晴らしいことです!

  • 要約 人間関係において聞く力が大切。
    数よりも質での勝負
    リーダーが率先してみんなの嫌がる仕事を引き受ける。
    自分で引き際を見極める。

  • SONYの史実を知るにはこれ以上ない良本だが、ここから学びとして得られることは少ない、いわば自己啓発本としてはあまりお勧めされない。

    ソニーを再生させた要因はいろいろあるが、冒頭にある『自信を喪失し、実力を発揮できなくなった社員たちの心の奥底を解き放ち、チームとして最大限引き出す』としていることが主として訴えられていた。章で言うと主に4章。

    文才があるな、臨場感の伝え方がかなりうまいと感じる。
    父の助言がかなり的を射てるので素晴らしい。こういう父親が良かった笑

    全体的に読んだ感想で言うと、この人の功績か、、?と強く感じる。
    帰国子女としてアメリカと日本を転々とする生活をし、ソニー(この頃はまだグループ会社)の上司の退任を機に上に上がった経歴を持つ著者。さまざまな商品を有するSONYのうち、プレイステーションを主戦場として持ち直した立役者。
    文章を読む限りだと、なにが危機でどう脱したかがよくわからずさらっと書いてあるだけに留まっている。また、客観的に見て、この人の功績なのだろうか?
    功績の布石を打った多くは先人たちだろう。この著者の話は、すごいベンチャーの創業者や起業家にある"仮説と検証"が圧倒的に少ない(というかほぼない)のがその証拠かもしれない。これらから、マーケターや技術者ではなく、マネージャーで上がった人と言える。
    この本は、1人の史実をつらつら書いた本に留まってしまった。時代が良かったという文章が多く見られて残念だった。

    ひとつだけあるとしたら、やはり混乱の中に解決すべきは現場なのだろう。現場の声を聞き、現場のテコ入れをしたからこそ為し得たのかもしれない。

    マーケティング用語で言う『プロダクトアウト』を全盛期から推進するソニーはまた輝くのだろうか。
    また感動を届けられる日が来ることを祈りつつこの評価になる。

  • ソニーを好きになった

    やると決めたらやり切る姿

  • 上杉鷹山みたいだなと言ったらちょっといいすぎか。「誰よりも大きな熱量で高い壁に挑む。その姿を見せつけられた者たちを、知らず知らずのうちにひとつの方向へ巻き込んでいく」「知ったかぶりというのは、部下にはすぐに見抜かれてしまうものだ。リーダーの資質として重要なのは『だったらサポートしましょうか』と、部下たちに思ってもらうこと」「異見を求める心がけ(中略)リーダーはまず聞き役に徹すること(中略)期限を区切ること(中略)最後はリーダー自身の口で方向性を決めること」

  • 大企業をV字回復させたリーダーシップの秘訣とは何か、その真髄を探るべくこの本を手に取った。多くのリーダーが大事にしていることと大きく変わることはなく、それを愚直に実行する、その一言に尽きると思う。言うは易し行うは難し、である。少しでもその姿に近づけたらと思った。
    欲を言うと、著者が物書きでらっしゃらないのはわかるが、ところどころ専門用語が出てきてわかりづらいところがあったことと、どのようにして社長になったのかなどの気になるところの描写が少なかったところがもう一つであった。

  • 大手メーカーの1つ、ウォークマンやプレステなどの電機製品を世に生み出している、”すごい企業”のイメージしかありませんでした。でも、プレーステーションの重さを軽くするために掘られてる文字から考え直したり、部品洗い出したりと苦悩する裏側の一部を覗けました。
    (文字の重さまで!?と驚きでした)
    ここまでやり遂げるプロ意識から、「働く」を学べる教科書でした。

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著者プロフィール

ソニーグループ シニアアドバイザー
1960年東京生まれ。父の転勤でNY、カナダで海外生活を送る。84年ICU卒業後、CBS・ソニー入社。ソニーミュージックNYオフィス、SCE米国法人社長などを経て、07年SCEI社長兼CEO、ソニー グループ・エグゼクティブ。09年ソニー EVP、11年副社長、12年社長兼CEO、18年会長。19年より現職。

「2021年 『ソニー再生』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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