構造改革の真実竹中平蔵大臣日誌

著者 :
  • 日経BPマーケティング(日本経済新聞出版
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  • Amazon.co.jp ・本 (344ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784532352486

作品紹介・あらすじ

不良債権処理、郵政民営化、経済財政諮問会議-。舞台裏で何が起きていたのか?経済再生の司令官がすべてを語る。

感想・レビュー・書評

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  • 「一部のマスコミや評論家は最初は金融をしっかりやれ、不良債権を解決しろといった。
    しかしいざ始まると竹中叩きをやった。
    そして発表されると骨抜きといった。
    節操がなさすぎるね」
    田原総一朗さんの言葉です。
    なんか今も同じやなあと思います。

    最後まで読んでみて竹中平蔵さんはとても大変なことをやり遂げたんやなと思いました。
    実際読んでて引き込まれることが多くなかなか速読では読めませんでした。
    流石にもう一回読もうとは思わなかったですσ^_^;
    ただこれからも竹中平蔵さんのウォッチは続けたいと思います。

  • 小泉改革を支えた最大の功労者
    経済財政諮問会議 不良債権処理 郵政民営化
    このコンビで日本の改革に多大な足跡を残した
    (2023年追記
    ただし米国の要望に阿るところも少なくない
    結果として米国の新自由主義に蹂躙されてしまった)

    しかし「改革」は安倍政権のばら撒きによりことごとく痕跡が消されてしまった。元の自民党政治に後戻り、先祖返りしてしまった。
    しかもその内容はさらに劣化したex財政赤字へのマヒ

    日本国民はなぜ構造・戦略として「改革」を受け入れなかったのか?
    多分腹の底では落ちていなかった
    借り物だから改革に疲れてしまった
    このツケはもっと大きく日本国に跳ね返る「財政破綻」
    結局、国民はパンとサーカスを選ぶ

  • 竹中氏の大臣時代を日誌のように紹介しています。素人大臣ですから、素人にもわかりやすいです。

  • 前半は裏話も含まれok
    諮問会議の部分はワクワク感なし

  • amazonで竹中平蔵本を検索していて、レビューを見たら面白そうだったから。

  • 小泉改革において,ブレーンとして中心的な役割を担った竹中氏。その改革の舞台裏をスリリングにかつ大胆に書き綴った回顧録である。あまりの面白さに二日で読んでしまった。アマゾンでの書評が全員ホシ5つつけているのがうなずける。

    不良債権処理と郵政民営化の二つの大きな課題に対して見事に道筋をつけた功績はあまりにも大きい。
    その過程において,抵抗勢力との激しい攻防があり,さらにマスコミからもバッシングされながらも,終始一貫して原則を貫いている。また,最も重要な政策立案においても問題の本質を暴き出しそれに対して適切な対応策を立案する,竹中氏の経済学者としての高い能力を改めて思い知る。原理原則を貫くには,それを実行するための戦術・手法において,誰がいつまでにどのようにして行うかとう細部にまで考えをめぐらし,計画に落とし込むことが重要であることがわかる。本書の中で,竹中氏が何度となく引用する,「戦略は細部に宿る」というフレーズは,まさにこれを表している。これは,構造改革という政治・行政の舞台だけではなく,企業戦略の策定と実現に向けての行動においうても当てはまるであろう。

    また,竹中氏の改革は小泉総理の強力なリーダーシップによって支えられている。竹中氏が,終始原理原則を曲げずにこれたのは,リーダーである総理が一切の妥協を許さず原理原則を曲げることなく竹中氏を支持することによるものだろう。組織論としても,示唆に富むものである。

    この本を読んで,明らかになったのは,マスコミの報道が時にいい加減であり,かならずしも本質を捉えていないことがあるということである。これは,野党である民主党も同じである。よりよい民主主義を望むのであれば,与党と野党の高度な政策論議が必要不可欠であるにも関わらず,一連の構造改革問題に対する民主党の応対は,場当たり的であり,十分な対案を提示することなく,問題の本質とはおおよそかけ離れた次元での低レベルなものであることが良く分かる。本書の中でも竹中氏も同様なことを述べているが,民主党にはハイレベルな政策論議を期待していただけに失望した。

    もう一つ,竹中氏はテレビ番組で公開討論を何度と無くこなしていたようだが,そこで氏の政策を批判するエコノミスト達のレベルの低さも良く分かる。リチャードクー氏は唯一名指しされていたが,財政再建問題において,あの破綻寸前の財政状況下でさらに財政支出による景気浮揚策を唱え,竹中氏の政策を批判していたことには驚いた。監督の采配を批判する野球の解説者と同じで,外でああだこうだ言っているものは本当に気軽である楽なもんであろう。他にも低レベルなエコノミスト達がたくさんいたようだが,誰なのでしょうね?

  • 2008年04月11日 10:54

    ノンフィクションということもあり、読み応えがあった 

    彼の講演などの軽快な語り口と同様、論理的に、かつ出来るだけ平易に表現しようと努めていることが感じられた 

    与党の抵抗勢力、マスコミの横暴など、想像を超えるまでの政界・ジャーナリズムの腐敗に驚くと同時に目を覆いたくなった 

    郵政民営化、不良債権処理など今までの内閣であれば出来なかったであろう改革を率いてきた著者が、ここまで赤裸々にその真実をまとめているのは、職業政治家でないからということも理由の一つなのだろう 

  • 竹中平蔵氏が小泉総理時代に大臣を務めてたときの日誌。
    不良債権処理、郵政民営化、経済財政諮問会議について主に書かれていた。
    経済財政諮問会議については、もともと存在していたが、竹中氏が大臣になってから、かなり有効に活用できる場になったのが本書を読むとよくわかる。こういった政治家主導で、政策を練る場というのは非常に重要だと思う。
    また、不良債権処理や郵政民営化はかなり壮大な改革で、この本を読んでいても族議員や官僚と闘ったことがよくわかり、よく改革ができたなと思う。実際改革を行うまでの過程がとんでもなく大変なのがよくわかった。何か大きな改革を政治で起こす場合は、かなりの時間を要するということと、改革を起こす総理の意志が相当に強くなければ成し遂げられないということがよくわかった。実際テレビで見てると大臣など、簡単にメディアに批判されたりしているが、真摯に取り組んでいる大臣というのは、どれだけ大変なことか。政策に対する批判ならまだしも、まったく関係ない揚げ足取り的なメディアの報道は本当になくなってほしい。
    今になってこの本を読むと、小泉ー竹中時代は日本をめちゃくちゃにしたというような陰謀論派の意見や、保守派な考え方をよく見かけるが、実際はどちらが正しいかは自分には判断がつかない。
    よい悪いはさておき、こういった大きな改革を成し得たということは、でかいと思うし、小泉総理と竹中大臣のタッグは非常に息があっていたと思う。こういったブレーン的な民間人をもっと大臣に登用したほうが絶対いいと個人的には思う。

  • 大学教授からの転身で、経済財政担当大臣、金融担当大臣、総務大臣として小泉内閣を通して閣僚を務め、小泉構造改革を主導した竹中平蔵氏の大臣時代の総括的記録。主に、金融改革、郵政民営化、経済財政諮問会議の運営が取り上げられている。
    金融改革についての竹中氏の功績は大きいと改めて感じた。郵政民営化については、その実現するまでの過程はすごいと感じたが、その意義については本書を読んでもあまりよくわからなかった。
    竹中氏の政策を実現していくプロセスは非常によく練られていると思った。ポイントは、工程表などを用いての「戦略は細部に宿る」の実行、また、ブレーンの活用だろう。

  • すごくリアリティがあって、なおかつそんなに隠してる部分ってのはないなぁと思った気がする。竹中さんの気概を感じずにはいられなくなった。

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著者プロフィール

1951年生まれ。慶應義塾大学総合政策学部教授、慶應義塾大学グローバルセキュリティ研究所所長。経済学博士。一橋大学経済学部卒。日本開発銀行、大蔵省財政金融研究所主任研究官、ハーバード大学客員准教授等を経て、現職。2001年小泉内閣で経済財政政策担当大臣、2002年に金融担当大臣、2004年には郵政民営化担当大臣を兼務。2005年総務大臣。この間、2004年には参議院議員。2006年小泉内閣の解散とともに辞職。著書に『研究開発と設備投資の経済学』(1984年、サントリー学芸賞受賞)、『対外不均衡のマクロ分析』(1987年:共著、エコノミスト賞受賞)、『日米摩擦の経済学』(1991年)、『民富論』(1995年)、『経済ってそういうことだったのか会議』(2000年:共著)、『構造改革の真実――竹中平蔵大臣日誌』(2006年)、『闘う経済学――未来をつくる[公共政策論]入門』(2008年)、『改革の哲学と戦略――構造改革のマネジメント』(2008年:共著)など。

「2013年 『パターン・ランゲージ 』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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