ブロックチェーン革命 分散自律型社会の出現

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  • 日本経済新聞出版
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  • Amazon.co.jp ・本 (360ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784532357191

作品紹介・あらすじ

★「ブロックチェーン」とは、インターネット上の公開された台帳で取引の記録を行う仕組みです。誰もが参加でき、分散的な仕組みで運用され、管理者が存在しない、運営コストが低い、外部からの攻撃に強い、改ざんできない、取引の相手方を信頼する必要がないなど、インターネットにはない特色があります。
★ビットコインを支えるテクノロジーでもありますが、利用分野は金融にとどまりません。特に、「分散」「自律」型の仕組みであることが大きなインパクトをもたらします。要するに、これまでの中央集権的な管理の仕組みや組織が不要になってしまうからです。この衝撃は、既存のフィンテックのもたらす影響をはるかに超えるレベルのものです。
★ブロックチェーンにより、従来考えられなかった夢のようなことが実現できます。劇的な低コストでインターネットによる経済的な価値を伝えることができるだけでなく、取引には偽りがないことや事実であることを証明でき、また、あらゆる契約を、人を介さずに電子的に行うことができるようになります。
★結果、金融・証券・保険など金融サービスの姿が一変するだけでなく、土地登記、婚姻届などのさまざまな記録や知的財産など所有権にかかわるビジネス、仕組み、さまざまな契約へ応用されます。実際に、世界中で活用や実験が進められています。
★さらに、人を介さずに自動的に経営が行われる試みも始まっています。「経営者のいない会社」です。会社全体でなくても、その一部の機能が自動化されていくでしょう。しかも、この変化のスピードはきわめて速いのです。
★本書を読めば、これからの社会を急速に変えていくテクノロジーについて、誰もが理解を深めることができます。1冊まるごと、ブロックチェーンを解説した、あらゆる分野の高感度なビジネスパースン必読の本です。

感想・レビュー・書評

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  • ブロックチェーン革命 分散自律型社会の出現 単行本 – 2017/1/19

    日本は否応なくこのパブリックブロックチェーン技術を最大限活用する以外に選択肢はない
    2017年7月31日記述

    野口悠紀雄氏による著作。
    2017年1月18日 1版1刷。

    野口氏は2014年に仮想通貨革命という書籍を記している。
    その時にも解説はあったのだが、そのしくみの中にある
    ブロックチェーンという技術がコアなのだ。
    それは単に仮想通貨だけではなく広い分野に革命を起こす。
    具体的には、土地登記をはじめとする公的な登記や登録への活用。
    いくつかの国ですでに実施されたり実験が行われている。
    宝石、貴金属、ブランド品などの購入履歴のトラッキングにも応用が可能。

    ブロックチェーンはIT革命の時のような非連続のイノベーションをたくさん起こす可能性がある。
    (インターネットの場合には、通信網が整備されるのに時間がかかった。ブロックチェーンは、すでに出来上がっているインターネットのネットワークを使えるので、普及のスピードはインターネットの場合より
    早い可能性がある)

    特に事務のルーチンワークを無人化出来る可能性が今以上になる。
    外国ではAIやこのブロックチェーンの人の仕事を奪う危険性について議論される事もあるようだ。
    しかし我が国日本は野口氏の著書2040年問題にも書かれているように深刻な人手不足が続く。
    結論から言えば日本は否応なくこのブロックチェーン技術を最大限活用する以外に選択肢はない。
    移民について未だに拒絶しているのだから当然、その他の手段で人手不足を解決しなければならない。
    それは製造業の製造部門、工場のアジア移転、そして事務部門へはこのブロックチェーン利用によるものだ。

    従来のITを使うのであれば、ルーチンワークを行う人手はどうしても必要だ。
    しかしブロックチェーン技術は、基本的には人手なしで運営できる仕組みだ。
    したがって人員の大幅な削減が可能になる。
    究極的には、銀行や証券会社そのものが必要なくなるかもしれない。

    ブロックチェーンは組織に頼らずに何が正しいかを立証することを可能とした。
    それが実現することにより、社会が大きく変わる。
    →インターネット登場時に期待された社会のフラット化はブロックチェーンによって実現される。

    ただしプライベートブロックチェーンという中央の管理者のいる仕組みも近年登場しつつある。
    日本でいうと三菱東京UFJ銀行が発表したMUFGコイン。
    この場合、大組織が社会を支配する構造が続く。

    もし中央銀行が仮想通貨を発行する場合は「1984年」にある悪夢のような世界が実現することになる。

    パブリックブロックチェーン
    →誰でもP2Pに参加することができる。
    信頼できない参加者が入ってくる可能性がある為、
    不正がなされる可能性がある。
    それを防止する為にPOW(プルーフオブワーク)という計算作業を課しデータの改ざんが事実上できないようにしてある。
    管理者がいないこと、改ざんが不可能なことが重要な特性だ。
    問題点はPoWの関係で取引の確認に10分程度時間がかかること。

    プライベートブロックチェーンはPoWを課していない為に取引記録確認がパブリックよりも速く行われる。
    ただし管理者が存在し管理者に対する信頼によって成立していること。
    自由主義的でオープンな仕組みとは異なる。
    開放的なシステムでは、さまざまな人や組織が関与するので技術革新が起こりやすい。
    それに対して閉鎖的なシステムでは一旦採用したシステムがそのまま続きやすい。
    長期的にはパブリックブロックチェーンが優越する可能性が高い。

    プライベートブロックチェーンはファウスト博士の契約だ(タプスコット「ブロックチェーンレボリューション」)

    中央銀行が仮想通貨を発行するとマイナス金利政策や
    経済をコントロールすることが極めて容易になる。
    また全国民の詳細なプライバシー情報を手にする事によって捜査当局や徴税当局の仕事がやりやすくなる可能性がある。
    ただしジョージ・オーウェルの描いた1984年のような世界が出現する。
    ビックブラザーは全能の独裁者であり、その権限の源は全国民の生活を仔細に観察できることだ。
    我々はこうした状況が生じることを、何としても食い止めなければならない。

    ただ野口氏の懸念とは逆に日本の当局がそこまで大それたまさに革命のような中央銀行による仮想通貨発行を行う姿がイメージできないことだ。
    企業の間でもベンチャーも少なければユニコーン企業のような有望な若い企業が出てこない。
    そのような人材も少ない国でそんな野心的な戦略を実行する人間がいるだろうか。(ある意味でそれはそれで問題なのかもしれない)

    何より人手不足の未来の日本社会ではなるだけ手間のかからないものを選んでいくべきだろう。
    それはパブリックブロックチェーンに他ならない。
    また日本の国と地方の借金は1000兆円を越え、全くまともに財政再建が進まない日本国において資本逃避する先として米ドル以外に仮想通貨があってしかるべきであろう。
    国内で使える場所がもっと増えた方が日本の
    財政破綻が起きた場合に便利であろう。

    第10章で労働者はいるけれども、経営者がいないDAOについての説明があった。
    この辺はTVでも取り上げられることが無い為か少々具体的にはイメージしにくかった。
    ただ無能な経営者に仕えるくらいならDAOで働く方が良いだろうとは思う。

  • すげえ本だ。イッキに読み終えた。

    『仮想通貨革命』を読んだ時、余りの衝撃でひっくり返ったけど、この本も、寝る前に読んだら、ワクワクドキドキしてきて、心臓の鼓動が激しくなり、読後、しばらく興奮状態が続いて、眠れなかった。

    インターネット革命によって、フラットな社会が実現されるとバラ色の未来を描いたのに、現在では、グーグルやamazonやアップルやマイクロソフトなど、ごく小数の勝ち組企業が市場を独占して、多くの優良企業がツブされてしまったし、新しいアイディアをもった未来の新企業も今現に成長を阻害されてる。

    または、GoogleやAppleやAmazonなど、ごく小数の独占企業がビッグブラザー化してしまい、次世代の石油と称されるビッグデータを確保すべく、私たちの個人情報はないがしろにされ、全てのプライバシーは監視可能な状態に置かれている。
    これはもう『1984年』のディストピアそのものだ。

    それと同じことが、ブロックチェーン革命でも、起きる危険性がある。

    ブロックチェーン技術を中央集権的に用いれば、小数の管理者によって、全人類の全ての金の動きが監視可能になる。

    ブロックチェーン革命によって、自由な社会が実現されるのか、それとも、全てが監視される監獄社会になるのか、現在は、その分岐点にある。

    コインチェックのような「カス中のカス企業」がNEMをコールドウォレットに入れておらず、マルチシグにもしてなかったために、ハッカーにまんまと580億円相当も盗まれてしまったなんていうマヌケ過ぎる話は、この際、どうでも良い。
    こういうバカげた事件を通して、それぞれのオルトコインは追跡可能な機能を備えたり、マネーロンダリングできない仕組みを作ったり、さらに進化してゆくだろうし、最終的には「盗む価値がなくなる」機能を備えた暗号通貨だって生まれるかもしれない・・・・・ということを書いてる最中にも、Plasma Cashのニュースが飛び込んできた。
    2018.3.9.パリ
    パリで3月9日に行われたイーサリアムコミュニティ会議に、ヴィタリックがサプライズで出席し、2017年8月から発表されたスケーリング解決のためのPlasmaに続く、Plasma Cashを発表した。
    Plasma Cashはヴィタリックと開発者のダン・ロビンソン、カール・フローチによって開発された。
    Plasmaをよりスケーラブルにし、一般ユーザーたちの必要動作環境を大幅に緩和する方法として提案された。
    Plasma Cashの特徴は
    ・Plasma coinを発行し、ユーザがトークンを容易に追跡できる
    ・取引所でハッキングが起こっても、ユーザーは資産を失わない
    Plasma Cashのシステムではユーザーの資金を直接扱うのではなく、取引所が注文書の機能を提供し、プラズマの契約を通じて、損失を保証できる。
    「取引所がハッキングされた時でも、ユーザーの資産が失われることはない」
    とヴィタリックは語った。
    すげーーーーー。
    まさに未来の通貨だーーーー。
    これまでの歴史上なかった、画期的な機能を装備した暗号通貨!
    これにより、良貨は悪貨を駆逐するだろう。
    素晴らしすぎる。

    このように、これまでの歴史上の貨幣にはなかった画期的な機能が、進化する暗号通貨には備わりつつある。
    量子コンピューターですら解けない暗号を備えた通貨も開発中。
    暗号通貨の未来ははかりしれない。

    私たちは、人類の叡智を結集して、ブロックチェーン技術を、小数の特権的な管理者の手に渡さず、自由な未来を実現するために生かさなければならない。
    インターネット革命の失敗を、ブロックチェーン革命で繰り返してはならない。


    <読書メモ>

    ブロックチェーン革命
    分散自立型社会の出現
    野口悠紀雄

    はじめに
    p4
    間違った説
    ① なぜビットコインがまやかしか、という説明で
    「中央銀行のような管理主体がなければ、通貨は機能し得ない」という論理
    ② コンピューターサイエンスでの説明
    「互いに信頼できない人々が形成するコンピューター・ネットワークが機能し得ないことは、『ビザンチン将軍問題』として知られている。この問題を解決する方法は無い。したがって、ビットコインの仕組みは成立し得ない」

    p5
    2014年2月23日 マウントゴックス破綻。
    この事件は、ビットコインの脆弱性ではなく、その強靭性を示した。
    なぜなら、泥棒は、価値が無くなるものは、盗まないからである。ビットコインの価値が破綻しないからこそ、盗むに値する。
    泥棒の基本法則:泥棒は価値がないものは盗まない

    p6
    JPモルガン・チェースCEOジャイミー・ダイモンは、ビットコインは17世紀オランダのチューリップ球根バブルのようなものだと嘲笑した。
    2014年3月投資銀行ゴールドマン・サックスは報告書で
    「ビットコインは通貨ではない。信奉者は頭を冷やして出直すべきだ」とした。

    p7
    ところが、2016年までの間に、世界は変わってしまった。
    ビットコイン2.0 または、ブロックチェーン2.0 に進化した。急速な変化。

    p8
    ブロックチェーン以外のフィンテックも、生活を便利にするだろう。
    しかし、パラダイムの変革をもたらすような技術革新ではない。

    p9
    飛行機が革命であったように
    インターネットが革命であったように
    ブロックチェーンは革命である。

    インターネットは社会を変え、経済をリードする主役の交代をもたらした。
    しかし、当初予想されていたように、社会はフラット化することなく、小数の大企業が世界を支配するようになった。

    アルファベット(グーグル)、amazon、アップル、マイクロソフトのことだ。

    なぜ、このような寡占状態になったのか?
    本質的な理由は
    インターネットの世界では、何が正しいデータかを確かめることが容易ではなかったために、小組織や個人が信頼を確立することができなかったから。
    組織が大きいことが人々の信頼の基礎になったから。

    ところが、ブロックチェーン技術は、組織に頼らずに、何が正しいかを立証することを可能にした。それが実現することにより、社会は大きく変わる。

    組織に頼らずに、個人の力を発揮できる社会が実現する。
    経済活動の効率が上がり、組織のあり方が変わり、人々の働き方が変わる。
    人々が直接に連絡し、取引する社会が実現する。

    p10
    しかし、正反対の可能性もある。
    銀行などの大組織がプライベート・ブロックチェーンを利用して、効率性を高める可能性だ。この場合には、ブロックチェーンが信頼を確率するのではなく、組織がそれを保障することになる。したがって、大組織が社会を支配する構造が続く。

    通貨について言えば、中央銀行が仮想通貨を発行して経済をコントロールする体制。
    『1984年』のビッグ・ブラザーの世界だ。

    つまり、ブロックチェーンが引き起こす社会変化は、正反対の2つの結果があり得る。
    どちらが実現するか?
    今、岐路に立っている。

    p21

    序章 ブロックチェーンが地殻変動を引き起こす

    人や組織を信頼しなくても安心して取引ができる trustless system

    重要なのは2点
    ① 管理者が存在せず、自主的に集まったコンピューターが運営しているにもかかわらず、行っている事業が信頼できる
    ② そこに記された記録が改竄できない

    ブロックチェーンがもたらす社会のことを
    trustless system
    「信頼できないシステム」ではなく
    「個人や組織を信頼しなくても安心して取引できるシステム」のこと

    p22
    trustless trust systemとも言われる。こちらのほうが正確な表現。

    これまでは
    経済取引は、相手を信頼しないと成立しないと考えられてきた。
    どんな事業でも、必ず管理者がいた。
    管理者が事業のすべてに責任を持つ。
    管理者が信頼できれば、人々は取引をする。

    ところが
    ブロックチェーンを用いた事業では
    事業の進め方はプロトコルとして定めてある
    プロトコルとは、コンピューターが従うべき手順の規則集
    したがって
    管理者がいないにもかかわらず、信頼できる。
    これは、それまでの常識を完全に覆すもの。
    この発明はあまりにも革命的だ。

    経済的価値をインターネットで送ることができる

    従来のインターネットでできなかったこと
    ① 貨幣など経済的に価値あるものを送ること
    ② 信頼性を確率すること

    p24
    ブロックチェーンを用いることで、経済的価値をインターネットで送ることができるようになった。

    p25
    これまでのインターネット → 情報のインターネット
    ブロックチェーン → 経済的価値のインターネット


    p26
    社会を構成する新しい方式が見出された

    これまで社会を形成する2つの基本的方法があった

    ① 計画と統制によって行う
    賢人政治。
    しかし、実際には全知全能の賢人は存在しないので、計画・統制システムは、独裁権力者による強制政治になる。ソビエト連邦がその例。
    ソ連をはじめとする社会主義経済国家は機能不全に陥り1990年代初めに崩壊した。
    p27
    ② マーケットにおける取引を基本として社会を構築する
    アダム・スミスが描いた経済システム
    社会を構成する人々は、各人がもっとも適切だと思う方法で、自ら望むところに従って行動し、他の人と取引する。必要に応じて仕事を分業する。これらの取引は、マーケットを通じて行われる。結果として、分配が決定される。
    政治的な指導者はいるが、彼らは選挙で選ばれる。これもある種の市場取引。
    p28
    「彼自身の利益を追求してゆくと、彼は、おのずから、というよりもむしろ必然的に、その社会にとって、もっとも有利な資本の使い方を選ぶ結果になる」
    (『諸国民の富』岩波文庫 第4篇)


    p29
    中央管理機関が存在しなくとも、ブロックチェーンを用いることによって、通貨の取引を、高い信頼性で実行できることが立証された。

    p30
    金融業は、広義の情報産業のひとつ。
    情報技術によって大きな変化が生じるのは当然。

    現在、金融業で行われている業務の多くは、情報の仲介。
    これがブロックチェーンに代替されれば、中間業が不要になるので、コストが低下する。
    銀行や証券会社が行っている業務の多くが、ブロックチェーンによって代替されれば、消滅するかもしれない。

    p31
    ブロックチェーン技術の、土地登記をはじめとする公的な登記や登録への活用が、すでに、いくつかの国で実施されたり実験が行われている。

    p32
    ブロックチェーン技術は、Iotでも重要な技術となる。


    p35
    世界はいまブロックチェーンという新しい技術の潜在力に気づいた。
    金融の分野だけでなく、Iotやサプライチェーン、医療や教育の分野に用いられている。
    すでに300近いプロジェクトがある。
    もちろん失敗するものもあるだろう。しかし、いくつかのプロジェクトは成功して成長し、社会のあり方を大きく変えていくに違いない。

    問題は、これらの中に日本発のものが殆ど見られないこと。日本は、世界の潮流から取り残されている。

    p39
    第1章 ブロックチェーン革命の到来

    ブロックチェーンとは、公開分散台帳。
    誰もが参加できるコンピューターの集まり(P2P)によって運営され公開される。
    データの改竄ができないようPoWという仕組みが導入される。これにより、組織の信頼に頼らずに、信頼できる事業を運営できる。

    p40
    1ブロックチェーンの機能とメカニズム
    ブロックチェーンは従来の情報システムと比べると
    ① 記録が公開される
    ② 分散的な仕組みで運用され、管理者が存在しない
    ③ そのため、運営コストが低く、システムがダウンしない
    ④ 事業主体である組織を信頼する必要がない
    という特徴がある

    P2Pは、対等な関係にある複数のコンピューターが直接接続しあい、データを送受信するネットワーク。
    PoW(Proof of Work)という仕組みによって、記録を事実上改竄できないようにしてある。改竄されていない唯一の真実としての履歴記録が、P2Pネットワークのどのコンピューターにも存在することになる。管理者が不要なので、低コストで運用できる。

    p55
    ブロックチェーンを用いれば、組織を信頼することなしに真正性を保証できるために、インターネットの世界で経済的な価値を送れる。

    p56
    プロトコルを書き、それを維持し改善する団体や組織が存在する。
    ただし、ビットコインは例外。最初の論文を書いたSatoshi Nakamotoが誰なのか、いまだに分かっていない。

    分散システムは攻撃に強い

    中央管理的システムは、データを管理する中央コンピューターがダウンすれば全体がダウンする。
    しかし、ブロックチェーンは、どれか一つのコンピューターがダウンしても他のコンピューターに同じ記録があるので、システムは動き続ける。これはゼロ・ダウンタイムといわれる特徴。

    p58
    ブロックチェーンで清算・決算コストを4分の1削減できる
    全世界の金融機関で清算や決済にかかるコストは、毎年650億ドルから800億ドル(6.5兆円~8.0兆円)ほどと言われている。

    p59
    2016年5月、ゴールドマン・サックスはブロックチェーン導入の影響の推計を発表した。

    ブロックチェーン技術の導入によって、証券・資本市場の清算・決済コストが、全世界で年間110~120億ドル削減される。

    住宅の保険では
    アメリカだけで年間20~40億ドルの費用削減が可能。

    コストが下がると、利用者の負担が下がるだけでなく、新しい経済活動が可能になる。

    特に、国際送金と小額送金マイクロペイメントの面での効果が大きい。

    インターネットは、地球規模での情報送信のコストをゼロ近くまで下げた。
    それと同じような変化が起きる。

    ・・・・・・つづく

  • [本の簡単なまとめ]
    仮想通貨に応用されているイメージの強い
    ブロックチェーン技術だが、現在(2016年)に
    利用されている事例や将来的に利用されると
    期待される事例が非常に多く紹介されている。

    序盤にはブロックチェーン技術の概要と
    その堅牢なセキュリティや対改竄性能の説明

    それ以降は、金融やITなど様々な場面における課題と
    ブロックチェーンを活用してそれがどのように解決
    されるかを解説してくれている。


    [学んだこと]
    これを読んだのは2020年だが、
    2016年時点でもブロックチェーンを主軸とした
    スタートアップが多く創立されている点に
    非常に驚いた。

    全体を抽象的にして説明するとすれば、
    ブロックチェーン技術によってできることと
    現行のシステムに大きな齟齬がある分野が、
    いずれ根本的に変容するであろう、もしくは
    変容することが理想的であろうという事だった。


    [こういう人におすすめ]
    ブロックチェーン技術に対して、
    イメージが湧かない人や怪しいと感じている人に
    ぜひご一読いただきたいと感じた。

    逆にブロックチェーンのアルゴリズムなどを
    詳しく知りたい人向けではない。

  • 仮想通貨に関する記述が多い。
    入門書兼アーリーアダプターのカタログ

  • ブロックチェーの技術、及び自律分散型社会を知ったきっかけとなった良著。
    今、2021年では少し古いかもしれないが、逆に当時の期待や熱狂が伝わる。

  • ブロックチェーン技術の出現で何が変わるのか
    「仮想通貨」。ビットコイン。ブロックチェーン。
    一度は聞いたことがあり、興味を持ったことがあるだろう。では、これらは一体どういった代物なのか。これらの発明で一体どういった意味があるのか。説明できるだろうか。乱高下するビットコイン相場に怯えるだけで良いのだろうか。
    本書では、著者の専門であるファイナンス理論から、豊富な情報量で今どういった動きがあり、ブロックチェーン技術の何が革命的なのかを解説している。
    ビットコインの入門書などで基礎的な知識を得た後ならば、刺激的に読み進めることができる。
    今後、金融だけでなく、政治、司法、福祉など、様々な領域で革命が起きる可能性がある。これを読まずして、未来は語れない。
    キーワードは、ブロックチェーン。

  • 技術と社会の変化について考えさせられる

    (経済経営学部 教員)

    【OPAC】
    https://tmuopac.lib.tmu.ac.jp/webopac/BB02339047

  • なぜこの本を読んだのか?
    転職活動をしているなかで、Fin Tech系の会社とカジュアル面談をした。そのなかで自分の能力と相手のニーズが珍しく合っており、万が一の可能性もあるので、知識を増やしておこうと思い、図書館で借りた。

    ざっくり3つにまとめると以下の通り

    ・出版が2017年なので、最新のトレンドは載っていない
    ・著者が経済学者なので、技術目線というよりもビジネス目線
    ・ブロックチェーンが今後大きく広がっていく可能性が示されている

    自分はあまりブロックチェーンの可能性(※1)がわからなかったし、どちらかといえば懐疑的な見方をしていた。この本を読むと、「安心・安全」が実装されている箇所(※2)は、ブロックチェーンの技術要素を適用でき、これからの市場の広がりを感じることができた。

    また、ブロックチェーンはあくまでも基盤技術要素にすぎず、この技術が全面に押し出されるものではなく、解決したい課題がありそれを実現するための技術ということも理解できた。よって、「ブロックチェーンで何かやりましょう」(※3)というITコンサルタントがいたら、その時点で「きな臭い」と感じて差し支えないだろう。

    ーーーー
    ※1 お金が儲かるかどうかにおける可能性
    ※2 実装だけに限らず、求められる箇所も同じ
    ※3 その“何か“を顧客と一緒に考えることが、コンサルタントの仕事という認識

  • 少し古いが、ブロックチェーンのことが大局的に分かる
    特に政策的な論点や経済的な論点の提示は面白い
    技術的な部分に関してスケーラビリティ問題など若干最近の理解とは異なる気もするが、良い本だと思う

    We can understand overview of blockchain revolution by this book.
    Especially, political issue, economical issue is interesting.
    In additon, the difference about public blockchain and private blockchain is interesting too.
    In additon, the relation to IoT and blockchain is new view point for me.

  • 分かりやすそうで、説明不足?

    「ナンス」で早くも躓いた!
    取りあえず最後まで読もう!
    できるかな?
    不安!

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著者プロフィール

野口悠紀雄(のぐち・ゆきお)
1940年、東京生まれ。1963年、東京大学工学部卒業。1964年、大蔵省入省。1972年、エール大学Ph.D.(経済学博士号)を取得。一橋大学教授、東京大学教授(先端経済工学研究センター長)、スタンフォード大学客員教授、早稲田大学大学院ファイナンス研究科教授などを経て、一橋大学名誉教授。専門は日本経済論。
著書に『情報の経済理論』(日経経済図書文化賞)、『1940年体制―さらば戦時経済』、『財政危機の構造』(サントリー学芸賞)(以上、東洋経済新報社)、『バブルの経済学』(日本経済新聞社、吉野作造賞)、『「超」整理法』(中公新書)、『仮想通貨革命』(ダイヤモンド社)、『ブロックチェーン革命』(日本経済新聞出版社:大川出版賞)など。近著に『中国が世界を攪乱する』(東洋経済新報社)、『経験なき経済危機』(ダイヤモンド社)、『書くことについて』(角川新書)、『リープフロッグ逆転勝ちの経済学』(文春新書)、『「超」英語独学法』(NHK出版)などがある。

「2021年 『入門 米中経済戦争』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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