ウォール街のランダム・ウォーカー<原著第12版> 株式投資の不滅の真理
- 日本経済新聞出版 (2019年7月20日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (512ページ)
- / ISBN・EAN: 9784532358235
作品紹介・あらすじ
◆全世界で読まれている「投資のバイブル」 1973年の初版以来、全米累計150万部を超え、「投資の名著」として絶賛されるベスト&ロングセラー、A Random Walk Down Wall Streetの最新版。本書の主張は「インデックスファンドへの投資がベスト」というシンプルなものだが、類書と異なる点は、なぜ他の投資方法がインデックス投資に比べて劣っているのかを、データを示してしっかり論じているところだ。過去のデータを鑑み、アクティブファンドの長期リターンが市場平均を下回ることを証明し、「猿がダーツで選んだポートフォリオを運用するのと等しい」とこき下ろすあたりは、読んでいて痛快かつ明快である。 硬派な内容でありながら、数式はほとんどなく、グラフや表を多用しており、初心者にも理解しやすくなっている。間抜けなテクニカル分析手法やチューリップからITに至るバブルの話など、読み物としても面白く読める。◆改訂のポイント 本改訂では、第4章の「21世紀の歴史」に仮想通貨の話題を3項ほど追加したほか(仮想通貨はとんでもないバブル、実体のないいい加減なものと言い放っているが)、前回の改訂で追加した「第11章 「スマート・ベータ」は本当に役立つか」の章をさらに拡充。 スマート・ベータとは、時価総額(TOPIX)や株価(日経平均)のような"単純”な要素にウエイトを置くのではなく、「財務指標」や「株価の変動率」、「配当」など、より"スマート(賢い)”な要素にウエイトを置く考えのことで、日本でもETFや投資信託の拡充で関心が高まっている。本書ではより「リスクパリティ」(それぞれ保有する商品のリスクが均等になる考え)である投資手法を解説のメインに据えている。
感想・レビュー・書評
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株式投資のバイブルと言われている本。
大前提として長期投資(保有3年~)をする人に向けた内容である為、デイトレ、スイング、中期の人にとっては少々退屈な書籍かもしれない。
私自身への戒めも込めて、備忘録とする。
毒舌がクスっとくる。それはちょっとしたオマケみたいなもの。内容は非常に濃く、部分的には難解だった。
ファンダメンタル価値分析派と砂上の楼閣派という大きく2つの投資手法について、細かく解説してくれる。ファンダメンタル価値分析は、株の本来の価値を探求し、砂上の楼閣派は群集心理に重きを置く。つまり、株価の上下予想をどちらの理論で行うか。未だに答えは出ていない。
私個人的には、そもそも互いの見ている時間軸が合っていないので、考えが食い違ってしまうのは当然であり、正解も不正解もないという結論に至っている。
両者共に、未来の株価が上か下かを考えているのであって、どちらも肯定も否定もできてしまう部分があるのだ。
何十年にも渡って説き続けられた答え。それはインデックス・ファンドが最強ということ。同じことが、数多くの書籍に書かれているし、そもそもが歴史が答えを出し続けている。
そう、結局はあれこれ考えるのではなく、インデックス投資して長期ホールドすれば良いということだ。今のところは勝率は100%。本当である。
私自身は、個人投資家としてファンダメンタル価値分析を主体とするが、日々の値動きから勢いを見るし、売りのタイミングはテクニカル的な方法を使うことがある。というのも、私にとって今の株式投資は、刺激的でありすぎることが大きな要因である。
私は反省しなければならない。なぜなら、今の時代はスマホ上で、常に株価の変動が把握でき、数秒で売買が完了してしまう為、日々の値動きから心理的に逃れられずにいるのだ。これではファンダメンタル価値分析の優位性が台無しである。今日の株価、値動き、明日の始値、チャート云々。こんなことを気にしているから短期的な思考に陥ってしまう。
と言うように、私がいかに理論と行動の矛盾を抱えながら株式投資をしているかが解かる。そしていかにその矛盾から逃れられずにいるかが、この本を読んで痛く突き刺さってきたわけだ。私がやっていることなど、ただのギャンブルにすぎないと言われても仕方が無いのである。
ただただ反省。
さすが読まれ続けている本だった。
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投資信託や株式投資について、これを読めば…的な一冊である。
初心者にさっぱりなんのことやらであるが、勉強したことや聞きかじったことが出てきてなんとなく読めるものだ。
玄人のようにはいかずとも、何度か立ち戻り読める本でもあるようで、本格的に投資をしている方でも自分の投資について考えをまとめられると評判。
つみニー、401k、iDeCo、今までのように利息だけでは将来の備えとならない私たちに世界はどう動くのかという勉強になるだろう。 -
投資の教科書ともいえる古典です。
著者はインデックス投資の有用性を45年以上前から唱え、実証してきました。
本書の内容はほぼ常識と化しているので真新しいことはあまりありませんが、王道を直に学べるという意味では是非とも読むべき本だと思います。
真新しいことがあまりないとはいえ、きちんと最新の情報も取り入れて改訂されているので、決して陳腐化しているわけではありません。
また、投資やバブルの歴史にも多くのページが割かれている他、株式以外の資産クラスへの分散の仕方にも触れられています。
株式だけでなく、投資全般の普遍的な知識を網羅的に学べる良書です。 -
個人投資家にはインデックス投資が最強であるというのがこの本の主旨である。
これを裏付けるエビデンス、またアクティブ投資がインデックス投資に劣る理由が本書の8割以上を占めている。
インデックス投資に興味があり、どんなモチベーションで行えば良いかということだけに興味があるかたは後半の14,15章だけを読むことをおすすめする。
これまでの投資の歴史について包括的に学べるといった観点ではとても良い教養本であると言えるが、個人投資家がどのように投資を行なっていけば良いかを学びたい人にとっては少々重荷である。 -
2024/読破
一言 投資するなら脳死でインデックスか、燃える気持ちでウォール街を模索するか。
感想 ファンダメンタル、テクニカルの良い点や悪い点、投資についての考え方が多く載っており勉強になりました。結局、相場は読めないが、全ての要素を含め、自分が取れるリスクと自分の望むリターンを常に考えて、選択し続ける必要があると感じました。
下記は印象に残った点
p168
ファンダメンタル分析を行っても、そもそも株価が正しい方向に行くとは限らないと言うデメリットがある。
株購入時の注意3点
①「成長が期待でき、かつて低PER(株価収益率)の銘柄を探そう。もし成長が実現したら、利益成長と株価収益率の上昇による2重のボーナスが得られるため、大きな利益をもたらす。」
PER=株価収益率
目標株価成長率が20倍
現在の株価収益率が10倍
上記の場合、低PERと考えて良い。
②利益成長率が、今後5年以上にわたって平均市場以上の銘柄を買うこと。
市場平均を知ること、その市場平均を超える株を探すこと、それが最も重要なポイント。
③投資家も、人間のため、投資家にウケが良い銘柄を探す。「受けが良いと言うのは、銘柄についてストーリーがあり、人々の心をつかめそうかどうか」
p257
ポートフォリオのリスクが最も低くなるのは、外国株式18%と、アメリカ株式82%の組み合わせ
p332
バンガード・バリュー・インデックス・ファンド(Vanguard Value Index Fund)は投資 信託。米国大手企業のバリュー株で構成される総合指数
株価形成にはいくつかのパターンが存在する。
・短期的には
「モメンタム」が存在する。モメンタムとは勢い、感性あるいはトレンドのこと。株価が上昇した。翌日も上昇が続く確率の方が下落する確率よりも高い。
モメンタムが発生する理由
①行動ファイナンス理論(投資者たちの感情に基づくもの
② EPS (1株あたり利益)の成長を見通しが予想上回った場合に投資家たちが徐々にその情報を取り込んで、株価を形成していくため。
・長期的には
「リバージョン」が存在する。リバージョンとは、平均への回帰であり、株価が何ヶ月あるいは何年も上昇トレンドをたどると、その後には相場に調整が起こると言うもの。
リスクパリティー運用 -
圧倒的名著。株式投資に取り組むにあたって、必ず読んでおきたい一冊。インデックス投信はフリーライダーの投資スタイル、という一言が本質。また、アクティブ運用は投資ではなく、トレードという考え方も納得。アクティブなトレードによって、市場は効率的になるので、結果、インデックス投資のフリーライドが可能になる。この前提にたつと、基本はインデックスによる長期積立分散投資。そのうえで、短期で明らかなるゆがみを確信してる、自分が詳しい領域がみつかれば、トレードを仕掛けるというのが正しいスタイルだと思った。枝葉ではあるが、仮想通貨に対しての理解は深くない印象で、仮想通貨はもはや通貨という捉え方ではなく、暗号資産として、金との比較による資産と捉えた方がいいと思った。
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大変難しく、時間がかかりました。
株価予想は星占いと同じだそうです。
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名著と言われるだけあって、非常に面白く読める。バブルの歴史やサブプライムローンについても軽く触れていて読みやすい。ただ、もう少し突っ込んで読みたいならば、別の書籍を求める必要がある。あっさりざっくり入門として読むのならば、ウォール街の秀才達が如何に知恵を絞って儲かる手法を編み出しているか知れて面白い。金利が低いならば資金調達コストが安いと見てリスクパリティーを編み出すなど、その時々に最適解を考えつくのには興味深かった。
本書の意図するところでは無いだろうが、米国の免税節税策がかなり多い事にも驚いた。米国では資産の株式に占める割合が多いのはここにも理由がありそうだ。中でも遺産相続の際にインデックスファンドは課税を免れるという文言もあった。ここに昨今の富裕層に流行っている株式を担保に借金をして遺産相続するというスキームが成り立っているようだ。 -
色々聞きかじってきた中で、投資をちゃんと復習するのによい。
分厚いので、12章からサーッと読むのでOK。