荷風流 東京ひとり歩き (楽学ブックス―文学歴史) (楽学ブックス 文学歴史 8)

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  • ジェイティビィパブリッシング
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  • Amazon.co.jp ・本 (144ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784533072932

作品紹介・あらすじ

本書は、荷風に倣ってその足跡をたどりつつ、「ひとり歩き」を実践するヒントを提示するものである。山の手、銀座、浅草、玉の井、深川、市川の6カ所に分け、代表作品と絡めて、街歩きを楽しめる構成にした。

感想・レビュー・書評

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  •  永井荷風の生活スタイルや、ふらふらと出かけた「ひとり歩き」について、多数の写真とともに紹介してあります。

     銀座のカフェのあたりとか、大正〜昭和初期の雰囲気がよく出ていて好きです。
     大正時代のカフェは、サロン的な役割を持っていて、軽く食事をしたり珈琲などを飲んでいるうち知人に出会い、話をするような雰囲気だったそうです。 

     一般庶民が不特定多数行くというような今のスタイルではなく、ある程度のステイタスと財力がないと行けなかった感じでしょうか。

     当時の地図があったり現在の写真があったりで、内容は充実していますが、とても心に残ったのは、荷風の生き方です。

     短い結婚&離婚を繰り返しましたが、全般的に「ひとり」で過ごすことを好んだ荷風、そのスタイルや使っていた道具なども紹介されていました。

     人嫌いな部分。

     スタイリッシュな部分。

     ストリップなど劇場の楽屋によく遊びに行ったり、花柳界に親しむ部分。

     誰とも群れない部分。

     最期はごみためのような部屋でひとり血を吐いて朽ち果てる様子。

     当時としては強烈な個性があったから、注目されたのだろうなとも思いますが、現代に通じる感覚が、とてもあると思いました。

     個人主義の極みのようなものを感じます。

     大正〜昭和初期の雰囲気もよく分かりますし、永井荷風の生き方もよくわかる本でございます。

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著者プロフィール

1922年東京生まれ。作家。東京女子大学卒業。旧文部省、NHK、武蔵野女子大学などに勤務。主な著書に『永井荷風文がたみ』『田端文士村』『本郷菊富士ホテル』『馬込文士村』『一葉のきもの』など多数。

「2019年 『文豪のきもの』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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