35歳までに身につけておくべき プロの経理力

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  • 日本実業出版社
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  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784534045751

感想・レビュー・書評

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  • 時々読む経理マンシリーズ

    35歳でこれだと足りないでしょ…

  • 経理以外の職種の人が読んでもすんなり入ってきます。今後のキャリアを考えるきっかけにもなります。

  • 部署によって使えるところあり、なしが分かれるが、経理の仕事を理解する事が今の自身の仕事を幅を広げていく。

  • 【お気に入りの言葉】
    「なぜ忙しくなるのでしょうか。理由は簡単です。
    やることを減らさないからです。」

  • 中国で仕訳の外注1仕訳8円。これと最近のソフトウェア事情を考えると、日本人から仕訳をきる作業は無くなってしまうのではと思える。働き方を考えないと。

  • 経理初心者の心構えを伝えるには良い本。スタッフにあげようと思う。

  • 経理のキャリアプランニングを示しつつ、普通の経理屋で終わらないためにはどのようなスキルを身に着けていくかを紹介した本。まー経理志望か、経理業務している人以外は見る意味がないかな。

    著者は経理レベルのステップアップとして、①改善力(生産性を高めるスキル,Do)、②分析力(異常値を発見するスキル,Check)、③報告力(伝えるスキル,Action)、④予測力(シミュレーション能力,Plan)を紹介しています。

    分析力、予測力を紹介している本はあまり他になかったので、面白く感じました。

    経理はBSやPLに注目しがちですが、「分析力」のパートではCFの観点も紹介されており、他部門の業務等も知ることができました。おかげで金関連の業務を朝刊でき、自らの立ち位置がわかりました。
    また、単なる増減分析だけでなく、どのように異常に気付くかも紹介しています。
    とりあえず試算表を作ることは、とっとと自動化し、分析とかに力を使いたいものですね。

    「予測力」のパートでは、資金予測をする際に、以下の3つのトレンドが重要としています。
    ①景気変動の動き…例:日経景気指標欄、日銀金融経済月報
    ②景気や地域の動向…例:社外の空気に触れる
    ③会社のライフサイクル…例:会社の創業期、成長期は資金繰が大変だが、安定期、衰退期には資金繰に留意し、周期にあわせて対応することが求められるとのこと

    個人的な見解だが、各パートでやけに会計事務所を活用する例があるのですが、実務では効果的なアイデアがでてこないので、ここまでやる必要がないかと思料。

  • 著者の児玉氏は外資系企業の情報システム部門、監査法人などを経て、児玉税務会計事務所・(株)経理がよくなるを設立。2002年、中小企業を経理作業から解放することを目的として、「経理合理化プロジェクト」を発足。
    また毎年1500社以上が参加する経理セミナーの人気講師としても活躍中。

    ■PDCAサイクルに合わせて会社に貢献する
    Plan 予測力(経営計画・予算編成)
    Do 改善力(コストダウン・スピードアップ)
    Check 分析力(業績確認・異常値検証)
    Action 報告力(業績報告・予実管理)

    ■試算表を作るのではなく利用する
    会社に貢献する経理社員は、経理の強みである会計スキルを、試算表を作る仕事に使うのではなく、アウトプットを分析する仕事に使います。月次試算表がまとまったら、経営者の視点で会社の状態を見るようにします。
    経営者が会社経理で気にしているのは、次の3つです。
    ①儲かっているのか? ②お金は足りているか? ③異常はないか?
    この3つの視点で、月次決算書を分析していくと、企業活動の成果が数字の中から浮かび上がってきます。
    月次はスピードが命です。経営者と現場に企業活動の成果をすぐにフィードバックしなければなりません。分析のスピードを速くするためには、重要なところを絞り込んで見るようにします。
    何を見るのかが決まっていないと、決算書は残高と合計をまとめた単なる集計表で終わってしまいます。問題意識が明確になると数字の意味が見えてくるのです。

    ■会社は毎月お金を生んでいるか?
    損益計算書と貸借対照表で見た内容を、キャッシュフロー計算書を使って、資金的な視点で検証するのです。ここでもポイントを絞り、「営業活動にキャッシュフロー(以下、営業キャッシュフロー)」を中心に見ます。営業キャッシュフローの一番上に「税引前利益」が表示されていますが、この額に、「減価償却費」を足して「償却前利益」を計算します。この償却前利益が、本来の営業活動でいくら資金を稼いだかを表します。
    次に、貸借対照表でチェックした運転資金の増減をキャッシュフロー計算書で見てみます。「売上債権の増減」「仕入債務の増減」の項目を取り出して合計します。通常売上が増加している場合は、この運転資金の増減の合計額がマイナスになります。通常の営業サイクルであれば、売上が増えるとその分だけ売上債権の金額が増えるので、キャッシュフローはマイナス(お金が入ってこない)となります。同様に、在庫が増えれば資金が減少するので、キャッシュフローはマイナスになります。逆に仕入債務が増加すると、支払いを待ってもらっている金額が多くなりますから、キャッシュフローはプラスに作用します。
    つまりキャッシュフロー計算書では、次の2つを見るということです。
    ①損益計算書の利益が「償却前利益」としていくら資金の増加をもたらしているか
    ②貸借対照表の運転資金の増減に資金がいくら食われているか
    会社の営業活動が適性に回っているのかをチェックするのが、経理の月次レベル仕事では最も大切です。

    ■EBITDAが重視される理由
    損益計算書に表示されている5つの利益は、それぞれ重要ですし、収益性を見る経営分析指標も売上高経常利益率をはじめ多くのものがあります。
    その中で、あえて1つに絞るとしたらEBITDA(Earnings Before Interest Taxes Depreciation and Amortization)を見ることをおすすめします。銀行員やアナリストは企業を評価する際に、EBITDAを重要視しているからです。
    EBITDA=営業利益+減価償却費
    この指標は、ひと言でいうと、会社が本業で資金を稼ぐ能力を表しています。減価償却費は資金の支出がない費用ですから、営業利益に減価償却費をプラスした分だけ、キャッシュを生み出せるというわけです。

    ■貸借対照表で目に見えない信用度を見る
    「”財務の安定性”とは、経営がうまくいかなくても、それにもちこたえる体力のことです」
    景気が悪くなったときにもちこたえられるには、十分な蓄えがあるか、他人から助けてもちこたえられるかのどちらかです。企業に信用がないと他人は助けてくれませんから、結局、これまでに蓄積された実績で企業の安定性は評価されます。
    ですから企業の安定性を評価する経営指標の中で見てほしいのが、負債比率なのです。
    負債比率=負債(他人資本)÷純資産(自己資本)
    負債比率と同様のものに、自己資本比率(自己資本÷総資本)があります。比率が変わるだけですから、これを使ってももちろんかまいません。
    いずれにしても、負債比率が100%を上回っている場合は信用度が低下していることを意味します。他人に依存する比率が高いということは、会社の存続が他人に意思に委ねられているからです。

    ■会社がうまく回っているかを表す3要素
    ・総資本利益率(=利益÷総資本 ROA Return On Asset)
    会社が所有している財産をいかに効率よく使って利益を稼いだのかを表している。
    ・売上高利益率(=利益÷売上高)
    効率よく経費を使って利益を残しているかを見ることができる
    ・総資本回転率率(=売上高÷総資本)
    会社の総資本を何回転させてのかを示しています。言い換えれば、企業活動の速度を表しています。

    本書はこのように、経理のスキルをより活かすことができるとあります。
    それは会社のためだけだけでなく、自分のキャリアアップのために必要なこととも書いてあります。
    経理、会計の仕事に従事している人は、ぜひ読んでみてください。

  • ITの発達とアウトソーシングへのシフトにより、事務職が職を失っていく兆候は、何も経理だけに限ったことではなく、日本のあらゆる事務部門で顕著になっていくであろう。著者が繰り返し訴えている予測は、一見すると悲観的な事実に思えてしまうが、実際はそうでもないと思う。
    単調な事務作業が軽減されることにより、その分高付加価値を生み出す仕事(著作の中でいう、改善力・分析力・報告力・予測力を駆使した仕事)に専念することができるようになるのだ。人件費の安さでは中国や新興国に勝ち目がない今において、日本人がこれから注力すべきは、このような、ITや単純労働では代替できない仕事になるであろう。(ただし、従来の事務作業を職として望んできた主婦層などの労働移転先は、考えるべき課題である)

    著者の主張である、改善力・分析力・報告力・予測力は確かに重要であると思った。私見であるが、報告力(数値から読み取れる会社の現状や問題点を経営者等にわかりやすく、納得させるよう伝える力)は経理の人間に特に足りないと思うし、身についていないとせっかくの経理の仕事が非常にもったいないものになってしまうと、自戒もこめて痛感した。他の部門に比べると、どうしても一人で黙々と仕事を進めることが多くなってしまう経理であるが、だからこそそのような能力を身につければ、市場価値も一挙に高まるのではないだろうか。今のうちからでも、自分の将来像を大まかにでも思い描いて、それを実現するためのステップを一つ一つ踏んでいきたい。

  • 「会計力」+「改善力」、「分析力」、「報告力」、「予測力」

    「会計力」を仕訳等に時間をかけない

    「分析力」: PL、BSをグラフ等で視覚化

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著者プロフィール

税理士。(株)経理がよくなる代表。埼玉大学経済学部卒。
企業の税務会計顧問の他、経理業務の効率化、財務体質の改善、経理社員の育成などを中心に活動。講師を務める「経理財務セミナー」には9000社以上が受講。著書『35歳までに身につけておくべきプロの経理力』『「少人数で儲かる経理」はこうつくる』(以上、日本実業出版社)、『会社のお金はどこへ消えた?』(ダイヤモンド社)、『新版ココまでできる経理の合理化』(日本能率協会マネジメントセンター)他。

「2022年 『経理DXのトリセツ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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