やさしい古文書の読み方

著者 :
  • 日本実業出版社
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感想 : 9
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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784534048639

作品紹介・あらすじ

歴史の裏事情がみえる!通説を覆す真実が発見できる!織田信長、坂本龍馬…肉筆の手紙から読み解く知られざる性格庶民の証文からわかる当時の暮らし。はじめての人でも奥深さを楽しめる入門書。

感想・レビュー・書評

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  • 【図書館】
    古文書の読み方というより、古文書から見える当時の社会・人々の暮らしや生活習慣などの歴史的な解説が興味深く、面白く読みました。私から見ると、ミミズが這ったような、さっぱり判らないくずし字ですが、当時は子供も読めたのですから、不思議な思いがします。 この本は、これから古文書の読み方を学ぶ入門書として最適な書だと思います。かつて挫折した古文書教室にまた行きたくなりました。

  • 「売り家と唐様で書く三代目」…落語ではよく知られた川柳だが、(趣味人の非実用的な)「唐様」の逆が「御家流」で「くずし字」の本流、そこから「くずし字」の学習を始めるのが良い。画讃など、是非自ら読み解いてみたいという向きには手本となる良書。
    ちなみに「唐様」は極端に走ると、研究者でも読解困難なのだそうだ。
    楷書とくずし字を比べれば、覚えやすいという意味では、画数も少なく流して良い後者の方が即成学習可能。細かな止めやハネの有無で減点される小中学校の漢字テストのアンチテーゼだ。
    さらに「ゝ」を「候」と読むには「御座候」という3文字をひと組のアイコンとして読み解く、これは漢字カナ混じりという日本語ならではの技法だな、そう感じたところで(大学時代に学んだ)ロシア語の筆記体に思い当たる…本当に見た目は単なる波形だが、ロシア人は読めるのだ。

    「#やさしい古文書の読み方」日本実業出版社、高尾善希著

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  • これも結局杉浦さんつながりなんだが、浮世絵のキャプションなんかがわかったら面白いなあ、と思って手に取る。

    これ一冊読めば古文書がすらすら読めるようになる・・・わけはなくて、学習のサワリや勉強の仕方などを教える本。文例はそれなりに載っているので、繰り返し眺めれば少しはコツがつかめるのかな。

  • 江戸時代の村落に見られる地方文書の類型。 同前。

  • 同じ著者の『歴史好きのための古文書入門』(柏書房)を先に読んだので、引用されている「古文書」以外は、わりとすんなり読めました。引用されている「古文書」を読めるようになるには、時間はかかりそうだけど、読めるようになりたいと思わせてくれる本。両書で、まずはこの一冊とおすすめの『増訂 近世古文書解読字典』(柏書房)を注文してみることにしました。

  • 講義で古文書の読み方を習いはしたが古文書とは、という問いには答えてくれなかった。この本は答えてくれる

  • 結構面白いのだが~序:古文書を読む前に-1:古文書からのメッセージ-歴史を物語る,本物の古文書-(1)信長の珍しい「肉声」-織田信長の自筆感状(2)仮名文字だからこそ意味がある-豊臣秀吉の自筆状(3)気軽に書かれた褒美の証文-徳川家康の自筆証文(4)自由闊達さにあふれた書状-坂本龍馬の自筆書状(5)勝海舟,榎本武揚のために筆をとる-勝海舟の自筆証明書(6)少女の父への心遣い-天才少女の遺言状(7)幕末の混乱を風刺した摺物-瓦版(8)手垢がつくまで愛した本-版本(9)江戸時代の投票用紙-入札(10)悪戯書きからわかる,子どもの勉強風景-手習本(11)金額改竄の痕跡-村入用帳-2:古文書の基礎知識(1)古文書とは何か(2)古文書と史実(3)古文書の残り方(4)古文書のかたちを観察する(5)江戸時代と文字(6)江戸時代に残された古文書の量(7)江戸時代の読み書きの広まり(8)口語体と文語体の違い(9)帰り読みのある古文書(10)字のあれこれ-旧字・異字体・合字・宛字-3:くずし字を読み解く(1)古文書のハードル,くずし字(2)御家流について(3)いろいろなかたちのあるくずし字(4)楷書とくずし字,どちらが憶えやすいか(5)手習本を覗いてみると(6)くずし字の読解に対する考え方(7)くずし字を読むコツは文意にあり(8)固有名詞を読む時にはどうするか(9)くずし字に向き合うには-4:古文書の読み方(1)字典の選び方(2)字形を観察する(3)推測読みのすすめ(4)漢字と平仮名はどう見分けるのか(5)くずし字と楷書の間にあるもの(6)翻刻の仕方(7)字典を使いつぶそう(8)古文書を勉強できるところ(9)古文書を読む時の作法▲古文書との出会い-5:リアルな古文書を読んでみよう(用例集)身近な古文書,地方文書(1)年貢割付状を読む(2)検地状を読む(3)宗門人別帳を読む(4)宗門送り手形を読む(5)通行手形を読む(6)御用留を読む(7)離縁状を読む(8)借金証文を読む(9)奉公人請状を読む-6:古文書の楽しみ方(1)研究をする(2)字むんの祖先は「どのようなひと」か?(3)自分の人生と家の歴史(4)古文書が存在することの意味~1974年千葉県若葉区生まれの文教の非常勤講師。ブームで引っ張りだこ。若い人らしく取っつきやすく書いているのだが,最近本を読むのが苦手になっていてね

  • 前半は古文書と言うよりそれを通じた江戸文化のような話。後半に本番とも言えるくずし字の読み方が出てきます。
    後半だけだと、くずし字を読んでみたいという気持ちが盛り上がりにくそうですが、前半でうまくそこを刺激していて、実用書としてだけでなく、読み物としても楽しい仕上がりです。
    江戸時代の庶民の借金の証文なんかも、後世になれば歴史的資料なわけですが…現代の庶民たる僕らがこうしてハードディスクに溜め込んでいる文の数々は、将来どういう扱いになるのでしょうか。「読み方」の本ですが、「遺し方」のほうが気になりました。

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著者プロフィール

高尾善希(たかお よしき)
1974年千葉県生まれ。立正大学大学院文学研究科史学専攻博士後期課程研究指導修了満期退学。竹内誠(前江戸東京博物館館長)に師事。武蔵野市立武蔵野ふるさと歴史館学芸員(嘱託)、東京都公文書館専門員(非常勤)など経て三重大学准教授。著書に『忍者の末裔 江戸城に勤めた伊賀者たち』(KADOKAWA)など。

「2021年 『新説の日本史』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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