イラスト図解医療機器と検査・治療のしくみ

  • 日本実業出版社
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感想 : 9
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  • Amazon.co.jp ・本 (158ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784534050656

感想・レビュー・書評

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  • 【感想】
    最近仕事に対して謎に勉強熱心でして、またもや自分が働いている医療業界についての書籍を購入。購読しました。
    本著は中でも「医療機器」の分野に特化しておりまして、6年くらい前に発行された本ですが、非常に勉強になりました。
    クラス分類などの復習にもなりましたし、エコーや電気メス、透析装置など数々の医療機器の「仕組み」について、新たに得た知識も多かったかも。
    (読書に時間を割いてしまった分、仕事は疎かになっているので、元も子もないのですが・・・笑)
    そもそも、こんな本ばっか読まずに現場に行けばイイような気がします。
    「書を捨てよ、町に出よう」とはよく言ったモノですね、畳水練ばっかじゃダメだ。

    でもまぁこういう本を読んでいたら何となく能力が上がった気になっちゃうのも仕方ないもので。。。
    自身の直近の数字にはつながりませんが、長くこの業界でメシを食っていくつもりなので、イイ費用対効果になるかと期待しています。(すぐ忘れるけど。)
    前に読んだ、「図解入門 最新病院業界の動向とカラクリがよ~くわかる本」などの業界研究書籍と合わせて、定期的に知識を刷新していけたらな~と思います。


    【内容まとめ】
    1.診療報酬点数と医療機器
    医療機器は薬事法により、人体に与える影響度に応じて以下のように分類されています。
    ・クラスI:一般医療機器「不具合が生じた場合でも人体へのリスクが極めて低い医療機器」→ガーゼ、ピンセットなど
    ・クラスⅡ:管理医療機器「不具合が生じた場合に人体のリスクが比較的低い医療機器」→CT、MRIなど
    ・クラスⅢ:高度管理医療機器「不具合が生じた場合に人体へのリスクが比較的高い医療機器」→透析機、人工呼吸器など
    ・クラスⅣ:高度管理医療機器「患者への侵襲度が高く、不具合が生じた場合に生命の危険に直結する恐れがあるもの」→ペースメーカー、ステントなど

    2.様々な医療機器
    ・「ディスポ製品」:注射器、点滴チューブ、留置針など。→数十銭〜数千円
    ・「鋼製小物」:鑷子、鉗子など。→数千円〜数万円
    ・「インプラントなど」:人工関節、ペースメーカー、血管カテーテルなど。→数十万円〜数百万円
    ・「診断機器」:生化学検査機器、CT、MRIなど。→数百万円〜数億円
    ・「がん治療装置」:リニアック、粒子線治療装置など。→数億円〜数十億円

    3.エコー(超音波診断装置)の仕組み
    エコーは音で身体の中を画像化する機器。
    超音波を生体内に送信したり受信したりする際に、プローブと体表の間に空気の層があると強い反射が起こり、効率的な送受信ができない。
    そのために、ゼリーを体表に塗布して効率よく送受信できるようにする。

    ・エコーの短所
    超音波は骨や空気が存在すると、そこで反射してしまってその先にある臓器を確認できなくなる。
    肺などの空気を含んだ臓器や、骨髄内部の観察には適していない。
    また、超音波は脂肪で減衰・散乱しやすいため、体格の良い患者では深部臓器の観察が困難な場合もある。

    4.電気メスの仕組み
    高周波で高電圧の電気を患部などの組織に当てることで、切開や止血ができる医療機器。
    組織を切り開く「切開モード」と、組織を凝固させ止血する「止血モード」の2つに大きく分けられる。
    電気メスは高電圧の電気が体に流れるが、高周波電気であれば身体に悪影響をもたらさない特性があり、感電しない。
    通常は電気の逃げ道として対極板を太腿などに貼る。

    5.透析装置の仕組み
    ダイアライザーを用いて血液浄化を行う機器。腎機能が低下したときに用いる。
    腎臓は尿素窒素など老廃物の排泄や、水分バランスの調節を行なう。

    腎機能が著しく低下すると尿素窒素濃度や水分量が上がり、尿毒症や浮腫を引き起こす。
    そこで血液を透析器(ダイアライザー)を介して透析液に接触させ、拡散及び限外濾過の原理により老廃物や過剰な水分を除去するのが透析装置の役割。
    (1回あたり4時間の治療を週3回)

    6.医療機器の購入は投資活動、リスクとリターンも考えて。
    ヒトとモノ、情報などの経営資源を活用することで、医療の質を向上させ、患者数の増加を見込めるものであるべき!
    導入するにあたり、結果が「医療」に貢献するのか、「収入」に貢献するのか、精査する必要あり。


    【引用】
    医療機器と検査・治療のしくみ


    p18
    医療機器は、主に検査に使用される機器と、治療に使用される機器に分かれています。
    近年では治療の迅速化のため、検査を行なったその場で治療をすることができる、「診断と治療の双方を一度に行うことのできる機器」も登場しています。


    p18
    内視鏡が他の医療機器と比較して優れている点は、直接人体内部を観察できること。


    p28
    ・診療報酬点数と医療機器
    医療機器は薬事法により、人体に与える影響度に応じて以下のように分類されています。
    ・クラスI 一般医療機器「不具合が生じた場合でも人体へのリスクが極めて低い医療機器」
    →ガーゼ、ピンセットなど

    ・クラスⅡ 管理医療機器「不具合が生じた場合に人体のリスクが比較的低い医療機器」
    →CT、MRIなど

    ・クラスⅢ 高度管理医療機器「不具合が生じた場合に人体へのリスクが比較的高い医療機器」
    →透析機、人工呼吸器など

    ・クラスⅣ 高度管理医療機器「患者への侵襲度が高く、不具合が生じた場合に生命の危険に直結する恐れがあるもの」
    →ペースメーカー、ステントなど


    p32
    ・様々な医療機器
    「ディスポ製品」
    注射器、点滴チューブ、留置針など
    →数十銭〜数千円

    「鋼製小物」
    鑷子、鉗子など
    →数千円〜数万円

    「インプラントなど」
    人工関節、ペースメーカー、血管カテーテルなど
    数十万円〜数百万円

    「診断機器」
    生化学検査機器、CT、MRIなど
    数百万円〜数億円

    「がん治療装置」
    リニアック、粒子線治療装置など
    数億円〜数十億円


    p72
    ・エコー(超音波診断装置)の仕組み
    →エコーは音で身体の中を画像化する機器。
    超音波を生体内に送信したり受信したりする際に、プローブと体表の間に空気の層があると強い反射が起こり、効率的な送受信ができない。
    そのために、ゼリーを体表に塗布して効率よく送受信できるようにする。

    ・エコーの短所
    超音波は骨や空気が存在すると、そこで反射してしまってその先にある臓器を確認できなくなる。
    肺などの空気を含んだ臓器や、骨髄内部の観察には適していない。
    また、超音波は脂肪で減衰・散乱しやすいため、体格の良い患者では深部臓器の観察が困難な場合もある。


    p78
    ・電気メスの仕組み
    高周波で高電圧の電気を患部などの組織に当てることで、切開や止血ができる医療機器が電気メスです。
    機能として、組織を切り開く「切開モード」と、組織を凝固させ止血する「止血モード」の2つに大きく分けられる。
    電気メスは高電圧の電気が体に流れるが、高周波電気であれば身体に悪影響をもたらさない特性があり、感電しない。
    通常は電気の逃げ道として対極板を太腿などに貼る。


    p80
    ・VNSシステム(迷走神経刺激装置)の仕組み
    →迷走神経を刺激して、てんかんの発作頻度と強度を低減させる植え込み型電気刺激装置。


    p82
    ・透析装置の仕組み
    →ダイアライザーを用いて血液浄化を行う機器。腎機能が低下したときに用いる。
    腎臓は尿素窒素など老廃物の排泄や、水分バランスの調節を行なっています。
    腎機能が著しく低下すると尿素窒素濃度や水分量が上がり、尿毒症や浮腫を引き起こします。
    そこで、血液を透析器(ダイアライザー)を介して透析液に接触させ、拡散及び限外濾過の原理により老廃物や過剰な水分を除去するのが透析装置です。
    (1回あたり4時間の治療を週3回)


    p152
    ・医療機器の購入は投資活動、リスクとリターンも考えて。
    ヒトとモノ、情報などの経営資源を活用することで、医療の質を向上させ、患者数の増加を見込めるものであるべき!
    導入するにあたり、結果が「医療」に貢献するのか、「収入」に貢献するのか、精査する必要あり。

  • 医療機器について一般向けの解説書。
    科学技術の進歩はすごい。

  • 各医療機器についてざっくりした解説がなされている。ページ数が少ないため、専門用語が突然現れて戸惑ったりするため、真面目に読むと苦労する。

  • MRI だったり、心電図だったり、それぞれの医療機器について、
    どういった仕組みで動いているのかを2ページずつで書いてあり、
    医療機器を幅広く知るうえで勉強になった。
    また、最後のあたりは病院経営の関連しての医療機器の話題が
    あって、このあたりの視点は単純に性能だけで医療機器を
    購入するわけではない様々な要因を少し垣間見ることができた。

  • 業務理解用として。

  • 内容が浅い
    次に何を見れば良いかを導いて欲しかった

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