その言葉だと何も言っていないのと同じです!

著者 :
  • 日本実業出版社
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本棚登録 : 179
感想 : 17
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  • Amazon.co.jp ・本 (230ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784534051516

感想・レビュー・書評

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  • この本の主張を乱暴にまとめると「考えて話せ」ということ。。
    常套句や決まり文句・クリシェ(本文中ではマジックワード)にハマるり思考停止になり、論旨の流れ(ロジック)がブレブレになってしまう。

    それはその通りなのだけれども、そういったマジックワードには空気を共有させるという魔法も思う。「アレはアレなのだ」というスチャダランゲージ的なアレだ。
    本書のように話している言葉一つ一つの意味を逐語的に確かめていたのでは"空気"を壊して煙たがれるだろう。そうなってしまっては「伝わる」「伝わらない」どころの話ではなくて、コミュニケーション自体もとれなくなってしまう。蓮舫が「二番ではダメなのですか」と事業仕分けしたのはまだ記憶に残っているけれど、多くの人に嫌われたのは(例えばスーパーコンピューターは世界一を目指しても完成時にはスペック落ちとなっているような日進月歩の世界であることがわかっていないというような憤りではなく)、ネチネチと言葉尻を取るような態度にあったと思うし。

    読んでいて思ったのは本書で扱われている人はTwitterで散見できるなということ。特段にフォローしている◯◯というわけではなくRTでまわってくる(晒されている?)人々のことである。

    例えば"どっちもどっちという相対主義は不都合な事態を放置し、正当化する思考の怠けである"(P.147)というのはしばき隊、C.R.A.Cの野間氏が予てより繰り返していることでもあるし。

  • もっと議論しようは意見ではない
    相対主義は不都合な事態を放置し、正当化してしまう
    まず言葉を定義する
    論理展開とは言い換えであり、最初に述べた理由を詳しく分かりやすく言い換えていき、自分の言いたい結論につなげること

  • チェック項目6箇所。この本は「すごく意味がありそうなのに、よく考えるとわからなくなる言葉」について書いた。「もっと議論をすべき」というのは「頑張れ、もっとやれ」というようなもので、はやし立てたり、野次馬になったりするに等しい、もう、議論はすでにはじまっているのだから、大切なのは、そこにどう自分が関わるかだろう、その作業をしないで「もっと議論をしようよ」と言っても脱力するばかりだ。「人の話を聴いていない」は「自分の話を聞いていない」だし、「みんな言っている」は「私が言っている」しか意味しない、自分の主観を客観のように装う手口なのだ見え透いた手口とはいえ、言われたほうの気分は確実に悪くなる。「常識」はいつも政治的である。動機が善意であるだけでは、必ずしも問題解決にはつながらない、大切なのは、実際に事態をよくするかどうかだ、そのためには、問題を具体的に解決する方法を考えるべきであって、自分の気持ちを基準にすべきではないのである。見通しなしで「できること」からはじめても、見当違いに終わる確率は高い、できることではなくて、むしろ「結果に結びつく」手段を慎重に選び出すことから、はじめなければならないのだ。

  • 分かったような、分からない言い回し、日本に多いような気がします。はっきり言わずに言外に悟ってくれよ、という日本人の文化、相手の意見を真っ向から否定したりしない気遣いなのかもしれません。
    「悩ましい問題である」「みんながそう言ってるよ」「一人ひとりができることをする」 言葉としてはどこもおかしいところはないですが、確かにそれで結局はどういうことなのか伝わりにくいですよね。活発に見えた議論も“マジック・ワード”の応酬で、結局スタート地点のままだったということはよくあることかもと笑ってしまいました。

  • 少しなるほどと思うところもありましたが、自分に無関係かな?と思われるような箇所も沢山ありました。

    特にメディアのマジックワードは自分には関係ないかな。

    あとは、この本は管理職の方に読んでいただきたいと感じました。
    反面教師的に自身の上司に言われtことなどを照らし合わせて自分ならどうするかを学ぶ事もできました。

  • 発想は面白いが表現が面白くない。
    真面目に書いているのだろうが、ジョーク本にしたほうが売れたと思う。会社で上のほうに行けば行くほどこういった言葉が飛び交っているのは何故なのだろうか、本書ではそこまで突っ込む事はないが興味深い。
    失敗の本質などで扱われるように日本の組織ではコミニケーションに難があることが多い。本書ではそこに突っ込めず、ただ淡々と列挙している。処方箋に関してもおそらく本社の最初に出てくるような言葉を使っている人たちにそのような事は伝わらないと思う。
    やはり、ジョーク本にするべきだった。「会議でスマートに見せる100の方法」のように出来ればバズったかもしれない。編集者の力量不足。

    本書は小泉Jr.に送りたいジョーク本である。買う価値はない。

  • 読んで楽しいはぐらかし大全。
    プチ・ノマドによる解説は、説得力が足りないものも混じっている。

  • マジックワードについてなんやかや解説していて、中にはかなり無理して書いた感が漂うもののあるけれど、中には「このテーマだけで本一冊書けるんじゃないか」ってなものもある。
    著者のこれまでの著作と重なっていない内容がそれなりにあったので、非常に勉強になった。文体は相変わらず怜悧でシャープ。ああ、こういう文章を書きたい。

  • マジックワードを使わないようにって話だけど、この本自体がマジックワードを連発しているような、そんな気がする。

  • 全体的に整理されていない感じで読みにくい。読んでいて途中でわからなくなってきたんだけど、つまりは紋切り型の適当な言葉を使わずに、自分で考えた、根拠のある生きた言葉を使えということなのかな。

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著者プロフィール

吉岡 友治(よしおか・ゆうじ):1954年宮城県仙台市生まれ。東京大学文学部社会学科卒、シカゴ大学人文学科修士課程修了、比較文学・演劇理論専攻。代々木ゼミナール講師を経て、現在、インターネット講座「VOCABOW 小論術」校長。ロースクール・MBA志望者などを対象に文章、論理の指導を行うほか、企業でもライティング指導を行っている。著書に『東大入試に学ぶロジカルライティング』(ちくま新書)、『だまされない〈議論力〉』(講談社現代新書)、『いい文章には型がある』(PHP新書)、『その言葉だと何も言っていないのと同じです!』(日本実業出版社)『「眼力」をつける読書術』(東洋経済新報社)など多数。著者HPhttp://www.vocabow.com/

「2021年 『ヴィジュアルを読みとく技術』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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