- Amazon.co.jp ・本
- / ISBN・EAN: 9784534051622
作品紹介・あらすじ
小規模で実績もなく、銀行等からの融資を受けにくい起業家やベンチャー経営者を中心に、ウェブを活用した新しい資金調達手法として注目されるクラウドファンディングの日本初の入門書。
感想・レビュー・書評
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資金調達の手段の1つであるクラウドファンディング。
言葉では聞いていたが、実際どんな仕組みなのか分からなかったので、
興味本位で購入してみました。
入門とタイトルの頭に記載されているだけあって、
非常に分かりやすかった。
海外の事例も多く記載されていて、その点も良い。
簡単にいうと、クラウドファンディングとは、
「インターネットを利用して不特定多数から出資してもらう」
ことである。
もちろん、見返りが無いと出資しないので、
見返りがあることが大前提ですが。
見返りが出資者に取って価値の高いものであると感じたら、
出資してもらえるというわけです。
事例では有名な企業も紹介されていたが、
著書にもあるように、中小企業・ベンチャー向けの
資金調達の手段であるべきかなと思った。
特にコンシューマー向けの製品開発を手がける企業にとっては、
資金調達の1つとして利用することもありだと思う。
【勉強になったこと】
・クラウドファンディングはリワード(リターン、特典)で
以下の5つに分類される。
寄付型、購入型、株式型、融資型、投資型
一番受け入れられやすいのは購入型。
出来上がったサービス、製品を出資者にリターンする。
・クラウドファンディングの流れ
①プラットフォームを決める
②プラットフォームに企画を送る
③キャンペーンの詳細を決める
④キャンペーン開始
⑤キャンペーン終了と調達額の振込
⑥資金提供者へリワードの送付
・第3次以降のつながりが成否を分ける
つまり友人の友人のそのまた知人、
感情的なつながりが無い赤の他人に、
どれだけ企画に納得してもらえ出資してもらえるかが、
資金調達成功の鍵である。
感情的なつながりが無い場合、出資判断は合理性のみとなるため、
本当に価値があると確信しないと出資しないからだ。
逆にいうと、第3次以降の信頼を勝ち得ることが、
世の中にウケるサービス・製品とも言える。
・出資するきっかけは大きく以下3つ
リワードが欲しいという心理
仲間になりたいという心理
誰かに自慢したいという心理
この3つの心理を突いて、欲しいと思ってもらうことが大切。
特に、自慢したいという心理を突くことで、
SNS等での情報拡散が期待出来る。
・最も重要なのは「最初のフォロワー」
・チャップリンの言葉
人生に必要なものは「勇気」と「想像力」
そして少々のお金詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
クラウドファンディングとは何か がわかる
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・贈り物を受け取る事で「借り」ができる。
贈与者は「貸し」を「特別な関係を築いてくれる」ことをもって回収しようとする。
・贈与を受ける者がそれを拒否した時、、
特別な人間関係を築くことの拒否を意味する。それは、寂しさ、恨み、憎悪、敵意まで、人によって感じ方は違えどマイナスに変わりない
・リターン(リワード)を送り終えたところで取引の終了を示すものであってはならない。贈与側はその後もずっと、特別な関係を築くことを求めているからだ
・贈与=無償の贈り物、ではない。資金提供者に対し永久的な負債を抱える覚悟があるか。このことはクラウドファンディングにおいて決して忘れてはいけないことだ。 -
あぁ、なるほど。crowdfundingってそういうことかと合点が行く。資金調達方法の一つではあるが、従来のそれとはかなり違うし、それだけでもない。でも、全部のプロジェクトがファンディングに成功するわけではなく、crowdの共感を得られるかどうかが問題なんだな。これ、ふるさと納税もこの一種だね。
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レビュー省略
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クラウドファンディングとはなにか、従来の資金調達とは何が違うのか、といった基本的なことをはじめ、主に購入型クラウドファンディング(Kickstarterなど)をはじめとした海外のプロジェクト事例の紹介や、成功の秘訣など
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クラウドファンディングを使う予定は全くないのだけれども、ちょっと気になってはいるので読んでみた。自分も資金提供社側で参加してみようかなと少し思った。購入型だといろいろメリットもあるらしい。500円でお礼のメールだけってどうなのと思わなくもないけど、まあかなりの少額だしそんなもんなのかもしれない。
なお、クラウドファンディングは調達者側視点で見ると一種のゲーミフィケーションらしい。目的を決めてルールを決めてゲームを初めて目標に向かって努力し、ゲームを終える。という流れになっているそう。ゲーミフィケーションってやっぱり大事なんだなぁ。
クラウドファンディングという言葉は2006年に登場したらしい。そういや、クラウドコンピューティングという言葉も2006年に登場したんじゃなかったかな。ちなみに、クラウドファンディングのクラウドはcrowd(群衆)、クラウドコンピューティングのクラウドはcloud(雲)という意味なので、それぞれのクラウドは違う意味です。ややこしい。
クラウドファンディングはアジアよりオセアニアのほうが市場規模が大きいらしい。人口でいったら圧倒的にアジアのほうが多いのに・・・と思ったら、世界最大のキックスターターが資金調達の応募資格をオーストラリアやニュージーランドにも広げてるそうだけど、日本などのアジアはまだらしい。あれ? でも日本発のプロジェクトで資金調達してる例はあったような。ただたんに、日本語版がないということだろうか。それと、クラウドファンディングの種類は株式型・購入型・融資型・投資型・寄付型の5種類があるそうなのだけれど、オーストラリアは法的に5種類とも認められてるのが大きそう。その種類と国の法整備の対応表に日本が載ってないのだけど、アメリカでは株式型と融資型はできないらしい。日本では購入型と寄付型がOKで株式型もOKになるそう。他の2つはよく分からない。
この本を読んで、『humble brag』という言葉を初めて知った。謙虚しているようで自慢していることをいうらしい。最近よく聞く、自虐風自慢みたいなものか。
後、過去にクラウドファンディングで起きた詐欺目当てのプロジェクトの例に『神戸牛100%の美味しいビーフジャーキー製造・販売プロジェクト』というものがあった(https://www.kickstarter.com/projects/kobered/kobe-red-100-japanese-beer-fed-kobe-beef-jerky/)。そんなに人気なのか神戸牛って。こないだもヨーロッパで『KOBE』と名前のブランドの海外産の肉が売られているというニュースがあって、神戸ビーフの懸念材料とのことだけど。 -
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著者プロフィール
山本純子の作品





