「納品」をなくせばうまくいく

著者 :
  • 日本実業出版社
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本棚登録 : 445
レビュー : 58
  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784534051943

感想・レビュー・書評

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  • ソフトウェア受託開発の人月ビジネスに疑問を抱いた筆者が、「納品の無い受託開発」という新しい形に挑戦している姿を書いた本。
    理念と行動は悪く無いと思う一方で、ビジネスとしては限定的になってしまうかなとも感じた。

    さくっと読める一冊。


    メモ

    自分達のポリシーに合わない仕事をしない、会社とお付き合いしない。
    一部参考になる部分はある。
    確かに人月ビジネスは違和感と変な部分は多々ある。その常識に真っ向勝負するのは素直にカッコいいと思う。
    がしかし、まだまだ理解はされないし、スケールは難しいだろうから、中々業界を変えるまでは時間が掛かるだろう。
    納品が無い分、チームになりやすく、最終的に良いプロダクトになる確率は高まるかとも思う。

    ソフトウェアを「所有」から「利用」への考え方のパラダイムシフトという考えはとても良い

    ワークレビューは面白い考え方。

  • 株式会社ソニックガーデンで実際に行われている
    「納品のない受託開発」という新たな開発スタイルに関して、
    ・どんなものか説明
    ・どのような利点があるか
    ・既存の受託開発の問題点
    ・自社の枠に留まらない「納品のない受託開発」の展望
    などについてまとめてあります。

    従来のウォーターフォール・人月見積もりなど問題点の多くある
    業界では、未だにそういった状況を抜けだせていない現場が多い。

    アジャイルな手法を導入してみるものの失敗したりしている現場もあるが、
    非効率な商慣習の縛りをそのままにアジャイルの手法を導入しているため、
    うまくいかなかったり・・・。

    そんなケースが多い中、「納品のない受託開発」では顧客との取引方法を
    根本的に変え・取引相手も開発スタイルに適した相手に絞ることで、
    アジャイル・スクラムなど有効とされる開発手法を徹底的に導入して
    システム開発会社・エンジニア・顧客全てがWin✕Winになります。

    紹介されている各トピックは、勉強熱心なエンジニアの方ならどこかで
    聞いたことのある内容が多いと思います。
    しかし、色々と既存の制約に縛られがちな日本の受託システム開発において、
    これらのトピックを有効活用し、実運用に活かせるように適用する方法を考え、
    実際に事業を回していることにこそ、この手法の価値があるのだと思います。

    システム開発に関わるものであれば、
    読んで何かしらを得られる良書だと思います。

  • ソフト開発を月額定額制料金にして、納品なし顧客のパートナーになるというソフトウェア開発会社。
    ソフト開発者の理想の形かと。

  • ”ソニックガーデン 倉貫義人さんが「納品のない受託開発」というモデルを開拓していったいきさつが語られている一冊。

    「人は基本的に一所懸命に働くことが好きなんだ」という性善説にたち、顧客と社員の両方の幸せをめざす経営。すばらしい。

    2017/9/15 eLVイベントに向けて積読棚からひっぱりだした。

    <キーフレーズ>
    ・納品のない受託開発
    ・顧問エンジニア
    ・「所有」から「利用」 & 「完成」から「持続」
    ・「なぜなぜ」でなく「そもそも」
    ・社員の幸せ

    <抜き書き>
    ・月額定額の受託開発
     月額定額でできる範囲で何でもするというスタイルは、他の業界で言えば顧問弁護士や顧問税理士のような「顧問」の形態に近いと思ってください。顧問エンジニアです。(p.37)
     ※顧問コミュマネも!?
    ・思いついたことを言っても、すぐに見積もりとか提案書になるのではなく、それが本当に必要化どうかを問い直してもらえるので、逆に何でも気軽に言えるようになった(p.64)
     ※顧客の声。ここに価値あり!
    ・「所有する」から「利用する」という考え方に変える(p.144)
    ・「完成する」から「持続する」ことへの考え方の転換(p.145)
    ・「YAGNI(ヤグニ)でいこう」(p.149)
     You Aren’t Gonna to Need It.(そんなの必要ないよ) ※to いる?
    ・人を信頼し、中心におく経営(p.166)
     ※マネジメントしない会社=自分のことは自分でマネジメントする
    ★顧客と、働く社員の両方を幸せにするための仕組みが会社だ(p.185)
     ※「受託開発の時間」と「新規事業や新しいことに取り組む時間」
      受託で稼ぐ部署、新規事業に取り組む部署 で分ける=お互いやりにくい気持ちが働く(!)
     →部署(あるいは人)で分けずに、働く人のそれぞれの時間のなかで分けることにした
      

    ・毎週の打合せも、先方に来社してもらうか、インターネットのテレビ会議を使って行います(p.185)
     ※この話、TXで聞いてもらったら、どんなことがおきるだろう?
    ・「ナレッジワーカー(知識労働者)」とは、一言で言えば「マニュアル化できない仕事をする人」のことです。(p.194)
     ※いい定義!
    ・ワークレビューの進め方(p.196)
     進行としては、KPTのKとPを、レビューされる側(=レビューイ)がまず一人で出します。出揃った段階で、レビューする側(=レビューア)とともに内容の確認をします。(略)
     レビューイとレビューアの考え方のズレを確認し、改善点を探り、一緒に「Try」を考えます。
     ※これぞ、KPT!
    ★「なぜなぜ」を追求するのでなく「そもそも」から考えることが大事です。(略)
     知識労働において圧倒的な効果を出すためには、「何をやらないか」を決めることが大切です。そのためには、課題に対して「なぜなぜ」を繰り返しても答えは出ません。「そもそも」の目的を考えることが大事で、そこから問題をショートカットで解決できるアイデアが出てくることがあります。(P.198)
    ・「ベストエフォート経営」で社員の幸せを大事にする(P.218)
     ※目的は重要。目標は不要。
    ★人は基本的に一所懸命に働くことが好きなんだと思います。(p.221)
    ・目指すはオーナーシェフ
     (略)
     私たちの会社では「35歳定年制度」を作ろうかと考えています。エンジニアは、35歳で定年してサラリーマンを卒業し、のれん分けで独立して自らの会社を持つ、というものです。
     ※高齢化への対策、普及への道筋
    ・ギルド=「納品のない受託開発」をオープン化(p.225)
    ★「納品のない受託開発」を広めたいという背景には、ソフトウェアやプログラミングの仕事は本来楽しいもので、それをもっと多くの人に知ってもらいたいし、そのためにできる現実的な解決としてのビジネスモデルを提供したい、という想いがあるからです。(p.229)
     ※これ、すばらしいな。
      そして、俺がCMCHUBに関わるのもこれなんだよね。
      「コミュマネの心折れ問題をなんとかしたい」とはちがい、「コミュマネという楽しい仕事を広めたい」ということなんだよな。

    <きっかけ>
     ?”

  • スタートアップの会社には
    ・新規事業の要件が煮詰まり切っていなくても明確な事業方針があれば開発に着手でき、
    ・進めながら変わっていかれる
    ・スタートアップの会社がこだわりたい見せ方は、顧客側で作る(一緒に作り上げる)
    ・月額設定なので事業計画も立てやすい
    といった面で魅力的。

  • 2019年1月30日読了。ITにおける「納品のない受託開発」を行う会社・ソニックガーデンを創業した著者によるこの新しい形の働き方の解説。「顧問弁護士などに近い関わり方」という表現はわかりやすい。確かに、営業が完璧な見積もり・提案をする必要があり、開発者にも変更を許さない厳密なスコープ管理が求められ、また発注側にも数年先のビジネス環境を正確に見通しての発注が求められる現在の大型SI開発の仕組みって、誰も幸せにならない仕組み・大企業にとって数字が立ちやすい、というくらいしかいいところがないものなのかもしれない…。「誰でもこの働き方ができるわけではない」と断られておりそれはその通り、「PM」という職種も所詮細かく分業された大型SI開発の隙間に生まれたものであり、「納品のない受託開発」においては不要とみなされるものなのだろうか…。

  • 5年ほど前の本なので知っている内容がほとんどだったが、ビジネスモデルとして実践しているという点でとても参考になった。

  • これまでのソフトウェア開発の狭間を埋める、納品のない開発。所有ではなく、利用に焦点を絞って、毎月定額で、ソフトウェア開発サービスを提供するという感じか?成果に焦点を当てるという非常に意欲的な取り組み。取り回しの良い小規模企業でないとなかなか上手く行かなそうだが、ギルドという仕組みで、フリーランスやそれ以外の共感する人々を取り込んで行こうという発想は素晴らしいと思う。

    以下注目点

    ・本当に必要な機能を本当に必要な順番に少しずつ開発していく
    ・デフェンシブな開発からアグレッシブな開発へ。
    ・オーダメイド、納品しない、派遣しない。
    ・開発と運用を担当
    ・完成責任は請け負わない代わりに、圧倒的な費用対効果を提供する
    ・専門性の高い職種に対して、他の社員と同じ扱いはできない。
    ・プロフェッショナルサービス
    ・新規事業と要件定義の相性は最悪
    ・一ヶ月から3ヶ月程度で開発できる機能で、はやめに運用に入る。
    ・作らない提案。思いつき程度の機能は、すぐには作らない。
    ・納品ではないので、瑕疵担保責任は負わない。
    ・ドキュメント読み終わった、訪問読み終わった、納期や完成品の約束読み終わった。
    ・要件を定義するのではなく、事業の目的を共有する。
    ・顧客が動作確認できるレベルで作業を切り出す。
    ・なぜその機能が必要なのか
    ・所有から利用へ、完成から持続へ
    ・本当に必要になるまで、予想で作ったりするのはやめよう。
    ・資料を残さない代わりに、コードを読みやすくすることにこだわっている。
    ・KPT keep, problem, try
    ・そもそもを考え、何をやらないかを決める。

  • http://naokis.doorblog.jp/archives/sonic_garden_kuranuki.html【書評】『「納品」をなくせばうまくいく』〜ソニックガーデンはIT業界変革の先駆企業

    <目次>
    はじめに
    1章 常識をくつがえす「納品のない受託開発」とは
    2章 時代が「納品のない受託開発」を求めている
    3章 顧客から見た「納品のない受託開発」の進め方
    4章 事例に見る「納品のない受託開発」
    5章 「納品のない受託開発」を支える技術とマネジメント
    6章 エンジニアがナレッジワーカーになる日
    7章 「納品のない受託開発」をオープン化する
    おわりに

    2014.07.25 Pachiさんのブログで見つける。
    2014.07.28 予約
    2014.12.26 読書開始
    2015.01.08 読了

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著者プロフィール

株式会社ソニックガーデン代表取締役
大学院を修了後、大手システム会社でエンジニアとしてキャリアを積みつつ「アジャイル開発」を日本に広げる活動を続ける。自ら立ち上げた社内ベンチャーを、2011年にMBOし、株式会社ソニックガーデンを創業。月額定額&成果契約という「納品のない受託開発」を展開し、注目を集める。新しいワークスタイルにも取り組み、リモートワークを実践し、そのノウハウも発信し続けている。
著書に『管理ゼロで成果はあがる 「見直す・なくす・やめる」で組織を変えよう』(技術評論社)、『「納品」をなくせばうまくいく』、『リモートチームでうまくいく』(ともに日本実業出版社)がある。

「2019年 『ザッソウ 結果を出すチームの習慣』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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