本を読む人だけが手にするもの

著者 :
  • 日本実業出版社
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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784534053176

感想・レビュー・書評

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  • 私は今まで正解のない問題について考えることが苦手でしたし、白黒はっきりさせないとなんとなく気持ち悪く感じていました。
    またテレビで言っていたこと、ネットで書かれていたことなどを鵜呑みにする傾向もありました。
    まさに本書でいう「20世紀型」の人間です。
    しかし21世紀で幸せを感じるためにはそれではいけないとのこと。

    それでは何をすればいいのか。
    それが本書のテーマである「読書をすること」です。
    教養を身につけ、自分の意見をしっかり持つ必要があるとのこと。

    今までも読書することは好きでしたが、自己啓発書やハウツー本の類が多く、あまり考えることをせずに読書していました。
    そして小難しい本は避けていました。
    それでは自分の意見をもつための読書としては物足りません。
    今後はできるだけ今まで避けていた分野の本にも挑戦して視野を広げ、「考える読書」もしていきたいと思います。

    • nejidonさん
      はじめまして♪
      フォローとお気に入り、ありがとうございます。
      この本は、読みたいと思いながらずっと未読のままの一冊です。
      レビューを読...
      はじめまして♪
      フォローとお気に入り、ありがとうございます。
      この本は、読みたいと思いながらずっと未読のままの一冊です。
      レビューを読んで、やはり読まなくちゃと思い直しました。
      リフォローさせていただきますね。どうぞよろしく。
      2017/10/20
    • ユラさん
      nejidonさん、
      いいねとフォローありがとうございます。
      これからよろしくお願いします。

      この本にはブックガイドがついているので、そこ...
      nejidonさん、
      いいねとフォローありがとうございます。
      これからよろしくお願いします。

      この本にはブックガイドがついているので、そこからまた次の読書に繋がりますよ。
      お互い「読書の秋」を満喫しましょう。
      2017/10/20
  • なぜ本を読むといいのか、について考える本。

    この問いに対する筆者の答えは、これから先の日本では身分や資産の違いによる階級社会ではなく、本を読む習慣がある人か否かに二分される「階級社会」が来るから、というもの。

    具体的には、これまで幸福とされてきた人生は今後破綻するので、それぞれ一人一人が自分なりのオリジナル幸福論を編集し直し、生き抜くことが必要である。その編集作業には読書に裏づけされた知識が必要である、とのことである。

    何が幸せかを自分で定義するために、読書を通じて色々な人、モノの視点から巨大なロールプレイを楽しむことで自分の幸福論を獲得する。

    筆者曰く、乱読がおすすめとのことなので、色々なジャンルの本を読み続けたいと思います。

  • 巻末に著者のオススメの本が紹介されており、参考になった。本書中に、「興味がなくても世の中で話題の本はとりあえず目を通す」と書かれていた。
    知識や思考の偏りを防ぎ、流行りを知ることで世の中の空気を感じ取れる。本を読むと、そこから関連する本をさらに読みたくなり、知識がさらに広がっていく。
    昨今、本を読む学生が少ないそうだが、読書習慣の大切さに気づくきっかけに、こちらの本をお勧めする。


    p.132
    「ジグソーパズル型思考」
    ・情報処理力
    ・早くやり遂げる力、速さ勝負
    ・ピースを置く場所は決まっている、
     正解は1つ
    (従来の受験テスト方法)

    「レゴ型思考」
    ・情報編集力
    ・知識や技術を組み合わせて、
     納得解を導き出す力
    ・組み合わせや答えは無限
    ・アタマの柔らかさが必要
    (教育改革、思考力強化。採点者のスキル必要)

  • ビジネス書のコーナーを見ているときにタイトルが気になって読んでみました。

    読書とは「他人の脳のかけら」を自分の脳につなげること、という言葉がわかりやすかったです。
    そのつなげるということが楽しくて、私は本を読んでいるのだろうな、と思います。

    また、著者が民間出身の公立中学校校長を務められたときに、学校図書館改革に乗り出した話題にも少し触れられていて、おもしろかったです。
    埃の積もった古い本を思い切って捨てることが成功につながった好例だと思います。
    そのほかにも教育現場で行った「よのなか科」の授業や読書新聞の取り組みなど、著者が読書を通して大切だと感じたことを実践されている行動力に刺激をもらいました。

    著者おすすめのブックリストとともに、同じ著者の本をもう少し読んでみたいと思いました。

  • 本が好きな人の心をいい具合にくすぐる本であるという事が一つ。そしてこの本を読む人は、本を読む人なのか読まない人なのかという事が一つ。
    本を読む効用を知りたいが為に、本を読まない人が手にする本ではないというのが僕の結論であります。
    自分自身これだけ馬鹿みたいに本ばっかり読んでいるので何とも言えませんが、本を読まなくても出来る人は出来るし出来ない人は出来ない。身の回りにいる人で本を常に読んでいると思われる人はそれほどいませんが、仕事が出来る出来ないとの因果関係が見えないというのが本当の所です。読書自体の効能と言っても温泉でもあるまいしよく分からんですよねえ。
    とかなんとか言っても、この本が示すような効果が読書に有ったらすごくうれしい。

    自分を構成しているかなりの部分を読書が作っているという自覚があります。こんなしょうもない人であっても、本を沢山読んだことによってなんとか人間生活やれているんだろうなあと。これで全然本読まない人生になっていたら、大分違う状況になっていたような気がします。
    僕の場合、自信の根底に読書量と作詞作曲能力の2本柱があるので、本読んでいなかったら両方とも無かったんじゃないかと。それは本当にゾッとするなあ・・・。

  • 読書をすることで得られる世界というものがあるらしい。
    本を読むことで、集中力や物事を俯瞰で見る力がつき
    ひいては成熟社会で求められる自ら幸福を築きあげていく力が身につくのだ。
    本をたくさん読むことで、ひとかどの人物になれるのなら
    物心ついたときから本ばかり読んできた私などは
    今頃素晴らしい人間になっていてもよさそうなものなのだが
    この体たらくは一体どうしたことだろう。。。
    (と思っていたら、その答えもちゃんとありました。
    読書のほかに『遊び』と『芸術も』必要なんだそうな)

    本を読むことで得られる一番の収穫は、
    きっと想像力の翼だ。
    万が一この本に書いてあるように
    人生のステージが上がらなくても、
    仕事上すぐに役立たなかったとしても
    じっくりと時間をかけて自分を形作っていく礎になっているのだと思う。

  • 「なぜ本を読むといいのか」を考える本、とまえがきにはあります。この命題自体はそれぞれの読書者が持つべき大事なものだと思うのですが、少なくとも本として書店に並んでいる以上、ほとんど「もともと本を読む人」しか手に取らないような気がして悩ましいですね…。
    著者がどのような志で本著を出版したかというところに想いをめぐらせつつ、もともと本を読まない人はどうやったら本を読むんでしょう。本著は結果的には、読書家が本を読んでて良かったね確認ができる本になってしまっているのではという心配があります。残念ながら私にドンピシャです。

    重めの書き出しで恐縮ですが、本著の主張は明確で、「本を読む中で知識を集積することで、結果的にアウトプットとしての自分なりの幸福論、自分の意見が構築できる」ということ。ついでに「だからパチンコとケータイゲームで時間を遣ってるヤツはダメだ」と言い切ってしまってるのはまぁ凄い。
    そして、ここは激しく賛同するのですが、良い本に出会うためには「数が勝負」で様々な分野の本を読んで出会いの絶対数を増やすことが大事で、かつ読むだけでなくアウトプットを行うことで(ブクログユーザーがいつもやってるコトですね…)自分の言葉で言い直して血肉にすることができると。

    しかし、個人的には読書でハッピー!ってのは(本著もまぁそこまで言ってる訳じゃないのですが)さすがに幻想じゃないかと思うんです。
    読書で手に入らない能力というものはあって、発見力だったり瞬発力だったり記憶力だったり体力だったり(まぁ読書が向上に寄与するものもあるのかしら…)あると思うのですが、著者には読書で身につく能力の方が特に強力に効いたものと見えます。人によると思うんですよね。

    でも、これだけ書き連ねるくらい、本著のおかげで読書暦を振り返って棚卸しして、これからを展望するだけの時間を持つことができたと思います。
    巻末の読書リストも非常に参考になります。著者の本が入っているのはお茶目な印象も受けましたが!

  • まず、この本に「本を読むことで得られる楽しいこと」を期待している人は、今すぐ書棚に返した方が良いです(笑)

    「本を読む人だけが手にするもの」という題名から私が想像したのは「読書家だけの醍醐味」であるとか、「本を読むとこんなに楽しいことが沢山あるよ」という読書への手ほどき的な内容でした。
    しかし、実際に本を開いて読んでみて感じたのは、この著者は「読書家とは似ても似つかない人物」であるということでした。

    まず、読書を「何か自分がのし上がるためのツール」としてしか捉えていないように感じました。

    [誰か取材対象の作家がいるとして、その作家の著作10冊のうちで5冊を借りてざっと読み、中から気になった台詞などを覚えておいて取材時にそこを取り出す。そうすると作家は自分の作品が理解されていると感じてくれる]

    というようなことを書いています。人に取り入るために読書が必要だ、というわけです。

    しかし、個人的に感じたことなのですが、そんな表面だけを掬い上げた感想や台詞の抜き出しで”取り入る”ことが出来ると思っているなんて、相手を舐めていませんか? ということです。作家は「ありがとうございます」くらいは言うかもしれませんが、真に自分の書いた作品を咀嚼せず、表面だけをさらったまでだ、ということに気づかない作家ではないでしょう。

    ほかにも、文章を読んでいるとこの著者が、「肩書きで相手を理解する」「自分のやってきた事業で自分を相手に理解してもらおうとする」「ちょっと他人を見下すような感じがある」人物であることが感じられて私は嫌でした。

    「読書ってどういう事が良いからした方がいいんだろう」
    そんな純粋な気持ちの人にはこの本を手に取って欲しくないな、と思いました。

    個人的な読書に対する意見をこの場を借りて言わせてもらうと、読書は「純粋な知的好奇心」から成るものである筈です。たとえ、最初は憧れの先輩に近づくためであったとしても、他人を出し抜くために読もうと決心したのであっても、読むうちに次々と関連した書籍、派生した物事について知りたくなるから、読書をするものだと私は思っています。

    しかし、この著者にはその動機が感じられない。幼少期に嫌々自分に合わない世界の名作を読まされて読書嫌いになったと言っていますが、そこから精神的には読書に対する気持ちが変わっていないように見受けられました。
    そんな人に「読書をするとどういうものが得られるのか」が語れるんでしょうか。甚だ疑問です。

    読書の効能について嬉々として挙げているものは、特に目新しくありませんでした。読書をしない人たちをターゲットにして本を書いたのなら、読書というものを馬鹿にしている感じがするし、もともと読書をする人たちに向けて書いたのであれば、読者を馬鹿にしています。

    読書をする人は読書というものが生活の一部になっているので「私、読書をするんですよ」とは言わないですよね。
    それと同じだと気づきました。
    全く、タイトルに惹かれた自分が間違いでした。

    こういう甘いタイトルのものには今後、警戒するようにしようと思いました。

  • ・成熟社会をむかえたこれからの時代には、正解を求める情報処理力より、正解の無い問題に納得解を導きだす情報編集力が重要になる。
    ・情報編集力を錬える一つの方法が読書である。
    ・読書により他人の「脳のかけら」を自分の脳につなげていくことで、脳が
    拡張していく。
    ・反対に自分の脳のかけらを相手につなげるプレゼン能力も上げることが出来る。
    ・自分の中で経験、知識と本の内容がどんな化学反応を起こすか予測不能だから沢山読むことが良い本に出会える唯一の方法である。
    ●やるべきこと
    ・出来るだけ色々な本をたくさん読む。
    ・読書によって鍛えられた情報編集力を実戦に活かせるよう、意識して正解を求める考え方から、本当の納得解は何か考えるアタマの切り替えを行う。
    ・検索して得られた情報を羅列するだけではなく、ことの本質を捉え、構造的に説明できるようにアウトプットしてみる。

  • 読書をするだけで、ほぼ「10人に1人」の人材になれる

    パチンコとゲームしないだけで4分の1、さらに読書をすれば8分の1(約10分の1)の人材になれるという。
    電車内を見渡せばスマホいじってる人がほとんどだしね。人生は短い、限られた時間をどう使うかで人生が変わってしまう。
    俺は読書好きだから電車ではスマホをいじらないようにしてる。これはこのまま継続して10分の1の人材の状態をキープしたい。

    大事なので、結論を繰り返す。
    本当に自分に必要な本と出合いたいと思う人には、習慣化した「乱読」をおすすめする。予想もしなかった考え方に出合ったり、本を介して未知の人物との遭遇が将来起こる可能性もある。その化学反応は、読む前にはわからないことが多い。
    P183

    この本では乱読を重要視している。俺が読む本はジャンルが偏りがちだから、色々な分野に手を出さないとなー。
    とにかく乱読しまくって自分の人生が大きく変わるような本にめぐりあいたい。

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著者プロフィール

藤原和博(ふじはら・かずひろ)
「朝礼だけの学校」校長。1955年東京生まれ。1978年東京大学経済学部卒業後、株式会社リクルート入社。東京営業統括部長、新規事業担当部長などを歴任。メディアファクトリーの創業も手がける。1993年よりヨーロッパ駐在、1996年同社フェローとなる。2003~08年、杉並区立和田中学校で義務教育初の民間校長を務める。2008~11年、橋下大阪府知事の特別顧問。2014年から佐賀県武雄市特別顧問。2016~18年、奈良市立一条高等学校校長を務める。

「2021年 『「人生の教科書」コレクション全10冊セット』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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