形容詞を使わない 大人の文章表現力

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  • 日本実業出版社 (2017年11月16日発売)
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Amazon.co.jp ・本 / ISBN・EAN: 9784534055415

感想・レビュー・書評

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  • POPを作ったり、会議の資料をまとめたりと様々な場面で文章を書く機会があります。どうしても使う表現のレパートリーが固定化されてしまうこともありますし、使い古された言い回しに頼って新鮮味がなく目が滑る文章を書いてしまうことも少なくありません。

    本書で紹介されている表現技法は決して真新しいものではありませんし、知識としてはすでに見聞きしたことがあるものばかりです。けれども、文章を書き直してみる具体例や、それぞれのシチュエーションで活用できる言い回しが数多く紹介されていることで、実用的な表現力の復習にもなります。

    レポートや論文だけでなく、ブログやSNSで文字を書く(自分が感じたことを表現する)機会は中高生にとっても日常的な活動ですから、それこそ脊髄反射的に「やばい」を繰り返すだけでなく、その時々に応じた自分の感情を多様な(そして個性的な)言葉で表現できるようにうなると、人としての魅力も高まるのではないかと思います。

  • SNSの「いいね」やシェア、リツイートというのは自分の好みをある程度伝えることはできるけれど、そのとき感じた個々の印象や細かい感情の機微を伝えることはできない。

    伝わらないことは、さほど気にならないのだが、私にとっての問題は「いいね」ボタンを押すことで、自分の感じ方に安易に決着をつけて、そこで思考停止や深く感じることを止めてしまうことのような気がする。

    深く感じることと、伝えるための言葉を選ぶことは、つながっているものがある気がする。

    絵もたくさんあり、文字も大きく、行間も広く非常に読みやすい本だけれど、読んでみると自分がいかに、言葉選びやものごとをよく観ることをサボっていたかがよくわかった。

    この本のあとがきに、以下のような文章がある。

    ”書くという作業の最大の意義は、「時間をかけて自分なりの思想を育てる」ことにあるはずです。そのためには、定型化された紋切り型の言葉からきっぱりと縁を切る必要があります”

    「かわいい」「いいね」「すごい」というような言葉は、通じやすいけれど浅い、そしてその感じ方も多分浅くなってしまうだろう。
    もうちょっと私も思想を育てたいのだ、多分。

  • 自分なりの文章を書くメソッドが非常にわかりやすく説明された一冊。

    よく好きなものについて感想を述べる時、語彙力が無くなるというけど、使い古された表現だけでは表面上の内容しか相手に伝わらず、また読み手も浅い感想だけで全て分かった気になってしまう。そうではなくて、ありとあらゆる比喩や基準を使い、より具体的に自分が感じたことや考えた事を的確に表現することで、さらに踏み込んだ興味や関心を読み手に想起させることが出来る。

    相手に配慮した言葉を使う事で余計な誤解やトラブルに巻き込まれずにすむ。強い言葉だけが一人歩きするご時世に、これからの社会生活に、最も重要な事じゃないかと思う。

  • 系・院推薦図書 総合教育院
    【配架場所】 図・3F開架
    【請求記号】 816.2||IS
    【OPACへのリンク】
    https://opac.lib.tut.ac.jp/opac/volume/474236

  • 「すごい」「かわいい」「おいしい」——便利だけど、どれも抽象的すぎて、自分の感じたことを言い表すには物足りなさを感じていた。そんな言葉ぐせを見直すヒントになった一冊。

    具体的にどう表現を変えるかの例が豊富で、読みながら「なるほど」と思うことも多かったけれど、実際に自分で文章を書くとなると手が止まってしまう場面も。

    そこで、生成AIを使って設問のたたき台を作成。それをもとに自分の考えを掘り下げていくことで、読んだだけでは気づかなかった視点や、自分の中にある感覚を整理することができた。

    特に印象に残ったのは、「主観を客観に変換する」視点。たとえば「人が多かった」を「列が店の外まで伸びていた」と書くような工夫が、読み手の想像力を助けると実感した。
    今後は、形容詞に頼らず、より具体的に、より丁寧に書く練習をしていきたい。

  • 新版 論文・レポートの基本 にて著者の日本語が綺麗でわかりやすいと思ったので、他の書籍も読んでみようと手に取りました。
    https://www.njg.co.jp/book/9784534060808/

    形容詞を避けた大人の言い回しができるナイスミドルになれるよう精進します。

  • 形容詞を避けることが表現力向上の基本。
    直観的表現から分析的表現へ。オノマトペを使う。
    主観的表現からきゃっかんてきひょうげんへ。数値背景感化を使う
    直接的表現から間接的表現へ。緩和、反対、比喩など。

    すごい=何がどうすごいか表す。
    おもしろい=何がどうおもしろいか、表す。
    食レポは、おいしい、ではなくオノマトペで。
    歩く姿、見た目、などもオノマトペで表現できる。
    詳しく述べる=具体描写
    かわいい、むずかしい、は具体的に。
    怖い、はだからどうなのか、を表す。
    多い、少ない、は具体的な量を言う。
    さまざま、いろいろ、ではなく具体的な項目を上げる。
    おおぜい、たくさん、は使わない。具体的な量をいう。
    数名、いくつか、も具体的な量を言う。
    数名より若干名、のほうがぼかしやすい。ひとりでもいい。
    忙しい、は理由を添えて。
    家庭の事情も具体例で。
    難しい、も理由を添えて。

  • 「すごい」、「赤い」、「面白い」…というような「〇〇い」という語句をなるべく使わないように心がけ、めんどくさがらずに説明をきちんと添える。

    オノマトペを使う。

    「可愛い」「素晴らしい」「切ない」などは描写を切り取り、「切ない」という形容詞を使わずに、状況を詳しく書くことによって伝えるようにする。キャッチコピー、商品名をチェックする。自分の感情に振り回されない。便利すぎる言葉に頼らない。

    主観的表現から客観的表現へシフトさせる。

  • 自分が日頃、いかに楽な表現(やばい、かわいい、死ぬほど)に逃げているかを痛感しました。
    本書に書かれているような表現がSNSなどでは回りくどく感じたり浮いたりする場面もあるかとは思います。
    ですが、自分の想いを伝えたいいざというときに読み手に誤解なく確実に伝わる表現ができるよう日頃から鍛えようと思いました。

  • 1.あいまいさを避ける「限定表現」
    2.個別性を持たせる「オノマトペ」
    3.詳しく述べる「具体描写」
    4.明確な基準を示す「数量化」
    5.事情を加える「背景説明」
    6.出来事を用いる「感化」
    7.表現を和らげる「緩和」
    8.裏から迫る「あまのじゃく」
    9.イメージを膨らませる「比喩」

  • 大阪樟蔭女子大学図書館OPACへのリンク
    https://library.osaka-shoin.ac.jp/opac/volume/657580

  • とっっっっっっっっっっっても
    勉強になった。
    本当に読んだのか?
    実践あるのみ。
    石黒圭さんの「論文・レポートの基本」も読もう。

  • 文相を書く時に、「すごい」「よい」「いい」等の形容詞が多くて、もっと文章能力をつけたいと思い読んだ。でも、期待していたほどではなかった。

    ただ、この本を読んだ後に、文相を書く時に、ここで指摘されていたことを思い出し、以前よりは考えた文章が書けるようになったのではないかと感じた。

  • ▼福岡県立大学附属図書館の所蔵はこちらです
    https://library.fukuoka-pu.ac.jp/opac/volume/298874

  • 文章に説得力を持たせる修辞技法=レトリック

    本書では「表現に一手間かける」レトリックとして「かわいい、やばい、すごい」などの「形容詞を避ける」ことを提案し、書き換える方法を具体的に示す

     ・大雑把な発想を排する~描写、下位語、オノマトペ
     ・自己中心的な発想を排する~数値、背景、感化
     ・ストレートな発想を排する~緩和、反対、比喩

    3類9種の方法で豊かな表現力が身につき、論理的な文章が書けるようになる

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著者プロフィール

石黒 圭(いしぐろ・けい):国立国語研究所・総合研究大学院大学教授、一橋大学大学院言語社会研究科連携教授。 1969年大阪府生まれ。神奈川県出身。一橋大学社会学部卒業。早稲田大学大学院文学研究科博士後期課程修了。博士(文学)。専門は文章論。主な著書に『文章は接続詞で決まる』(光文社新書)、『この1冊できちんと書ける!【新版】論文・レポートの基本』(日本実業出版社)、『よくわかる文章表現の技術Ⅰ~Ⅴ』(明治書院)、『ていねいな文章大全――日本語の「伝わらない」を解決する108のヒント』(ダイヤモンド社)、『言語学者も知らない謎な日本語――研究者の父、大学生の娘に若者言葉を学ぶ』(教育評論社、石黒愛との共著)などがある。

「2025年 『読み手に届く 文章技術』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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