- Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
- / ISBN・EAN: 9784534055415
感想・レビュー・書評
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SNSの「いいね」やシェア、リツイートというのは自分の好みをある程度伝えることはできるけれど、そのとき感じた個々の印象や細かい感情の機微を伝えることはできない。
伝わらないことは、さほど気にならないのだが、私にとっての問題は「いいね」ボタンを押すことで、自分の感じ方に安易に決着をつけて、そこで思考停止や深く感じることを止めてしまうことのような気がする。
深く感じることと、伝えるための言葉を選ぶことは、つながっているものがある気がする。
絵もたくさんあり、文字も大きく、行間も広く非常に読みやすい本だけれど、読んでみると自分がいかに、言葉選びやものごとをよく観ることをサボっていたかがよくわかった。
この本のあとがきに、以下のような文章がある。
”書くという作業の最大の意義は、「時間をかけて自分なりの思想を育てる」ことにあるはずです。そのためには、定型化された紋切り型の言葉からきっぱりと縁を切る必要があります”
「かわいい」「いいね」「すごい」というような言葉は、通じやすいけれど浅い、そしてその感じ方も多分浅くなってしまうだろう。
もうちょっと私も思想を育てたいのだ、多分。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
自分なりの文章を書くメソッドが非常にわかりやすく説明された一冊。
よく好きなものについて感想を述べる時、語彙力が無くなるというけど、使い古された表現だけでは表面上の内容しか相手に伝わらず、また読み手も浅い感想だけで全て分かった気になってしまう。そうではなくて、ありとあらゆる比喩や基準を使い、より具体的に自分が感じたことや考えた事を的確に表現することで、さらに踏み込んだ興味や関心を読み手に想起させることが出来る。
相手に配慮した言葉を使う事で余計な誤解やトラブルに巻き込まれずにすむ。強い言葉だけが一人歩きするご時世に、これからの社会生活に、最も重要な事じゃないかと思う。 -
自分が日頃、いかに楽な表現(やばい、かわいい、死ぬほど)に逃げているかを痛感しました。
本書に書かれているような表現がSNSなどでは回りくどく感じたり浮いたりする場面もあるかとは思います。
ですが、自分の想いを伝えたいいざというときに読み手に誤解なく確実に伝わる表現ができるよう日頃から鍛えようと思いました。 -
1.あいまいさを避ける「限定表現」
2.個別性を持たせる「オノマトペ」
3.詳しく述べる「具体描写」
4.明確な基準を示す「数量化」
5.事情を加える「背景説明」
6.出来事を用いる「感化」
7.表現を和らげる「緩和」
8.裏から迫る「あまのじゃく」
9.イメージを膨らませる「比喩」 -
大阪樟蔭女子大学図書館OPACへのリンク
https://library.osaka-shoin.ac.jp/opac/volume/657580 -
とっっっっっっっっっっっても
勉強になった。
本当に読んだのか?
実践あるのみ。
石黒圭さんの「論文・レポートの基本」も読もう。 -
文相を書く時に、「すごい」「よい」「いい」等の形容詞が多くて、もっと文章能力をつけたいと思い読んだ。でも、期待していたほどではなかった。
ただ、この本を読んだ後に、文相を書く時に、ここで指摘されていたことを思い出し、以前よりは考えた文章が書けるようになったのではないかと感じた。 -
▼福岡県立大学附属図書館の所蔵はこちらです
https://library.fukuoka-pu.ac.jp/opac/volume/298874