「やる気」を育てる! ~科学的に正しい好奇心、モチベーションの高め方

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  • 日本実業出版社
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  • Amazon.co.jp ・本 (200ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784534056214

感想・レビュー・書評

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  • もっと早くに出会いたかった1冊。「やる気」は本当、失うと取り戻すのは大変だし、ましてや対人となるとさらに難しいと痛感している。なかなか思ったように「やる気」を引き出すのは簡単なことではないが、具体的に分かりやすく説明してくれている。

  • 原則
    1 報酬で動かそうとする限り、やる気は育たない
    2 心理学の知識がないと、やる気の教育は難しい
    3 他人の経験や成功談を当てはめてもだめ
    4 知り合いにだけ相談していると知識が狭くなる
    5 やる気を育てることに、手遅れはない


    飴とムチの、外発的モチベーションで短期間のやる気は出せるが、長期的な満足感は得られない
    人は心の底では報酬ではなく、自分の意思で取り組みたい気持ちを持っている

    飴とムチの使い方
    ・例外を作らず速やかに
    ・感情は切り離す
    ・反応をよく見て、その場ですぐ行う
    ・大勢の前で行う
    ・方針をはっきり伝え、変えない
    ・飴の効果は逓減する
    ・内発的な行動に対しては飴は弊害になる
    ・ムチはタイミングやフォローが重要
    ・人は耐えるので、乱発で無気力に


    人は、できそうか(期待)と 魅力があるか (価値)の掛け算がモチベーションになり、内的な満足感を得る。

    適切な目標が最適、大きすぎる目標は最悪で、全く不可能な目標より悪い
    遠隔目標は近接目標とセットにすればやる気が出る
    自分で目標をたて、他人と共有することで効果があがる
    簡単な目標から達成してコスト感を引き下げ、期待を上げる、自信をつけさせる

    効力期待と効果期待、工夫すれば頑張れる。頑張れば良い結果が得られる。

    なりたい目標と、ありたい目標の2種類があれば心が折れにくい

    量的に異なる目標と質的に異なる目標を準備する

    教えるのに限界を感じたら観察させる
    恐怖症の治療には、他人の緊張しながらも頑張っている動画を見せ、一緒に考える

    正解を先に教えることで、できそうだという期待を高めてやる気を引き出す

    ピグマリオン効果、期待すると良い結果が出る

    挑戦してみたいという気持ちは、ワクワクしている時と、主人公は自分だと信じている時に可能になる。
    好奇心と共同体感覚や貢献感が大事

    好奇心が持てるのは成功か失敗か自分の頑張り次第という状況だけ。成功経験を積ませることでチャレンジができる

    失敗であっても不思議がることで好奇心につながる
    認知療法では、患者の矛盾を指摘するより不思議がって患者自身に気づかせる

    失敗の原因を考える際に有効な順
    1 努力、 自分のせい、変えられる
    2 運、 自分のせいではない、変えられる
    3 問題、 自分のせいではない、変えられない
    4 能力、 自分のせい、変えられない

    努力のせいだけにすると辛いので、上手く運のせいにする、運は次は違うかもという意味で前向き。
    まずは運のせいにして気持ちに寄り添い、努力の方向に導く
    努力しても報われなかった場合は、能力のせいだと考えないように注意する。
    努力は認め、方法を変える習慣を付けさせる
    失敗しても、次はやり方を変えてみよう、と思えれば逆境に強い

    意思決定の場に同席させることで責任感や連帯感、貢献感をもたせる
    自分ごととして考える機会を持つことで意思決定が訓練される
    話の中で質問をすることで、意見がでなくても貢献感や一体感が得られる

    多くの人は自分自身に対して前向きな評価、良い勘違いをしている
    現実を見すぎることは抑うつにつながる

    ネットは承認欲求を満たすだけでなく、単に見られているという観察者効果も得られるので人気。現実社会でも承認欲求を意識的に生かすべき。

  • やる気の出し方について、心理学をベースに書かれた本。改めて、知っていても実践出来ていない事が多くある事に気づかされた。
    ポジティブイリュージョンを否定せず、むしろ大切にしたい。

  • ポップな表紙と軽い文調、好みです!
    唱えてる説も裏付けがあり、付箋がたくさん付きました♪

    「不思議を楽しむ習慣」をどうやって育むのか?
    がもう少し知りたい

  • 経営と経営学は異なる。経営において経営学は参考になるかもしれないが必要な訳ではない。
    心理学も同様である。人の心理を掴むのに心理学が必要な訳ではない。そもそも人の心理の科学的な解明は発展の途上にある。
    例えば、報酬によってモチベーションが下がるアンダーマイニング現象。著者は「人間とはお金のため、ご褒美のために頑張るのは本当は嫌い」と述べているが本当にそうか。
    お金は物を買う権利である。自分の行為が換金されるとそのお金で何を買おう、何をしようと考える。しかしそれが、行為の価値を減ずることにはならないのではないか。もし減じたならば、そもそもその行為がさほど面白くないことを意味するのではないか。
    学問で明らかになったのは心の一部に過ぎない。研究が進んで学説が覆ることもあるだろう。ゆえに、よく考えて納得できるところだけを取り込むようにしたい。
    本書の内容で最も共感したのは「興味関心がないものに対して人は研究しようとは思わない」という件である。考えてみれば当たり前のことなのだが、改めて腑に落ちた。勉強の戦略を練らないのは、勉強に興味がないからなのだ。勉強は苦役に過ぎず、楽になりたいというのが本音なのだ。
    ちなみに「本書のまとめ」にも当たり前だが大事なことが書かれていた。「人間はお金の為に生きるのではない。自分の力で何かを得たい、何かを達成したいと思う生き物なのだ。」

  • よかった。仕事にいかす。

  • 人にどのようにものを教えたらいいのかをも今一度考えたいと思い読んだ。
    教える上で自分の常識は必ずしも相手の常識であるとは限らないのでしっかりと前提条件から教える事が大切である。褒めて信じときに叱ることのバランスが理解できた。また、部下だけでなく自分の成長についてもしっかり意識していく必要があることが分かった。
    わかりやすく前提条件から行う目的なども教え、しっかりわかりやすく教えることができるようにしたい。

  • 「こうやったらあなたのやる気は出ますよ」ではなく、「自分の子どもや部下のやる気を育てるためにこうするといいですよ」という書き方だったので、読みやすかった&受け入れやすかった。

    ・ムチはストレスがかかるわりに与える情報は少ない
    ・目標にはボリューム感が違う目標とクオリティが違う目標がある。どちらかだけではダメ、両方必要
    ・やる気を削がない励まし方

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著者プロフィール

心理学者

「2020年 『サクセスフル・エイジング しあわせな老いを迎える心理学』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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