炎上弁護士

著者 :
  • 日本実業出版社
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感想 : 5
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  • Amazon.co.jp ・本 (206ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784534056481

感想・レビュー・書評

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  • 中身もそんなに濃くはないのですぐに読めてしまうが、結局なぜこの人がここまでの標的になったのかはそこまではっきりしなかった。「弁護士の肩書に権威はあっても権力は無いから」との理由には含蓄はあったが。

  • 弁護士である唐澤貴洋弁さんの著書。

    2013年に2ちゃんねるで行われた高校生に対する誹謗中傷の弁護をするために、サイト上で必要な申請を行なったことに端を発して自身が大炎上してしまう。

    その経験から、ネットを利用する人への警鐘と危険性の啓蒙、法律の不完全さの指摘、これからのインターネットについてのメッセージを発信されています。

    読んでいくと、SNSでたまにみかける、話題になるような燃え方をしてそれが止まることを知らず
    燃え尽くしてしまうような激しい迷惑行為をされ続けていることがわかる。

    自宅の特定、鍵穴を塞がれる、親の写真も撮られて公開される、引っ越しを余儀なくされる。酷い内容でした。自分がこのようなことをされたら耐えられないほど恐ろしいと思う。

    正しいことを言っている。でもそれが認められず、どれだけやるせない気持ちになられたのだろうと想像しては恐ろしくなる。

    ただしいことが正解とは限らないということが世の中にはありますが、唐澤貴洋弁護士はそれなのだと感じました。どれだけ正しいことを言っても、政治力、権力、その他のしかけがなければ声は届かない。同情しながらも、炎上する火種になるような言動をされたのだろうなとぼんやり思った。正しいことを言っていても、餌なったら終わりだと思う。

    ラスト、正義感に溢れた正しい文章が並ぶ。
    本当に成し遂げたいならば、自分の正義を内に秘めて結果の出せるやり方を探った方が良いような気がしました。折角正しいことを言っていても、自分に酔っているところがあるのが火種の原因に思えた。

    プロバイダ責任法について、インターネット犯罪の犯人を特定することの難しさを垣間見ることが出来たのは勉強になりました。
    ツールはただの道具で、インターネットでなくてもどこでも起こり得ることが かんたんに出来てしまうことが問題。それが個人個人で止められないのであればやはりルールが必要。表現の自由との線引きはなかなか難しいと思いました。芸術を押し込めない形で実現できる日を望みます。


    装丁はジリジリと燃えるような遊び紙が印象的。カバーを外すと灰色で、いつまでも消えない炭の中に赤く燃える火のようです。イメージにあっていて良かった

  • ネット上での誹謗中傷の恐ろしいところは、加害者側のその罪の意識が低すぎるところだ、と改めて感じた。
    一方被害者側の受けるダメージは心身ともに計り知れない。
    このインターネットの時代においてどちら側にだって転がれるからこそ、リテラシーが試される。

  • 自伝的内容とどのような弁護士でありたいかについて書かれている

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著者プロフィール

唐澤貴洋(からさわ たかひろ)[第6章]
弁護士。1978年生まれ。法律事務所Steadiness 運営。インターネットなどITに関連する法律問題の対応件数は多数にのぼり、掲示板、SNS、ブログでの誹謗中傷やプライバシー侵害への対応を多く行っている。2018年、NHKドラマ『炎上弁護人』の取材協力を務める。主な著書に、『そのツイート炎上します!― 100万回の殺害予告を受けた弁護士が教える危機管理』(カンゼン、2019年)、『炎上弁護士』(日本実業出版社、2018年)。

「2022年 『テクノロジーと差別』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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