知的生産術

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  • 日本実業出版社
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レビュー : 37
  • Amazon.co.jp ・本 (264ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784534056689

感想・レビュー・書評

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  • これまで様々な著書を出版されており、企業経営、歴史など幅広い知識を持つ著者が、現状の少子高齢化の打開策として生産性の向上と個人として知的生産術を述べた一冊。
    現代の日本における少子高齢化の状況から、工場モデルの社会経済体制からの脱却の必要性、消費税などの捉え方など、鋭い視点や提言が所々に散りばめられており、参考になる点は多いと思います。
    新たに大学の学長となられ、今までとは異なる挑戦を始めた著者の言葉は、誰にでも示唆に富んだものになると思っています。


    ▼人口ピラミッドが正常な姿をしている社会では、「敬老原則」(多数の若者が働き、少数の高齢者を支える)が基軸。
     超高齢社会では、敬老原則の継続は不可能。これからは、解雇の自由化とセットになった定年制の廃止、同一労働・同一賃金への移行など、「年齢フリー原則」をベースとして社会のインフラを組み替えていく必要
    ・敬老原則の世界では、働いている若者から所得税を集め、住民票で敬老パスを配れば事足りる
    ・年齢フリー原則の世界になると、全員が社会を支えるわけなので、消費税に切り換える以外の方法はない。経済的に不利な人に給付を集中しようとすれば、マイナンバーを整備するしかない。
     少子高齢化とは、こうしたパラダイムシフトが伴うもの
    ▼わが国では、「消費税といえば弱者に厳しい仕組みだ」という、紋切り型の意見が出されます。しかし、弱者にやさしいヨーロッパの社会が、すべて消費税を基幹としているという事実が、そういった意見は皮相的に過ぎないことを何よりも雄弁に物語っていると思います。

    ▼生活の基本を「メシ・風呂・寝る」から、「人・本・旅」に切り換える
    ▼新しい情報や知識を自分の頭の中に取り込むためには、幅広く学ぶことが必要
     学ぶための方法:たくさんの「人」と出会い、たくさん「本」を読み、たくさん「旅」をして(現場に出て)経験を重ねること

    ▼「おいしい生活」=「いろいろな知識を身につける」×「自分の頭で考える」
     「おいしい生活」はイコール「教養」もしくは「リテラシー」であり、イコール「イノベーション」でもある

    ▼知的生産性を上げる5つの視点
    ①無限大ではなく、「無減代」を考える
    ②「なぜ」を3回繰り返す
    ③「枠」や「制約」の中で考える
    ④「数字、ファクト、ロジック」で考える
    ⑤考えてもしかたがないことは考えない

    ▼社会常識に頼っていると、社会の中に芽吹きはじめている小さな変化を見落としてしまう
     社会一般の価値観や、常識や、成功体験や、前例を鵜呑みにしないで、すべてを一度くらいは自分の頭で徹底的に疑って考え抜くことが大切
    ▼数字:相互に検討可能なデータのこと
     ファクト:データに関連する事項や過去に起こった事実のこと
     ロジック:数字とファクトに基づいて実証的に理論を組み立てること

    ▼「インパクト(=影響力)=仕事量(アウトプット)×スピード(時間)」

    ▼世の中のすべての物事は、トレードオフの関係にある。すなわち、何かを選ぶことは、何かを捨てることと同義

    ▼人生を無駄にするもの
    ①済んだことに愚痴を言う
    ②人を羨ましいと思う
    ③人に褒められたいと思う

    ▼「得意・不得意」「向き・不向き」といった部下の適性を見抜いて、正しく人材を配置するのがリーダーの役割
    ・人材配置のポイント
    ①部下の適性や意欲を把握する
    ②短所は無視して長所を伸ばす
    ③全員を管理職に育てる必要はない
    ④サボる社員がいてもいい

    ▼アメリカの心理学者マーシャル・ロサダ「ポジティブな感情とネガティブな感情がおよそ3:1以上の比率になっていると、人は意欲的に働く」(理想的な職場では、6:1)

    ▼『貞観政要』の「三鏡」
    ①銅の鏡(本当の鏡)
    ②歴史の鏡
    ③人の鏡

    <目次>
    第1章 日本の生産性が低い理由
    第2章 新しいアイデアを生み出す「考える技術」
    第3章 最小の労力で最大の成果を上げる「インプットとアウトプットの技術」
    第4章 チームの力を引き出す「マネジメントの技術」
    第5章 明るく楽しい職場をつくる

  • 「出口さんは私のメンターである」と言えるぐらい、私の生き方や考え方に影響を与えた一人である。

    語り口は明快そのもので、かつ、昔からブレがない。今回も期待していたが、やはり期待以上であった。

    読み込むごとに今の自分のレベルや(会社を含む)世間とのズレを覚知することになるので、それはそれで辛くはあるものの、やはり自分が正しいと思うことを反芻する上で欠かせない一冊となりそうである。

    今後も、悩んだ時や自分をみうしなったときに帰ってきたい場所として大切にとっておきたいので、星5つ。

  • 長時間労働は、悪、という観点で、いかに生産性を上げるかを説く。いつもの話も多いが、無減代、無くす、減らす、代替する、など新しい話も多い。
    代替する、は、過去の資料を使い回す、など、目的に合わせて最上の努力ですませる、が参考になった。

    怒る意味がない話も面白い。
    意欲だって賢い人は、ちょっといえばわかる。
    意欲なく賢くないひとは、何を行ってもわからない。

  • 職場に出口さんのような上司がいたら最高だと思う。物事を筋道立てて考え、無駄なことは省いて生産性を高め、ダイバーシティを大切にする出口さん。他の本でもよく言われている「人、本、旅」、「数字、ファクト、ロジック」の他、「イノベーション」=「知識」×「考える力」が印象に残った。世の中には働き方についての講演会やセミナーが多々あるけれど、そこで言われているような大事なことがこの一冊に全部詰まっていると思った。おすすめ!

    p56
    「既存知間の距離が遠いほど劇的なイノベーションが生まれる」

  • 出口さんがAPU(立命館アジア太平洋大学)の学長に就任されてから出版された一冊。
    いつもながらの「出口節」を堪能できる一冊です。
    本の帯に書かれているように、「人・本・旅」で学んで、「数字・ファクト・ロジック」で考えることの重要性を再認識することができました。
    そして、「運」と言う要素の大切さ。
    付箋は28枚付きました。

  • 『知的生産術』出口治明著
    2017年娘の学校の講演会でお会いしました。
    そこから出口さんの書籍を読むようになりました。

    1.自分の頭で考え決める。
    2.出会い、本、旅→学び
    3.文字化発信→理解度↑
    4.サボり願望→工夫思考
    5.上位2割役割→組織生産性

    改めて出口さんのルーティンに感化されました。

  • 人生を無駄にするのは、「済んだことに愚痴を言う」「人を羨ましいと思う」「人に褒められたいと思う」。 そうだなぁ。 人脈は、飲んだ回数に比例する。そうだなぁ。

  • 「知的生産術」日本実業出版社出版。最近出版された本で本屋でチラチラ見て読みやすいと思ったので購入。「イノベーションはサボりたいという気持ちから生まれる」という冒頭から始まり生産とは?働き方について、考える技術が詰められている本です。

  • 無減大、正直に生きる、楽しそうに仕事をする
    議論は、数字、ファクト、ロジック!

  • ・日本が工場モデルからサービス産業モデルへシフト
     →製造業と発想力
     →短時間で成果を出す
     →「メシ・風呂・寝る」から「人・本・旅」へ
    ・ライフネット生命
    ・立命館アジア太平洋大学(APU)
     →国際教養大学(秋田)
    ・「無限大」から「無減代」へ
     無:なくす(無視する)
     減:減らす
     代:代用する
    ・枠や制約の中で考える
    ・数字、ファクト、ロジックで考える
     →成功体験は判断を誤らせる
    ・やりたいことから時間を確保する。●
     //1日24時間の使い方をこんな風に考えたことがなかった
    ・腹落ちするまで考える
     →義務感が強すぎると遊び心が消える
     →責任感が強すぎると追い込まれてしまう
    ・インプットとアウトプット
     →人に話す
     →文章に書いて人に見せる
    ・役職名は機能である

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著者プロフィール

1948年、三重県生まれ。立命館アジア太平洋大学(APU)学長。ライフネット生命保険株式会社創業者。京都大学法学部を卒業後、72年、日本生命保険相互会社入社。企画部や財務企画部にて経営企画を担当。生命保険協会の初代財務企画専門委員会委員長として金融制度改革・保険業法の改正に従事。ロンドン現地法人社長、国際業務部長等を経て同社を退職。その後、東京大学総長室アドバイザー、早稲田大学大学院講師等を務める。08年にライフネット生命を開業、12年東証マザーズ上場。18年より現職。

「2019年 『本の「使い方」 1万冊を血肉にした方法』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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