こうして顧客は去っていく サイレントカスタマーをつなぎとめるリテンションマーケティング

著者 :
  • 日本実業出版社
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感想 : 9
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  • Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784534060761

感想・レビュー・書評

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  • リテンションマーケティングに関する本
    理論と事例がバランスよく紹介されている
    満足/不満足へ導くものは事前期待値と知覚価値の差分
    満足していても離脱につながってしまうのが、競合や時代の流れが早い現代の難しいところ
    不満足を減らしつつ、不満足が減りきった状態に顧客歓喜があるのか、それとも別なのか

  • (内容は面白かったが、信憑性がない資料を引き合いに出しているので星2つ)

    気になりポイント①
    顧客満足には以下の3種類があると書いており、
    サティスファクション(プラス)>アンサティスファクション(ゼロ)>ディスサティスファクション(マイナス)
    あまり意識したことはなかったものの、0の状態があるというのは確かにと思いつつ発見だった。

    そして、アンサティスファクションやディスサティスファクションでサービスを去るのはわかるものの、サティスファクションの状態でもサービスを去るというのは衝撃だった

    気になりポイント②
    (人数や母集団などの根拠が全く書いておらず、しかも足し合わせると100%を超えるので信憑性は低いが)本書のアンケートによると、サービスの利用をやめたときに、企業に伝えるのは約25%、周りの人に伝えるのが35%、SNSが10%と誰にも伝えないのが45%とのこと。これが本当かはわからないが、クレームはこないけど周りには悪い口コミが、、、というケースもあるので怖いと思った。伝えてくれる25%とエゴサで10%の声を拾いつつ、積極的にアンケートなりインタビューなりで改善点を探りたい。

  • ■書名

    書名:こうして顧客は去っていく サイレントカスタマーをつなぎとめるリテンションマーケティング
    著者:宮下雄治

    ■感想

    TOPPOINTで読了。

  •  WOWOWはこれに向けて、顧客との関係を維持していくことに特化した専門部署、その名も「解約防止部」を新設しました。解約防止部の初代部長に就任した大坂祐希枝氏は、1対1の面談形式で顧客にインタビューするデプスインタビューを行ない、その結果をもとに解約時期ごとの解約者のペルソナ(架空の人物像)を作成しました。そして、ペルソナに基づいたコミュニケーションポイントを決めて解約を抑止するための施策を始めるなど、解約の実態を把握するとともにそれに応じた解約防止策を次々に展開した結果、顧客離脱の悪化に歯止めをかけることに成功しました。

    ■サブスク種類別に見る利用率と解約率
    サブスク種類:利用率/解約率
    動画配信:70.0/55.1
    音楽配信:43.3/43.2
    電子書籍:18.8/58.5
    ゲーム:12.9/58.9
    宅食(食事配達):5.6/55.4
    コスメ:5.1/66.7
    洋服:3.9/53.8
    飲食店:2.9/62.1
    家電/家具:2.7/59.3
    自動車:2.6/69.2
    美容院:2.1/52.4
    バッグ:1.7/58.8
    ※解約率は利用経験者の解約比率
    (単位:%、n=1,035)

    【顧客に考えさせるUーデザイン】
    ・操作手順が複雑で判断をともなう
    ・サイト全体の構成がわかりにくい
    ・情報が整理されておらず、読みにくい
    ・目的の箇所にスムーズにたどり着けない
    ・ デザインや画面構成が頻繁に変更される
    ・初見では直感的に操作しにくい
    ・デザインの統一感がない
    ・文字の体裁が整っていなくて読みにくい
    ・ページが表示されるまで時間がかかる
    ・煩雑な手続きが必要
    ・入力フォームの項目が多い
    ・不明瞭で煩雑な返品・返金システム

    ◾️累積的な顧客満足や喜びを提供し続けるには、「エフォートレス」「パーソナライズ」「サプライズ」
    ①新鮮であること
    ②驚きをともなうこと
    ③労力が軽減されること
    ④嗜好にマッチしていくこと
    ⑤洗練されていること

    ◾️解約率(チャーンレート)が上がる10大要因
    ①価格と価値が見合っていない
    ②使い勝手が悪くストレス
    ③コスパの悪さにガッカリ
    ④「タイパ」の悪さにイライラ
    ⑤失敗するかもしれない機能的リスク
    ⑥心理的リスクの上昇
    ⑦「ありきたりの良い体験」では物足りない
    ⑧企業の不正・不祥事に失望
    ⑨嫌われる「マーケティング臭」
    ⑩消費者を欺く「ダークパターン」

    ◾️顧客維持戦略を強化する3大鉄則
    ①顧客づくりより、ファンづくり
    ②顧客と生活者の解像度を高める
    ③顧客の成功を追求する

    自社の顧客だけ、あるいは競合企業の動きだけを見ていると、自分たちが考える「常識」が世間の常識でもあると思い込んでしまいがちです。ところが、自社の「常識」は世間から見れば「非常識」である場合も多く、世間とのズレを認識していない企業も決して少なくはありません。このことは「業界の常識」も然りです。

  • こちらで書評を書きました。

    https://www.rinen-mg.co.jp/web-rinentokeiei/entry-5713.html

  • 読みたいと思った経緯は、プライベートのランサークルや貸し農園仲間の人の入れ替わりが多く、特に新しく入る人はよく紹介されるが、知らぬとこで辞めたり幽霊部員になってるのが、あまり着目されておらず、これは将来サークルがなくなるのでは、と個人的な危機感を持ち始めたのがスタート。

    印象に残ったのは以下。

    購入するお客様探しに必死にならず購入した後のフォローを大切にすること。

    お客さんが満足するかは、お客さんが最初に抱いていた期待に対する相対比較で決まる。

    選択肢が多いと人は悩むし疲れてしまう。

    ファンを作ることが大事。

    サイレントカスタマー、幽霊部員のヒアリングが大事。

    新規顧客より既存顧客から得られる利益は5倍以上。顧客の離脱を5%改善できれば企業の収益ら5倍の25%改善される。

    クレーム、失敗を起こしても対応の仕方からファンになり得ることもある。それは結局、商品を買った後のファンサービスが大事ということ。

    買わせること、騙すような高期待の広告を出しすぎることをしない、テレビとかの広告でなく、SNSとかの口コミの方が影響力がある。

    goproのようにお客さんの使用体験がプロモーションになることもある。感動と興奮を顧客と共有することが大事。

    時代とともにお客さんのニーズも変わってくるし、会社の常識と顧客の常識が違うということを客観視しないといけない。

  • 好かれるより、嫌われるな。
    期待値を上げすぎるのは逆に満足度を下げてしまう。
    ファンがファンを呼ぶ
    感動と興奮の共有がコアなファンを生み出す。
    一人一人に合った商品を提案できるように顧客を可視化。
    すぐれた顧客体験がビジネスを存続させる。

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著者プロフィール

國學院大學経済学部 教授。博士(経済学)。専門はマーケティング、デジタル経済。東京大学大学院総合文化研究科博士課程退学。城西国際大学経営情報学部助教、國學院大學経済学部准教授を経て現職。2017年から中国の国立中山大学訪問教授として、中国のデジタル経済と消費社会を研究。中国での実地調査は約20年におよび、デジタル先進企業から小売業、飲食・サービス業、製造業まで幅広い業種・企業を取材。フィンテックや人工知能(AI)などデジタル活用のビジネスやプラットフォーム企業の成長戦略に詳しい。国内では小売業、サービス業、製造業と幅広い業界で、マーケティングやデジタル戦略に関する企業研修や講演を行い、定期的にメディア寄稿を行う。著書に『米中先進事例に学ぶ マーケティングDX』(すばる舎)など。

「2023年 『新時代のマーケティング』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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