- Amazon.co.jp ・本 (192ページ)
- / ISBN・EAN: 9784535562349
感想・レビュー・書評
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育児書なんて、今まで読んだことも読もうと思ったこともなかったけれど、子どもが生まれてからにわかに興味が…。
何から読んでいいのかわからないので、人から借りたり、たまたま手にしたものから読んでいる。
本書は実家にあったので持ってきた。
「人はどう育つのか」を学ぶことは、自分がどう育ってきたのかを振り返ることでもあり、なかなかおもしろい。
さて。
子どもの成長には、依存から自立へ、という過程が必要。
とくに1歳半くらいまでは「絶対依存の時期」で、周囲(とくに母親)に安心して依存できるという体験の積み重ねによって自信をつけ、やがて自立へと向かう。
これはどの育児書にも書いてあって、とても重要なことのようだ。
年配の人はよく「抱き癖がつくからあまり抱っこしないほうがいい」と言うが、その考え方は今では否定されている。
本書で強調されているのは、その次の発達過程で、となり近所や地域社会で育つことの必要性だ。
友だちと無我夢中になって駆けずり回って遊ぶことがいかに大切か。
お稽古事やスポーツチームといった関係性よりも、「近所のお友だち」との関係の中から得られるものがはるかに大きいという。
この点は、大人の目線からは得てして見落とされがちだが、たしかにその通りだと感じた。
もうひとつおもしろかったのが、肛門期(1~3歳)の捉え方。
うんちやおしっこは、子どもにとって本来「大切なもの」なのだそうだ(後から学習によって「汚いもの」と捉えるようになる)。
本当はずっと持っていたい大切なもの。
でも、排せつするとスッキリする。
ここで子どもは選択を迫られる。
出す? もう少し体にとっておく?
相反する二つの欲求の中で、子どもは自身で選択しなければならない。
つまり、自主性の芽生え。そういうことらしい。
だから、うんちが汚いものだと強調しすぎると、トイレットトレーニングが遅れるのだそうだ。
排せつ行為を、気持ちのいいもの、楽しいものだと捉えられなくなるから。
なるほど~。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
依存体験を十分に
自分の家、友達の家、外で遊ばせる
学校と家だけではだめ
排泄は気持ちのいいものだと教える
飛ばし読み -
これは良著。妊娠子育て中、保育教育関係の方には本当にオススメしたい。
児童精神科医である著者が子どもと家庭の地域臨床で実践、実体験した研究の講義録。印象深い部分はたくさんあり自分の子どもに対する考え方の指南になったし、もっと広く社会のために何ができるかを考える材料としては大変参考になる。「子どもが病んでいると多くの場合親がより病んでいる。」つまり子どもたちを守るために親(大人)を助ける必要性をますます感じる。
また年齢時期による発達課題とどう向き合っていくかがよく分かる。心の発達には飛び級はなく、順序がある。