- Amazon.co.jp ・本 (196ページ)
- / ISBN・EAN: 9784535562837
感想・レビュー・書評
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うつは糖尿病と同じ、生活習慣病ととらえ、
うつと付き合う生き方を模索しよう。
そうすることで、今までと違う豊かな人生を送れるかもしれない。
これは、「うつは治る」などと書かれている本より、
よほど、うつ病患者に寄り添った本です。
ー「うつだから」非社会的であっていいわけではない。
当然のことが書かれています。
そして、うつ病患者に対して、社会は今、どうなのか、
今後の社会の課題とは何なのか、
うつ病ではない・・・主に行政や会社組織への提言も的を射たものだと思いました。
・・・が、ねー。
「あとがき」のインパクトが強すぎて。
どうやら著者は「うつ病患者に対して優しくない」ことに対して、
相当パッシングを受けたようなのです。
「あとがき」で相当数のページを使って、
いかに自分が被害者であるかを語っています。
本編は納得のいく、むしろ、私のように長期でうつを患っている者に対しては
「心に寄り添う」、「得心のいく」ものなのに、
とにかく「あとがき」ですべて台無し。
結局この人は、自分がいかに「被害者」であるかを言いたいの?
というところに終結してしまいました。
「あとがき」読まなければいい本です。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
後書きがひどい。東北人と躁鬱病の人に恨みが残っている様子。
しかし。うつ病の治療法で10年間かかっても十分に治らず(もの書きの仕事はできる状態だが通院が月2回必要とのこと)、肉親に罹患した人がいて、当人に躁のエピソードがある(『うつは薬で治らない』参照)。
ご自身の双極性障害の可能性ときちんと向き合うべきでは?
前の方もよくない。
67ページである皇室の方に向けて、うつ病とカミングアウトすれば回復が進んでご公務にはげむことができるようになる、と書いている。「うつ」がカミングアウトぐらいでそんな著しく改善するわけがない。この人はこれまでうつ病の何を見てきたのか。勝手に病気を診断した上に不確かな助言を得意げにするとか何様ですか。
75ページで抗うつ薬が元は胃潰瘍の薬だったと書いてあるが明らかに間違い。
50年代、結核の薬で、患者の気分が高揚する効果が見られたのでうつ病に処方されるようになったのがMAO阻害剤。今はあまり使われていない。
今主流の抗うつ薬の元祖は同じく50年代に発見されたイミプラミン。クロルプロマジンの統合失調症への効果が明らかになったため、同様の構造をもつ薬として作られ、うつ病への効果が認められて抗うつ薬となた。
胃潰瘍の薬から抗うつ薬、抗精神病薬になったのはスルピリドだが、最初の抗うつ薬ではないし、抗うつ薬として使われているのは日本ぐらい。アメリカでは認可もされていない。
人に取材してその人の主張をとりまとめたところはよくできているが、それ以外のところでいいかげんだったり、私怨だだもれだったり。こういう本に多く★はやれない。