リフレーミングの秘訣: 東ゼミで学ぶ家族面接のエッセンス

著者 :
  • 日本評論社
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感想 : 11
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  • Amazon.co.jp ・本 (237ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784535563155

作品紹介・あらすじ

「先生は、本気でクライエントに"虫"がついたと信じているのですか?」-ゼミ生からの素朴な疑問に、東教授がすべて本音で答えます。4つの事例とディスカッションを通して、心理療法の最重要技法を学ぶ。

感想・レビュー・書評

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  •  素晴らしかった。

     ポジティブな状態の人は周りをポジティブにし、ネガティブな状態の人は周りをネガティブにする。つまり、自分がポジティブであれば自分を取り巻く状況もポジティブになる。
     困った問題が起こった時に「問題である」と感じるから問題であり、問題であると感じなければ何も問題ではない。一つの事象には良い面悪い面があり、「問題である」と感じるのはその事象の悪い面を捉えているためである。見方(フレーム)を変えて(リフレーミング)良い面を捉えることが可能になれば、問題が消失する。何か困ったことがあったらリフレーミングを行えばよいのである。
     ということだそうだ。目から鱗だ。

     しかし、知識として習得はしても、実行は難しい。本書では、心理学専攻の大学院生へのケーススタディーを載せ、細かいリフレーミングの技法を紹介しており、非常に分かりやすい。

     

  • いわばひとつの出来事に対して色んな見方で考えてみる。そのときに大切な前提として、どんな人であっても常に成長し続けているという心を持って接する。そうすればすべてをプラスの事象に捉えて家族を良い方向へと導いていける。実践するのが難しいけど、このひとつひとつの事例を見つめ、理想の心理を学んでいきたい。

  • システムズアプローチが、とてもわかりやすく書かれている。
    事例研究がわかりやすく書かれているのもありがたい。
    リフレーミングって、漠然とポジティブに言い換えると、思っていたが、漠然さがなくなり、すっきりした。
    考え方の枠。というよりも、その人の生き方全てが枠なんだなと。
    そして、とても納得したのは、「変化というのは、現状をかえるというよりも、現状の動きをうまく促進して、花を開かせるということ」「ある状況を問題とみればいくらでも問題はのざばるけれども、解決・成長にむかっているとみれば必ず解決・成長が生まれてくる」という文脈。
    カウンセリングをする時に、「その問題に気づけてよかったね」って、いう事があるが、それは、このことなんだよね!って、改めて思った。

    著者の対応方法は、心屋さんの対応と似た感じを受けた。

    図書館で借りたので、この本を読む期間が限定されていたけど、手元に置いて、何度も読みたいなーと、思う本。

  • システムズアプローチの実際が生き生きと書かれていて、忘れていたものが蘇ってくる感じだった。ただ、アメリカではよくやった外在化も、日本で読むとなぜか新興宗教的で、胡散臭い感じがするのが残念だ。

  • この本、おもしろくて、読み終えるのが惜しくて、心に染み込ませるようにして、少しずつ大切に読ませていただきました。

    とうとう読みきってしまったので、次はノートにまとめる作業に入ります。

    「システムズアプローチ」と「リフレーミング」、、この本でやっと意味がつかめた気がします。(この言葉と出会ったのはもう5年ほど前ですが。汗)
    おもしろいなぁ。

    仕事における面談でも使わせていただいていて、この考え方を知る前と後とでは、言葉選びや言葉運びが全然違う、という自覚があります。

    もっともっと、中身を自分の中に浸透させたい一冊です。

  • 逐語録とその後の検証まで載っているので、リフレーミングの講義を受けているようでした。
    わかりやすい!!というのが一番の魅力です。
    明日から私もっ!と出来そうでできないですが、やってみたいと思わせる納得の一冊です。

  • p138 いつ頃からこんな思いにつかまってしまったの?なんの影響でそのような思いにひっかかったの?その思いはどのようにあなたをそそのかしにやってくるの?その思いはあなたをどのように支配してしまうの?その思いはあなたにどんな害を与えてくるの?その思いに打ち勝てたことはあるの?

    p139 見立てのコツ=頭の中で難しく考えずに、目の前で起きていることをしっかり観察すること
    p140 クライエントのフレームを見立てるといった意識だけを持つようにする。クライエントが持ち前のフレームで自他をどのように縛っているかあるいは相互に縛り合っているか、そのような観点をしっかり全面に出して見立てていく。

    p167 面接を受けにきた家族は、必ず何らかの変化・成長のプロセス途上にある

    p169 治療とは何かといえば、家族のよい変化をしっかりと根付かせ、問題がなくなってもその変化が持続するような状態を作ること。そうすることで、結果的に問題は不要物となり、姿を消すのです。逆にいうと、問題がないと変化が持続できないということですと、いつまで経っても問題は無くならない。問題が に役割を与え続けてはならないのです。問題は変化のためのきっかけとしての役割を果たすだけで十分だということですね。

    p185 ものごとがあっさり決まるときは、葛藤回避が起きていることが多い

  • まさに自分の中の"N循環"(この本で初めて知った語)とそれによる仕事のうまくいかなさに最近悩まされており「リフレーミング」の技術を身につけたくて、辿り着いた本。自分の中のモヤモヤがすっきりと言語化されていた。この本に巡り会えたことに、感謝。繰り返し読むだろう。

  • 講義用で昨年買ったけれども,臨床の仕事で活用しようと思って真面目に読み返してみた。逐語的に事例が解説されているので読みやすく,リフレーミングの具体的な例や介入方法を理解するには良いと思う。

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著者プロフィール

龍谷大学文学部臨床心理学科教授

「2021年 『もっと臨床がうまくなりたい』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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