夜回り先生いのちの授業

著者 :
  • 日本評論社
4.12
  • (8)
  • (13)
  • (5)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 99
感想 : 9
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (163ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784535586024

作品紹介・あらすじ

「こんなつらく哀しい時代だからこそ、いのちの大切さを、そして、ともに生きていることのすばらしさを伝えなくてはいけない」生きていくための勇気と知恵が必ず見つかる本。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 図書館で見かけて読了。
    たまにはこういう本も良いです。

  • 中日新聞での夜回り先生のエッセーがまとめられた「いのちの授業」。
    いのちの時間、人間力の時間、出会いの時間、自然の時間・・・。

    こころ、哲学―倫理だけでなく、
    坐禅と呼吸、合掌すること―宗教や、
    歩く、農業を営む―自然の力など、
    私たちのほんとうの「いのち」を生かしてくれる優しいエッセーです。

  • 中日新聞に寄稿していたエッセーをまとめたもの。

  • 辛い時に頑張れる本
    辛いけど頑張りたい
    社会のために頑張りたい
    後悔しないように生きたいと
    思わせてくれる一冊です。

  • 冒頭の「いのち」の詩がいい。心に深く響きます。

    水谷先生のどの本もそうですが、子ども達に対する本当に温かい心を感じます。そして、先生の「人に優しさを配ろう。人のために何かをしよう」と言う言葉。
    先生が夜回りで出会う子ども達は、近くの大人たちを信じられず、昼の世界に居場所を感じることができなくて、夜の街にやって来た子ども達。その子ども達に「人に優しさを配ろう」というのは、その子たちにとっては、難しいことではないか思います。葛藤を覚えるのではないかと思います。でも、それを乗り越えて、自分のできることを、人のために行動に移す時に、何かが変わり始めるのではないかと思います。

    この本に紹介されているエピソードで「がんばりすぎない」に紹介されていた母子の話に涙が出てきました。

    3歳ぐらいの女の子を持つお母さん。がんが骨にまで転移していて、子どもと過ごせる時間もあとわずかという。父親はいない。母親がなくなったあと、女の子はたった一人で生きて行かなくてはいけない。だからどんなことも自分の力で乗り越えて行けるように、強い子に育てたい、と。

    そのお母さんに水谷先生は言います。
    「お母さん、あなたはえらい。でも頑張りすぎです。あなたがこの子のもとを去っても、必ずこの子を守る人がいます。まずは、わたしがいのちある限り守りましょう。たとえ、私がこの世から去っても、次にこの子を守る人たちがたくさんいます。・・・
     ただし、今のような子育てをしていると、この子はだれにも頼れない子になってしまいます。それは間違いです。人は一人では生きることはできません。支え合って生きるものです。人の好意に甘えることが必要な時もあります。がんばらなくて、いいんだよ」
    そこまで言える水谷先生。

    先生の自分を投げ出して、子ども達にどこまでも愛情を注いでいく。その姿に、その強さはどこからくるのだろうと思います。

  • 「いのちは、どう生まれたかやどう失われたか、すなわち、生や死で語るべきものではなく、どう生きてきたかで語られるべきものだ」

    という言葉にすごく感銘を受けました。
    いのちについて、自分の今の過ごし方について、今一度見直す機会を与えてくれた。そんな本でした。

    つらくて、どうしよもなくなったとき、ふと立ち止まって、この本を読み返したいと思います。

    教員を目指す方は一読しても損はないと思います。
    むしろ一読するべき本だと思います。

  • 「夜回り先生」こと水谷修氏のエッセイです。見開き2ページでひとつの話が完結するので、ものすごくさくさくと読んでしまいました。しかし、彼の本を読んで感動するには僕は少し年を取りすぎたのかもしれません。

    僕は10年以上前から『夜回り先生』こと水谷修先生の本をずっと読んできましたけれど、この本を読んで表紙に写ってある水谷先生のお顔を拝見すると、衰えが目立っていて、健康が心配されます。

    この本はずっと夜の世界を回ってきた水谷先生によるエッセイになります。僕はもう、10代の少年少女と知り合う機会はもうなくなってしまったし、これからあるかどうかもわからないので、ここに書かれてあることがも、ビビッドに感じることがあまりできなくなってしまったなと、そんなことを読んだ後に思ってしまいました。

    おそらく、対象となっている読者は10代半ばから後半くらいの少年少女なのでしょう。見開き2ページに一つのエッセイの内容が記されていますので、読もうと思えばあっという間に読めてしまいます。僕は、今後何度か彼の本については書いていきますが『卒業』したんでしょうね。いい意味でも、悪い意味でも…。

    そんな中でも、水谷先生が出席した高校時代の同窓会で、『時の流れは残酷だよな…』と出席した同窓生がつぶやく中で、彼がいった
    「(中略)過ぎた時は戻らない。でも、明日は来る。そして、その明日を、仲間としてともに生きることができる。しかも、それぞれが長い人生の中で培ってきた知恵や力を武器として、みんな助け合おう」
    この言葉は、僕の心にも沁み入ってくるようでした。とりあえず、悔いのないように生きていく、僕に今できることはこのくらいなものでしょうな。

  • 本が出るたびに先生が存命なのだとホッとする。何度読んでも、心にすっとしみこんできて、前向きな気持ちになれる。いつまでもお元気でいてほしいと願わずにはいられない。

全9件中 1 - 9件を表示

著者プロフィール

水谷修(みずたに・おさむ) 1956年、神奈川県横浜市生まれ。上智大学文学部哲学科を卒業後、83年に横浜市立高校教諭となる。2004年9月に退職。在職中から子どもたちの非行防止や薬物汚染防止のために「夜回り」と呼ばれる深夜パトロールを行っているほか、メール・電話による相談を続け、全国各地での講演活動も展開している。

「2021年 『たかがニュース されどニュース』 で使われていた紹介文から引用しています。」

水谷修の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×