- Amazon.co.jp ・本 (300ページ)
- / ISBN・EAN: 9784535587106
感想・レビュー・書評
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ブラックスワンという概念が、印象に残っている。巨大なインパクトがあり、きわめて稀だが、ひとたび起きるや「十分に予測できた」と感じてしまう事象だそうな。本書が書かれたのは、2011年の東日本震災の頃だ。福島の原発事故は、じゅうぶん予測できたはずだ、とはよく言われた話だ。しかし、それだけでは単に、関係者が愚かだったで話は終わってしまう。
人間には損失や危険、不確実なものを考えること自体、回避しがちな傾向がある。それは想像するだけで、経験した時と同じ神経活動が起きるからだという。
もうひとつ、人間には出来事を後づけで解釈する傾向がある。後づけで再構成された内容を、客観的な事実と思い込んでしまう。
そうした傾向を考え合わせると、大災害もただの人災、関係者がバカだったから、で終っちゃうんだね。
でも人間の認知能力には限界がある。
それを踏まえたうえで、同じことがないように事態をとらえないと怖いことになるんだろうね。
著者は、認知科学の人だ。
学生時代に『サブリミナル・マインド』とか『〈意識〉とは何だろうか』とか何冊か読んで、印象に残っている。
こういう認知科学の知見を豊富に持っている人に、もっと社会事象についての見解を出してほしいな、なんて思ったね。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
東2法経図・開架 304A/Sh52b//K
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思ってたよりも、ブラックボックスどうなった?って感じで、最後の方はただ、世の中の事件批評みたいなのになってた気がする。