トポロジー:柔らかい幾何学 増補版

著者 :
  • 日本評論社
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感想 : 5
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  • Amazon.co.jp ・本 (222ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784535784055

作品紹介・あらすじ

本書は、トポロジーという現代数学が、どんなことをどのように扱う数学なのかを直観的・幾何学的に解説したトポロジーの入門書である。

感想・レビュー・書評

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  • 図を用いた解説が多めの入門書で,小宮『位相幾何入門』や横田『復刻版 位相幾何学から 射影幾何学へ』などと同レベルと思われる。

  • 大学時代の教科書。既に所持はしてなかったが、図書館で久しぶりに目にしたので読んでみた。
    位相幾何、すなわち小学校でも学ぶ「図形」に関する延長の学問。それを「トポロジー」と呼ぶ。

    ただ、「コップの形とドーナツの形は同じと見なす」というような、直感的には理解できない世界に私は学生時代苦労した。幸い、専門分野とは遠かったので深入りはしなかった。
    トポロジーが応用されている分野があるなら調べてみたいところ。

  • 最初に読むのに適していると思います。
    意味を理解しながら、自分で手を動かして読み進めることで、ホモロジーの計算を習得できます。

  • アマゾンのレビューでは、色々と悪く書かれているが、著者の最初と最後の言葉を踏まえた上で、トポロジーに数学としてきちんと入門できる、よく書かれた本である。

    トポロジーのなにが難しいって、空間的な把握と、次々に持ち出される道具的概念の新奇性にある。その意味では、啓蒙書しか読んでこなかったわたしのようなものには、本書は、うんと難しかった。しかし、時々示される数学的な成果に目から鱗が落ちたおかげで、なんとか最後まで学び切れた。

    完全ではないが、索引は良く出来ていて助かった。
    群論についての知識は前提として必要だ。

    ところで、結*の演算子の定義は4章(101ページ)にきちんと書かれているが、3章の問いの回答で、定義より先に出てきてしまう。そこだけが不満である。

  • 位相幾何学・トポロジーを勉強している人、理解したい人のための本を紹介します。
    授業で位相幾何学を取っている人にとっても有用です。

    トポロジーの入門者にとって、ホモロジー群の計算はイメージがつかず、非常に難しいことが多々あると思います。
    少なくとも自分は、図形のイメージと計算の過程が結びつかず、理解するのが大変でした。

    この本では計算の方法、図形のイメージの両方を大事に伝えています。

    例えば、他のトポロジーの教科書ではホモロジー群の定義をした後、一つ例をあげた後は練習問題になり、その後はより複雑な定理の証明に移行します。しかもその例も一次元鎖複体はこの部分、2次元鎖複体はこの部分といった簡単なイメージを伝えるのみで、なぜこの式がその部分を表しているのか分からない(時間をかければ分かるだろうが、テスト等あるのに時間がない)そんな書き方をしています。この本は、その図形の部分と計算の過程に登場する式がどう対応しているかを、例を使って丁寧に描いていて、非常に役に立つ本です。

    その他にもジョルダンの閉曲線定理、単体複体の埋め込み定理(2次元)など、有名だけど証明は知らないなんていう定理も証明込みで掲載されており、とても楽しい本になっています。

    ホモロジー群を勉強したての時にはこの本を開いて見ると良いかもしれません。分からなかったことが分かると思います。

    唯一つ、この本の微妙なところは、単体複体の計算が他の本と同様に省略されているところです。

    以下の本は、あまり評価は高くないですが、他の本では描かれていない単体複体のホモロジー群の計算を面倒くさがらずにやっているので重宝します。

    田中利史, 村上斉 共著「トポロジー入門」サイエンス社(2005)

    (ラーニング・アドバイザー/ IIJIMA)

    ▼筑波大学附属図書館の所蔵情報はこちら
    https://www.tulips.tsukuba.ac.jp/mylimedio/search/book.do?bibid=1196293

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著者プロフィール

1946年、群馬県生まれ。東京教育大学大学院理学研究科修了。群馬大学教育学部教授を経て、群馬大学名誉教授。数学教育協議会会員。専攻は位相幾何学(トポロジー)。著書は『読む数学』『読む数学 数列の不思議』『読む数学記号』『読むトポロジー』(いずれも角川ソフィア文庫)、『はじめての現代数学』ハヤカワ文庫NF)、『幾何物語』(ちくま学芸文庫)、『数学 想像力の科学』(岩波科学ライブラリー)、『頭にしみこむ微分積分』(技術評論社)など多数。

「2023年 『読む幾何学』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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