生きるための安楽死◇オランダ・「よき死」の現在

  • 日本評論社
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感想 : 9
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  • Amazon.co.jp ・本 (192ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784535985049

作品紹介・あらすじ

年間6000人以上が安楽死で亡くなるオランダ。安楽死はいかに「よき生」につながりうるか。豊富な事例に基づいて紹介する。

感想・レビュー・書評

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  • 安楽死先進国と言われているオランダ在住の著者が、オランダの安楽死事情とその考察、およびもう一つの安楽死先進国であるスイスの状況や日本での安楽死事件なども取り上げながら、安楽死についての現状を明らかにした本。

    オランダやスイスであっても、安楽死のほとんどは治る見込みのない病に侵されていて、かつ耐えがたい苦痛があり、本人が生命の短縮を望んでいる他、厳格な基準を満たした場合のみに認められているようだ。

    ただ、最近ではオランダで、上記のような条件でなくろも、自分の人生は既に完了してしまったと感じている70歳以上の高齢者も、希望すれば安らかに自死できるようにしよう、という動きも出てきていることも本書では紹介されている。

    個人的には以前より、年齢及びその他の一定の条件を満たせば、死のタイミングを自分で選べるようにして欲しいな~、と考えていたので、前述のオランダでの動きが日本をはじめとする世界に広く浸透すればいいな~と本書を読んで感じた。
    もちろん、モラルハザードの問題も大きいと思うので、制度設計は慎重に、かつ細心の注意をもって行われるべきであるのは、論を待たない。

    加えて、逆説的だが、自分で死のタイミングを選べる、つまり自分の人生をコントロールできるようになれば、人はかえって生きる気力も湧いてくるのではないか、少なくとも自分はそのタイプである。

    人生100年時代を迎え、自分の人生をコントロールする手段の一つとしてオランダでの議論がそう遠くない将来、日本でも議題の一つに上がってくれることを望んでやまない。

  • オランダの法、医療、歴史。日本とは違う。プロセスが明確化されている。日本ではまず、安楽死の定義を明確にすべきと主張。しかし、日本とはかなり違う制度と価値観に、日本での実現は難しいと感じる。

    ドキュメンタリーではないので、あまり引き込まれなかった。

  • このテーマの本は何冊も読んでいるが、読み終わった後にどうしてもモヤモヤ感が残る。

    一人一人が違う答えを持つ問題だし、多くの人にとって死というテーマには蓋を閉じておきたいだろう。

    でももっとこの問題をオープンに話し合える世の中になって欲しいなと思います。

  • 2021/06/27予約

    P23
    オランダで安楽死が指すのは熟考された本人の要請に応じて生命の終結を目的に医師が行う医療行為。
    緩和ケアの一環なので健康保険が適用される

    知らなかった、驚いた。


    安楽死に興味がある。
    いろいろな人の書いた書籍などを読んでいて、この方の本は、どれを読んでもあまり腑に落ちない。
    書いてあることに自分の主観を入れてあるからなのか?

    橋田壽賀子先生飲んで安楽死で…と言う本は、全く論外だった。

    私の個人的な意見としては、やはり宮下洋一氏が一番わかりやすく、主観をほぼ入れていないことにより、考えることに集中できる。

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著者プロフィール

通訳・執筆業

「2021年 『生きるための安楽死』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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