- Amazon.co.jp ・マンガ (191ページ)
- / ISBN・EAN: 9784537130232
感想・レビュー・書評
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連載1回目を読んだ時は古泉智浩、福満しげゆきの作品と同じゾンビのいる日常を描いた物かと思ったら回が進むにつれ実は「アイ アム ア ヒーロー」のようなゾンビパニック物だったとは!!
ゾンビは生物ではなく死物なんだから頭を破壊されてもひたすら人肉を求め、切り落とされた手足も動き最も有効な対処法は火炎放射器で黒コゲにするしかないという作者なりの解釈と設定が新鮮。(自分が知らないだけで既にそういう設定の作品はあるのかもしれないけど)
ただ、昔から相原コージの人体の描き方にはクセがあって(その辺の事情は「サルまん」に描いてある)線が硬く肉体の柔らかさと躍動感が感じられないのが難点。
でも、それは今に始まった事じやないし、所々で出て来る下ネタも合わせてそれが相原コージの持ち味とも言えるんだけどね。
作中のゾンビの特性を考えると既に結末が見えてるような気がするけど相原コージの事だから読者が「ちんぴょろすぽ〜ん!!」(サルまんより)と驚く展開を見せてくれる!!………のか?詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
先日、新しい歌舞伎座を横目に「東劇」でシネマ歌舞伎「大江戸リビングデッド」を観る。
一昨年の歌舞伎座のさよなら公演のときは、まさかのシモネタの連発、
「年増の性欲なめるなよ!」の扇雀の台詞に、席を立つ上品な着物姿のおばさまとかの
反応も含めて外連味あふれる舞台を楽しめた。
クドカン悪ふざけしすぎと思ったけど、映画で見直すと割と真っ当な「生きること」を巡るストーリー。
「働く生きている死者」と「死んでいるように生きている者」の違いは何かというテーマである。
さて、こちらの「Z」でも「生きる死者」は生者とは何が違うのか、ということがひとつのテーマ。
ゾンビでもいいからおっぱいは見たい、いや、パンツの中もみたい、
憧れの娘なら、ゾンビになったとしてもヤりたい!という童貞魂が爆発なゾンビ感。
ゾンビでも欲望の対象となりうるということ。
漫画自体は、散発的な物語を重ねて、一旦、広がって収束した(であろう)「ゾンビ禍」を語る形式。
マックス・ブルックスの「ワールドウォーZ」を思い起こささせる。
あちらは生き残った人による口伝であったが、
こちらは、ほとんどの話が死んでいった(ゾンビになった)人々の物語。
まあ、シモネタあり、動物ネタあり、と末梢の小さな物語だが、ラストの1ページでどーんと大きな物語の予感。
うーん、こっちかぁ…。 -
流行りのゾンビもん。「発生初期〜中期〜後期」と分かれ前後しながら、話により主人公が変わるオムニバスの群像劇。ゾンビの大元である定義を踏襲しているが新たなペーストを加え、死を知らないゾンビが所狭しと動き廻る様は絶望しかない。だが、後期になるにつれゾンビに対する処分の作業化の様子、日常に潜む落とし穴的な存在になったゾンビに浮き彫りにされる人の悲哀、滑稽さが笑いながらも唸ってしまった。何よりもある程度、明かした「後期」の話を最初に持って来て、最後に発生原因の建物を持って来た構成が何とも巧みな構成。全体像は少しずつ明かされているが全貌はまだまだ謎なので次巻が楽しみである。
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"相原コージさんには、ずいぶんと若かりし頃お世話になった(よくマンガを読んだという意味)。コージ苑は何度も読み返した名作!その相原コージさんがゾンビマンガを描いているということで、迷わず購入。久しぶりに出合った知人のような懐かしさあふれる絵がうれしい。
独特のワールドが繰り広げられる。続編もあるらしい。楽しみ。" -
不健全な匂いプンプンだな。作者のゾンビ好きさがうかがえる
オムニバス形式でゾンビの発生初期~後記を追っていくというのがありそうでなかった。大体主人公一行とその仲間たちのロードムービーになりがちだものね。その点でいうと一応薙刀少女が主人公にあたるのだろうか。登山者ゾンビが山の中をウロウロするだけの話も斬新。登場人物たちがいないところではゾンビって何してんだろうって疑問はずっとあったからそれに対する一つのアンサーをみることができた。やっぱり生き物とか動くものを追っかける傾向にあるのかね。 -
流行のゾンビものも、相原コージらしく、極端に好き嫌いが分かれるつくり。ダメな人は1話で嫌悪感でリタイヤ、我慢できれば物語の最後まで見届けたくなるだろう。
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ゾンビ話のタブー的な話。あと、ゾンビがいるのが日常化した世界での人間たちもかなり怖い。
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ゾンビものでこのような新鮮な驚きを感じるとは思わなかった。
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ゾンビ映画を全く観たことのない俺にとっては「脳を破壊されても死なないゾンビ」は、死体がもう一度死ぬわけ無いじゃん?といういたって普通の発想だ。俺のこれまでのゾンビものに対する勝手な「グロいだけのパニックものでしょ?」というイメージを覆し、もっと日常に寄り添ってくる恐怖として描かれていて今後に期待大。