海に眠る (KAREN文庫Mシリーズ)

著者 :
  • 日本文芸社
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レビュー : 4
  • Amazon.co.jp ・本 (285ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784537141054

感想・レビュー・書評

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  • 超泣いた。
    主人公の性格設定が甘いとか文章が荒削りとか色々突っ込み所はあるんだけどそれを差し引いてもありあまる悲しみと死という形でしか結ばれることのなかった、むしろ相手を殺してでも一緒にいたいという究極の愛っつか愛を知らなかった状態からここまできた過程っつかなんかもう本当に悲しかった。

  • 公衆トイレの片隅に、へその緒をつけたままで捨てられていたリュウは、虐待に耐えかねて孤児院の牧師を虐殺し、逃亡する。
    親の愛を知らず、あまりにも孤独で、十六年のリュウの人生は暗闇も同然であった。
    しかし、逃亡中に出逢った一人の青年が、リュウの運命に光を与える……。


    元々私はどろどろとした内容が好きで、『ボーイズラブ』が好きでした。ただ単に「萌え」というものを求めて購入したのかもしれません。

    ですが、その期待はまったく裏切られました。

    あらすじで簡易に説明されているよりも、主人公・リュウの過去はとても辛く、そしてとても暗いものでした。
    決して軽くまとめられるようなものではないですし、捨てられていた子供である─孤児であるリュウは、親の『愛』を知りません。
    「萌え」やこちらの感情を移入して読むよりも先に、複雑な感情がうまれてきます。

    生きるために窃盗を繰り返しては、逃亡を続けるリュウが、食べ物を盗むために侵入した家で出会う青年、佑介。
    リュウは佑介の目の前で家の食べ物を“盗み食い”にしていたのに、佑介はリュウを逃がしたり・家で眠らせてくれたり…。
    今まで誰にもやさしくしてもらったことのないリュウに対して、佑介はとてもやさしく・温かく…。リュウはその感情に戸惑い、気になります。


    序盤は苦しい感情表現のほうが多いかもしれません。
    けれど佑介のやさしさに包まれていくリュウは、とても純粋になっていったような気がします。
    これを読んで、人間ってなんてたくさんの感情を生み出せるんだろうと。改めて実感しました。
    ラスト3ページなんか、涙がぽろぽろこぼれてきました(笑)

    物語全体としてはとても良いですが…なんだかちょっと宗教クサいです。
    『神を信じること』……宗教等に嫌悪感のある私にとってはものすごく複雑でした。そういったものに嫌悪感のある方にはあまりおすすめできません。

    文章的には、読みやすく、理解しやすくて、スイスイ読んでいける感じです。
    夢中になって読める作品で、良いと思います。まだボーイズラブ小説を手に取ったことのない方にもおすすめしたい作品です。

    葛城ちかさんは、まだ新人作家さんだということなので今後の作品にもぜひ注目したいと思っています。

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