最後に思わずYESと言わせる最強の交渉術: かけひきで絶対負けない実戦テクニック72

著者 :
  • 日本文芸社
3.57
  • (15)
  • (25)
  • (27)
  • (6)
  • (3)
本棚登録 : 251
感想 : 28
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (222ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784537251500

作品紹介・あらすじ

攻防を制するかけひき論から、相手を説き伏せるレトリック、鉄壁の交渉話術まで橋下流・最強の交渉術を明かす。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 感情的な議論から逃れる方法
     考えを正してやろうといった個人攻撃に議論が発展したきた場合には、すぐその流れを遮断する。
     「この話し合いの目的をはっきりさせてください。どちらの意見が正しいかを決める場なのか、それとも紛争解決をする場なのか?もし私の意見を正そうとすることが目的なら、私は拒否させて頂きます。」
     言い方の簡素化で、感情的な相手の気持ちを整理させる
     「あなたがおっしゃっていることの意味が私にはわかりません。結局仰りたいことはなんなのですか?」

    行政とは交渉しないこと 交渉の余地はない 意思決定に関わるキーバーソンや決定権者は行政にはいない

  • ◾交渉の本質に迫る本だと思う。
    同僚、上司、部下、取り引き先、等、応用先は、多岐に亘るだろう。
    一番読んで欲しいのは、外務省!
    ただ、読むだけでは、身に付かないだろう。実践して、修正して、身体に叩き込む必要があろう。

    ◾主張と譲歩、核心と周辺のマトリックス
    ◾仮想の利益
    ◾相手の譲歩には、裏があると思え。

  •  著者の一部の本は、著者が大阪府知事になった頃から、Amazonでプレミア価格になっているようです。
     なので、僕は図書館で借りて読みましたが、この前紹介した木山泰嗣『弁護士だけが知っている 反論する技術』(http://blog.tomiya-daisuke.com/2012/06/blog-post_25.html)と比較したとき、ちょっと生々しくてどぎつい…と言うよりも露悪的な印象を受けました。

     本書では、交渉における主張は、究極的には「譲歩できないもの(主張)」と「譲歩できるもの」に分けられるとします。
     そして、人を動かすには、「利益を与える」か「熱意をもって説得する」しかありません。が、著者はここで「仮想の利益」つまり利益を与えたように思わせるという第三項を作り出し、それを効果的に使うことで交渉を有利に運べと言います。これ、やり過ぎると色々問題になりそうですね(笑)。もっとも、本書にあるのは、相手方に対してまだ起きていないリスクを指摘し、それを回避するために必要なコストである、と提案することでこちらの条件を呑ませると言うものですから、そのレベルでは十分アリな手段だと思います。

     あと、本書では交渉の内容ではなく、交渉でのポジション争い(特にメンタル面での優位性確保)に記述が割かれています。例を挙げると、相手方の事務所では出されたものには一切口を付けないようにし、トイレも借りないようにして小さな事でも借りを作らないようにしたり、相手が声を荒げれば声を張り返して声量で負けないようにする、などとにかく立場を互角に保つことに腐心しています。

     本書を読んでいると、著者の価値観や交渉・議論についての考え方がよくわかります。
     著者は学生時代にラグビーをやっていたそうですが、交渉や議論もそれと同じようなものと捉えているようで、交渉にはスポーツほどハッキリとはしないまでも、ある程度明確なルール(枠)があり、その中では多少のラフプレイも含めて全力を尽くすべきだ、という価値観が見え隠れします。

     こういう著者の交渉術を見ていて気づいたことがあります。この価値観というのは、、国際社会の場において居丈高に振る舞う国々の外交姿勢に近いと言えないでしょうか。
     一般的に日本人は(特に日本人同士だと)他者志向性が強く、互譲的な態度を取りがちです。
     が、国際社会の場ではこの反対で、お互いが持てるものをぶつけ合った果てでの均衡に妥結点を見出すようなところがあります。まさにラグビーで全力を尽くして戦った後にノーサイドとなるようなものですが、日本外交はこの手の強硬な主張にはすぐに腰砕けになってしまい「怒らせた=何かこちらサイドに悪い点があるに違いない」と発想するのか、すぐ譲ってしまいます。
     向こうは押し出す価値観で攻めてきますから、当然、譲れば譲る分だけ押し込まれます。
     日本人一般のメンタリティが国際社会における日本の姿勢に近いとするならば、日本社会において橋下徹という政治家が「強い」のもわかる気がします。

     …と、そんなことをつらつら考えながら読んでいると、実はこの本って、著者や大阪維新の会に反発を覚えている人こそ読むべき本なんじゃないか、と思うようになりました。「敵」がどういう戦い方をしてくるのかを研究するのには格好のテキストですから。
     ということで、本書は、特にアンチ橋下派の方に特にオススメです!(笑)

  • 人間心理を応用した交渉術と言わせれば聞こえがいいが、この本の内容はただの脅しや騙しにも紙一重。それを本にしちゃっていいのかなぁ、という印象を持った。

  • 交渉事は格闘技っていう話。

    興味深い部分もあったけど、いかんせん2003年発行で古いし、著者の感覚も若いので、大阪府知事や市長を務めて、今の年齢になった著者の交渉術を聞いてみたいなと思った。

  • 1

  • 思ったよりも良いことが書かれている本。橋下が書いているということを除けば。
    再読もあり。

  • 個人的に、政治家としての橋下氏の思想ややり口は心から嫌いで、行政の実務家としての功績も全く評価していない。しかし、本書は大変ためになる内容だった。
    交渉ごとのような形のない曖昧な作業は、自分の中に軸を作って常にその有効性を検討しながら経験を積むことでしか習熟できないと思う。その軸を作るのに、本書は最適だと思う。もちろん、本書に書かれたすべての手法が有効であるわけではなく、実践の中での検証の作業は必要になると思うが。
    ただし、橋下氏の経験則から導かれた交渉の流儀を伝授するという体裁なので、一貫性・体型性は期待できない。泥臭い現場の経験の羅列に過ぎない。善かれ悪しかれ。まとまりを出してもらえると読者としては手法を自分の中で整理しやすいので、そこは工夫してほしい。

  • はい、わかりました!

  • 2015.05―読了
    今日-2015/04/25-現在、本書に対するAmazonのカスタマーレビューは31件あり、
    その詳細は、☆5が18、☆4が2、☆3が5、☆2が3、☆1が3となっている。
    どなたかが書いているように、
    誰でもやっているけれど、普通は偉そうに本にしない「かけひき」の話、というのが的を得た評であろう。

    交渉という場――そこでは相対する当事者たる双方は本来的に五分と五分、対等の立場であってみれば、有利な結果をものするため、その経過のなかでさまざまな駆け引きが横行しうることは当然至極のことだ。
    左様に強面の輩を含め百戦錬磨の駆け引きばかりに身を賭してきた男が、あろうことか権力の座に着いてしまって、同じ手練手管を駆使して思う存分振舞っているのだから、始末に負えないこと夥しい、というものだ。

全28件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

大阪府立北野高等学校、早稲田大学政治経済学部卒業。1998年、橋下綜合法律事務所を開設。2008年に38歳で大阪府知事、2011年に42歳で大阪市長に就任。大阪府庁1万人、大阪市役所3万8000人の組織を動かし、絶対に実現不可能と言われた大阪都構想住民投票の実施や行政組織・財政改革などを成し遂げる。2015年、大阪市長を任期満了で退任。現在はテレビ出演、講演、執筆活動を中心に多方面で活動。
『実行力』『交渉力』『決断力』(以上、PHP新書)など著書多数。

「2023年 『折れない心 人間関係に悩まない生き方』 で使われていた紹介文から引用しています。」

橋下徹の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×