ヨーロッパ中世象徴史

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  • Amazon.co.jp ・本 (436ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784560026380

作品紹介・あらすじ

動物・植物・色彩・紋章・遊戯などのテーマを通して見た西欧の歴史。象徴を読み解くと、中世に生きた人々の価値観や社会が見えてくる。

感想・レビュー・書評

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  • 中世象徴体系はギリシアローマ、聖書、ゲルマンの遺産が混在し、4-5世紀頃定着した。
    リンゴはラテン語の悪を想起させる語であることから、禁断の果実とされるようになった。角は不吉の象徴だが、モーセには角が描かれる。これは聖書の誤訳に基づくもので、角の不吉さの例外とされる。中世において青は暖色であり、寒色とされている現代の感覚とは異なる。12は完全さを象徴する数字であり、13は過剰で不吉を象徴する。
    動物は不完全な創造物として人間と対比された。14世紀頃には動物や昆虫を裁判にかけた記録が残っている。動物園は権力の象徴であり、獅子が最高位を占めた。獅子は中世の紋章で最も用いられた形象である。それ以前は熊が動物崇拝の王だった。
    木は人間の肉体のメタファーである。石と同じく聖なるものと結びつくがより上位である。イチイと胡桃は不吉な木とされる。金属特に鉄は邪悪さを象徴する。木こりと炭焼きは軽蔑され孤立した存在であった。
    百合は王、聖なるもの、聖母マリアの象徴で、起源は旧約聖書の雅歌の一節にある。
    古代染め物は赤がほとんどで、14世紀頃から青が出てくる。白や黒に染めるのは非常に難しく、緑はもっと難しかった。染物師は最も軽視された職業であった。中世において赤褐色は悪魔的色彩であった。神聖ローマ皇帝フリードリヒ一世は通常赤髭であり、反キリスト的イメージがある。
    左手はキリストを磔にした手として嫌われた。ユダは左利きとされた。
    盾型紋章はギリシア・東方起源ではない。10世紀頃から軍事装備の進歩と関係している。紋章は家や組織を象徴し、国家の象徴である国旗へと繋がる。
    チェスはインド起源で西欧へ伝わった。教会は禁止したが常に人気であった。王を詰ませることは中世の戦争概念とは異なる。戦争とは小競り合い、ゲリラ攻撃、真の結末のないものであった。

  • すごく興味深い!常識が全然違うのね。

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著者プロフィール

1947年生まれ。フランス高等実習研究院第4部門名誉教授。色彩をはじめ、縞模様、動物や植物をめぐる歴史人類学の第一人者。著書多数。以下が邦訳されている。『縞模様の歴史』(白水社)『ヨーロッパの色彩』(パピルス)『紋章の歴史』(創元社)『青の歴史』(筑摩書房)『王を殺した豚、王が愛した象』(筑摩書房)『ヨーロッパ中世象徴史』(白水社)『色をめぐる対話』(柊風舎)『熊の歴史』(筑摩書房)

「2018年 『ピエールくんは黒がすき!』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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