悪魔の布: 縞模様の歴史

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  • Amazon.co.jp ・本 (156ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784560028728

作品紹介・あらすじ

縞模様の衣服は中世には悪魔の布と見なされ、売春婦、死刑執行人、旅芸人などが身につけた異端のシンボルであった。その後、現代りにいたるまで価値判断が二転三転した稿の歴史を広く絵画、文学等に探りながら、西洋社会を視覚的に考察した異色の図像学。

感想・レビュー・書評

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  • 縞模様、
    中世では排除された者(売春婦、道化、死刑執行人)の服に、
    近世では従属的な者(給仕、軍人)の制服に、
    近代では仏トリコロールのように意味が反転し、衛生の機能も付加、
    海のイメージも付いて良化する。
    縞模様の発展形態、面白すぎ。

    シマウマとは、
    ヨーロッパ人が長いあいだ断言してきたように
    黒い縞をもつ白い動物なのだろうか、
    あるいは、アフリカ人がつねに認識してきたように
    白い縞をもつ黒い動物なのであろうか・・・

    縞模様の曖昧さ、困惑させるものとして
    シマウマの引用で結ぶ見事さ。

    そして、著者が縞模様フェチすぎて(笑)
    ブリューゲルの「十字架を担うキリスト」
    『観る者の目はまずこの縞模様の農民に目を向ける』って、
    誰もそこまず見ないって(笑)。



    メスキータ展では動物版画シリーズの白眉が「シマウマ-1918」であった。
    「シマウマっていうのは生きている木版だ。そのシマウマをもう一度木版にすることは自制しなくちゃいけない」とエッシャーはメスキータ本人から聞いていたらしい。後日、メスキータ自身が描いたシマウマの木版を見たエッシャーはとても驚いた(笑)。
    でもでも、である。版画を見ると、そのシマウマの縞模様のラインがとても優しいのである、これがまた。草を食むシマウマが柔らかく見えて、けっしてモノクロの切り絵のようなシンプルな白黒ラインではない。

    そこで、以前読んだ書籍「悪魔の布-縞模様の歴史 ミシェル パストゥロー著」を思い出した次第。

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    日本初の回顧展として評判のメスキータ展と東京ステーションギャラリーの東京駅建造史で秘められた東京駅の建造物語を知る
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  • アレなタイトルですがなにげに面白いです、この本。ヨーロッパにおいて、縞模様の持つ意味を中世~近世に向かって考察してるんですが、中世ヨーロッパにおいて縞模様は悪魔の模様なんですよね。もちろん縞模様にはもっといろんな意味があります。囚人服がシマシマなのも(ry


    2009/5/29(金) 読了

  • ボーダーにストライプ。ありとあらゆる縞模様が好きな人に一度は読んでもらいたいかも?<br>
    無地でもなく、柄でもない縞について、古い時代から順におっていくことができます。

  • パストゥローは「ヨーロッパの色彩」の方が好きだが、装丁もきれいだし、たしか小さな出版社から出版されたので、リストに載らなかった(涙)こちらもおもしろかったから、まあいいか。

  • 確かにピエロは縞の服だな。

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著者プロフィール

1947年生まれ。フランス高等実習研究院第4部門名誉教授。色彩をはじめ、縞模様、動物や植物をめぐる歴史人類学の第一人者。著書多数。以下が邦訳されている。『縞模様の歴史』(白水社)『ヨーロッパの色彩』(パピルス)『紋章の歴史』(創元社)『青の歴史』(筑摩書房)『王を殺した豚、王が愛した象』(筑摩書房)『ヨーロッパ中世象徴史』(白水社)『色をめぐる対話』(柊風舎)『熊の歴史』(筑摩書房)

「2018年 『ピエールくんは黒がすき!』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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